beacon

“ロス世代”U-21日本代表がアジア大会へ始動! U23アジア杯Vから8か月、大岩監督が自信「悩みより期待」

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

大岩剛監督のU-21日本代表が始動した

 アジア競技大会に臨むU-21日本代表は13日、愛知県・豊田市内で合宿をスタートさせた。豊田スタジアムで行われる16日のグループリーグ初戦でU-23香港代表と対戦する。

 オリンピックのアジア版ともいわれるアジア競技大会は1951年に始まり、原則4年に一度開催。第20回となる今大会は愛知・名古屋を中心に行われ、日本では94年の広島大会以来32年ぶり3度目の開催となる。

 第1回から実施されている男子サッカーには15チームが出場し、4組に分かれたグループリーグの各組上位2チームが準々決勝に進出。グループAの日本は香港、キルギス、タイと対戦する。日本は10年の広州大会で初優勝を果たした一方、大岩剛監督が率いた23年の前回杭州大会は決勝で韓国に1-2で逆転負けし、2大会連続の銀メダル。今大会では4大会ぶり2度目の優勝を目指す。

 初日の練習には15人が参加した。直前の所属クラブでの試合で出場時間が長かったFW道脇豊(いわき)、MF嶋本悠大(清水)、DF梅木怜(今治)、DF土屋櫂大(福島)、MF中島洋太朗(広島)、FW横山夢樹(C大阪)、MF大関友翔(川崎F)は短めのリカバリーで切り上げた。

 FW石橋瀬凪(湘南)、MF石井久継(湘南)、FW古谷柊介(東京国際大/柏内定)、FW福永裕也(京都産業大)、MF保田堅心(長崎)、DF岡部タリクカナイ颯斗(東洋大)、DF永野修都(FC東京)、GKピサノアレックス幸冬堀尾(名古屋)もボールを使ったレクリエーションなどを実施。初日の練習は約1時間で終了した。

 この日、所属クラブで試合が行われているGK小林将天(松本)、DF佐藤海宏(新潟)、DF森壮一朗(岡山)は後日合流する。一方、初戦までに間に合わない選手もいる。GK荒木琉偉(G大阪)は15日のACLEリーグフェーズ第1節コンアン・ハノイ戦に帯同。海外組のDF市原吏音(AZ)、DF小杉啓太(フランクフルト)、MF石渡ネルソン(シントトロイデン)、FWンワディケ・ウチェ・ブライアン世雄(オールボー/デンマーク)は、インターナショナルウインドー(IW)が始まる来週以降の合流になるという。

 全員がそろわない中で迎えた活動初日。大岩監督は「今日初めて選手の顔を見て、まだ全員そろっていないけど、『始まるな』という気持ちにはなってきた」と、大会が始まる実感を口にした。

 香港戦までは残り3日。所属クラブで試合に出続けている選手がいる一方、出場機会が限られている選手もおり、置かれた状況はそれぞれ異なる。指揮官は「もう“マイナス3”でゲームが迫っている。そこから逆算した中で、個人のルーティンとチームとしての戦術的な要素も含めて、この3日間をうまく使っていく」と伝えたという。

 特に初戦と第2節は海外組などを欠いた限られた人数で戦う。「いいコンディションをしっかり見定めるということがまず第一。怪我もあるし、その上で100%でゲームに入っていくこと。1戦目、2戦目は少ない人数でやらなければいけないので、交代選手も含めてビルディングしていかなければいけない」。そう語る指揮官は個々の状態を慎重に見極めながらチームを組み立てる構えを示した。

 もっとも、不安よりも期待のほうが大きい。招集メンバーの多くが8月から開幕したJリーグで出場機会を得ていることを踏まえ、「比較的、みんなそれぞれのチームでチャンスを与えられている選手が数多くいる」と評価。「出ている、出ていないも含めて、比較的コンディションがいいのかなと感じている。悩みよりも期待のほうが大きい」とうなずいた。

 今大会でチームを引っ張る存在は、これから見定める。これまでキャプテンを務めてきた市原は大会途中からの合流になるが、ゲームキャプテンやリーダーグループは「まだ決まっていない」という。ただし、今回の23人に初招集はおらず、今年1月のAFC U23アジアカップを経験した選手や、継続的に活動へ参加してきた選手がそろう。「そういう中からしっかり選びたい」と語った。

 日本は今年1月、U-23年代を対象とするU23アジア杯で2大会連続3度目の優勝を果たした。今回のメンバーでは荒木、市原、大関、道脇らすべてのポジションにアジア制覇を経験した選手が名を連ねた。アジア大会とは異なる大会だが、そこで得た経験や自信も今大会へ持ち込む。

 大岩監督は当時からの継続について、「我々のスタイルは変わらない。それぞれのポジションのタスクであったり、グループとしてのピッチでの役割というのは、継続してやらなければいけない」と強調する。

 U23アジア杯から半年以上が経過し、選手たちはそれぞれの所属クラブで経験を積んできた。「いいパフォーマンスをしている、成長したパフォーマンスを見せているということは明確にある」。個々の成長をチームに還元しつつ、「スタイルを出すことがひとつでも勝利に近づいていく、勝つ確率が上がる」という考えを改めて浸透させていく。

 U23アジア杯の連覇を始め、鹿島アントラーズ時代のACLなど、国際大会や短期決戦で結果を残してきた。連戦が続く今大会でも、初戦特有の硬さやコンディション管理、負傷や出場停止などのアクシデントなど、さまざまな難しさが待ち受ける。それでも、指揮官はそうした部分を過度に意識させるつもりはない。

「難しさはたくさんある。初戦の難しさだったり、試合間隔の短さだったり、いろいろなことがあると思う。あまりそこの難しさにフォーカスするよりも、この大会をしっかりひとつずつ勝っていくんだと。自分たちにしっかりフォーカスして、相手もしっかりリスペクトしながら、我々のスタイルをしっかり出すというところが、やるべきことだと思う」

 今年1月のU23アジア杯で頂点に立ったことで、各国から向けられる警戒も強まると予想する。さらに日本は、基本的にU-23世代で編成できる他国より若いU-21世代で臨み、自国開催による期待も背負う。

「この間の(U23)アジア杯で優勝したから、各国の我々に対する意気込みは変わってくると予想している。それを受けるのではなく、こちらからアグレッシブに向かっていきたい。年下でもあるし、自国開催でもあるので、変に受け身になるのではなく、積極的にそれぞれのことに向かっていきたい」

 特別な準備を施すのではなく、これまで積み上げてきたスタイルを貫く。「選手たちには変なプレッシャーよりも、『俺たちのサッカーをしっかりやるんだ』『自分たちのスタイルを出すんだ』という気持ちにさせていきたい」。前回のアジア競技大会で届かなかった頂点、そしてその先にある28年ロサンゼルス五輪を見据え、U-21日本代表は32年ぶりの自国開催となるアジア大会に臨む。

(取材・文 石川祐介)

●第20回アジア大会特集
石川祐介
Text by 石川祐介

「ゲキサカ」ショート動画

TOP