記者の質問に緊迫…最下位・札幌ミシャ監督「どういう答えを期待しているのか」通訳「僕も訳せない」
[6.2 J1第17節 東京V 5-3 札幌 味スタ]
大量失点で3連敗を喫した。北海道コンサドーレ札幌のペトロヴィッチ監督は試合後の会見で「こういうなかで這い上がっていくのか、自分たちが見つめ直さなければいけない」と現状を語った。
札幌は前半10分に先制を許すと、同20分にMF荒野拓馬のゴールで同点に追いつくものの、東京ヴェルディの決定力に屈す。3得点は奪ったが、5失点で敗れた。ペトロヴィッチ監督は5失点の理由をそれぞれ語りながら、「一試合を通して見ると、自分たちがやってはいけない場面でやってはいけないことをやった」と総括した。
相次ぐ主力の移籍やここまで負傷者が続出するなど、ピッチ外で起きた要因もある。指揮官もその点を挙げつつ、「結果で評価されるもの。責任は監督である私にあるが、至るまでの理由は必ずある」と悔しさをにじませた。
苦しい戦いが続くなか、クラブは先月29日に公式サイトを通じ、ペトロヴィッチ監督の今シーズン続投を表明。また「今シーズンをクラブとミシャ監督との集大成として考えています」と今シーズン限りでの退任もほのめかしていた。会見でそのことを問われると「こういう状況のなかで大事なことは常にクラブ」と信条を語った。
「選手、監督やスタッフも、いずれはクラブを去る。ただ、われわれが去ってもクラブはそこにある。クラブの存在は常に大事なもの」
「私自身は比較的長くひとつのクラブで仕事をする傾向のある人間。心がけていることは、ひとつのクラブで仕事をするときに、与えられた環境でいかにクラブがいい方向にいくか。成長していけるかを考えて仕事をする人間だ」
「クラブの決定、クラブがどう判断するか。監督は常にそれを尊重して受け入れて、自分のベストを尽くす。それがわれわれの仕事。そういうなかで私が何を思うか。クラブを大切にし、クラブの決定に従う。苦難な状況のなかで這い上がれると信じている。私自身がやっているすべてのことは札幌のため。怪我した選手が戻ってくることは大きなプラス。戦えるだけの力はある。結果が伴わない試合も多いが、ここからどうやって這い上がるか。私たちは希望を捨てていない」
司会が会見を終わらせようとしたとき、最後に質問が飛んだ。「選手が自信も集中力も失っているなかで、残留も大事なことだが、ほかに選手やクラブに残したいもの、伝えたいものはあるか」(記者)。通訳の杉浦大輔氏がペトロヴィッチ監督に伝えるも、返ってきた答えは「質問が抽象的でわからない。何を残したいというのはどういう主旨なのか」だった。
指揮官は、杉浦氏を通して「試合の結果や残留という結果以外に何を残したいのか。どういう答えを期待しているのか。いなくなったら何も残らない」と困惑。杉浦氏も「僕も訳したいが、質問の内容が抽象的すぎて訳せない。訳しているけど伝わらない」と語気を強めた。
意図を汲んだペトロヴィッチ監督はこれまでの仕事を振り返る。「札幌に来た当初は年齢の高い選手が多かった。若い選手を育てながら、一年一年チームを作りながら、J1のなかでも一目を置かれるチームになったと思っている。札幌がどういうスタイルのチームなのか。見ている方にはっきりとわかるチームになった。それを6シーズンでしっかり作った」と胸を張った。
大卒選手を中心に多くの若手選手が育っていったが、その選手たちが主力化した中で移籍する現状に「そういう選手たちが買われていく現状のなかで、なかなか積み上げていくことができない。それが毎年続いた」と指揮官も触れる。「われわれがその選手たちを引き留めることができるだけの資金力があれば、十分に今シーズンタイトルを狙えるようなチームになっていたと思う」ともどかしさをのぞかせていた。
(取材・文 石川祐介)
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大量失点で3連敗を喫した。北海