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U-17W杯へ「俺が行く」意欲を全25人が示した候補合宿…最終日の練習試合・流経大戦は昌平FW立野がハット、神戸U-18MF井内は2発

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最終日はトレーニングマッチを開催

 U-17日本代表候補は3日間の合宿最終日となる22日、流通経済大とのトレーニングマッチを行った。40分×2本を2試合実施して1試合目はスコアレスドロー、2試合目はFW立野京弥(昌平高)のハットトリックとMF井内亮太朗(神戸U-18)の2ゴールで5-0の勝利を収めた。

 今回の候補合宿は来月開幕するU-17ワールドカップへのサバイバル。Jリーグで出場機会を得ている選手などチームの核となるメンバーは不在で、代表活動から離れていた選手を含む25人が招集された。トレーニングマッチでは1試合目組と2試合目組にメンバーが分かれたが、小野信義監督は評価順ではなくフラットな構成だと強調。「1試合目、2試合目で(それぞれが)パフォーマンスを発揮してほしい」と選手を送り出した。

 1試合目はGK木田蓮人(帝京長岡高)、DF林奏汰(静岡学園高)、DFエゼモクェ・チメヅェ海(C大阪)、DF西野陽向(磐田U-18)、MF星宗介(尚志高)、MF滝澤周生(鹿島ユース)、MF里見汰福(神戸U-18)、MF茂木勇人チュクソム(柏U-18)、MF秋元大樹(市立船橋高)、MF深谷朔共(名古屋U-18)、FW高木瑛人(鹿島ユース)が先発した。

 流通経済大は同日夜に関東大学リーグ2部の試合を控えており、リーグ戦メンバー外とみられる1年生から3年生の選手で構成。U-17日本代表候補はその相手に対して前半6分、高木が上手く相手DFのマークを剥がして自陣からボールを引き出し、ラストパスを送る。里見がGKと1対1になる決定機になったが、シュートはGK黒澤啓太(2年=日体大荏原高)に阻まれた。

 以降は流通経済大ペースで試合が進んでいきつつ、星が中盤でボールを刈り取るなどして決定的なシュートは打たせずに時間が経過していった。前半28分にはエゼモクェの浮き球で高木が潰れると、前線に流れたボールに里見が走り込んで再びGKと1対1になったがここもGKがストップ。こぼれ球に反応した茂木のシュートは枠の左に外れた。直後、エゼモクェのドリブルから里見を経由してボールを受けた高木がゴールネットを揺らすもオフサイドだった。

 次第にU-17日本代表候補が敵陣に迫っていく。前半31分には滝澤が高い位置でボールを奪い、高木から星へと繋がって星がグラウンダーミドルでゴールを狙ったが、左ポストに嫌われた。同35分に高木のクロスを秋元がゴール前で合わせたが枠を捉えられず、前半を0-0で終了した。

 後半から里見との交代でMF五十嵐陵(柏U-18)が出場。立ち上がりこそ流通経済大にシュートシーンがあったものの、敵陣に押し込んで主導権を握った。ただゴール前までいくもラストパスが合わなかったり、シュートを打ちきれなかったりとなかなかスコアが動かない。後半17分にGK川中碧音(C大阪U-18)が木田との交代でピッチに入った。

 U-17日本代表候補は後半21分にDF橋本凜来(FC東京U-18)が西野との交代で出場し、同34分には西野が茂木との交代で再出場。同35分、深谷が左から折り返したボールを高木が合わせるも枠の上に飛んだ。終盤には流通経済大の速攻でピンチもあったが、最後までスコアは動かず0-0で終了した。

1試合目は0-0で終了

 2試合目はGK川中、DF熊田佳斗(大宮)、DF落合哉太(柏U-18)、DF橋本、MF藤本祥輝(G大阪ユース)、MF井芹響輔(大宮)、MF井内、MF中島璃久(FC東京U-18)、MF五十嵐、MF梶山蓮翔(FC東京U-18)、FW立野の先発メンバーで臨んだ。

 前半6分に流通経済大MF葛西亮太(2年=流通経済大柏高)のコントロールシュートがクロスバーを叩くシーンこそあったが、2試合目は終始U-17日本代表候補がゲームを支配した。前半13分には井芹が左から上げたクロスを中島がゴール前ファーサイドで合わせたが、ここは惜しくも枠の右に外れた。

 それでもU-17日本代表候補が前半16分に先制した。井芹のスルーパスで井内が左サイドのスペースを取ってペナルティエリア内に折り返す。トラップした五十嵐はDFの対応でシュートを打てなかったものの、こぼれ球に走り込んだ立野の足に相手のクリアボールが当たり、そのままゴールに吸い込まれた。

 続く前半19分、中島と梶山が右サイドで相手に同時プレスをかけてボール奪取に成功し、梶山が前線へスルーパスを供給。立野が収めてペナルティエリア手前中央右寄りから右足を振ると、GKの手をかすめたボールはゴールネットを揺らして2-0とした。

 なおもU-17日本代表候補は前半24分、藤本が中央右寄りから左サイドへ展開し、井芹が敵陣深くから中央へリターン。井内がトラップから鮮やかなターンで相手を振り切ると、カバーの選手にはシュートフェイントでタイミングを外してシュートコースを作って右足を振り抜き、3-0とするゴールを奪った。

 3点リードのU-17日本代表候補は前半終盤からGK高橋恒輝(大成高/東京V内定)が川中に代わって、ハーフタイム明けからはMF鮫島充輝(名古屋U-18)とDF倉橋幸暉(鹿島ユース)が橋本と五十嵐に代わって出場した。

 後半4分、立野が最終ラインの背後に抜け出してGKと1対1になるとペナルティエリア手前で倒されてFKを獲得。流通経済大GKには決定機阻止でレッドカードが提示されるも、試合の特性上退場処分とはせず11対11で続行となった。

 U-17日本代表は攻撃の手を緩めずゴールを重ねた。後半13分、相手GKのロングボールに倉橋が前に出てインターセプト。縦につけたボールを中島が収めて中央左の井内にラストパスを送った。これで井内がペナルティエリア左に侵入してGKと1対1になり、冷静に左足でファーサイドネットへと流し込んだ。

 さらにU-17日本代表は後半21分、井芹が左サイドを縦に運んで折り返したボールを中島がトラップして相手をかわす。ややボールが流れたところを立野が合わせて5-0。立野はハットトリックとなった。

立野は前半だけで2得点、後半に1点を加点してハットトリック

井内は2ゴールを奪った

 以降もU-17日本代表は攻撃を続けながら、最後まで失点は許さずにタイムアップを迎えた。なお各試合後にはそれぞれPK戦を実施。1試合目はGK木田が2本止めて4-3で勝利し、2試合目はGK高橋が1本止めたものの5-6で敗れた。

木田は2本担当して2ストップと圧巻の働き

高橋は1本ストップ

 小野監督は3日間の活動を終えて、U-17W杯メンバー入りを狙う選手たちを「移動してきて練習、(2日目は)2部練、ゲームと大変だったと思うけれど『俺が行く』みたいな感じが最後まであったところは良かった」と評価する。

 U-17W杯登録枠はGK3人を含む21人で、候補合宿に参加していない主軸の選手も複数いることを踏まえると候補合宿からのメンバー入りは「半分は行ける。逆に半分は行けない」(小野監督)という狭き門だ。

 小野監督はその門を通過することが将来世界の舞台で戦ったり、日の丸を背負ったりする上でも重要な意味があることを示したという。昨年にU-17W杯を戦ったU-18世代から、今夏行われたU-20W杯アジア1次予選(U20アジア杯予選)のU-19日本代表メンバーに複数の選手が選出。「W杯を経験していることは大きく成長に繋がるよと伝えた。だからこそ(今年のU-17W杯メンバー入りを)獰猛に掴み取ってほしいという話を選手にした」。

 それぞれが高いモチベーションを持ち続けた中、最終日のトレーニングマッチではそれぞれの良さを出すことに加えて、攻守両面でペナルティエリアで力を発揮するように求めたという。

 昨年のU-17W杯ではベスト8に終わった日本。大会の総括としてゴール前の価値を上げることが課題に挙がった。たとえば今年行われている中学年代のナショナルトレセンでは、攻守ともにゴール前の局面で一段階上のプレーを発揮することが求められており、それは育成年代共通のポイント。今年のU-17W杯組にも同様の要求がされている様子だ。

 0-0の1試合目については「チャンスが4本、5本ある中で決めきれなかった。そしてピンチが何本かあってそれで負ける(こともある)というところでは、やっぱり両ペナルティエリア付近はもっと高めなければいけない」と小野監督。もっとも2試合目は相手のプレー精度や強度が落ちたこともあり「2試合目が5-0だったからそっちの選手が全部良いという判断はしない」と強調し、選考に対する影響というよりもU-17W杯に向けて気を引き締めていく姿勢だ。

 なお、今回の合宿には来年もU-17W杯出場資格を持つ2010年生まれから5人が参加しており、高校2年生で早生まれの梶山はこの日1アシストするなど、突き上げの世代がそれぞれ飛び級選出を目指して全力を尽くした。

 前回大会ではDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島)、MF長南開史(柏)、MF和田武士(浦和)、MF北原槙(藤枝/前回は怪我で辞退)がメンバー入りを果たし、今大会では中軸を担うことが期待されている。小野監督は彼らを今年5月のU17アジア杯で指揮し、飛び級で一度世界を経験することの大きさを感じたようだ。

 そうしたことから、小野監督は先月のU-17日本代表活動では新潟遠征とフランス遠征でもそれぞれ飛び級となる2010年生まれの選手を「意図的に」入れていたという。最終メンバーに残れるかにかかわらず、自身の世代でU-17W杯を目指す前年に選考争いを経験すること自体にも意味があると捉え、仮に落選となった選手には反骨心を持って来年以降へのリベンジへ成長していくことを期待した。

 ここから指揮官にとっては21人の最終メンバーに絞る悩ましい日々になる。小野監督は「自分たちが思うベストチームと個人で何かできるよう選手を選びたい」。その上で当落にかかわらず、A代表でのW杯優勝が日本サッカー界にとって最大の目標だとし、研鑽を重ねていくことをU-17年代の全選手に求めた。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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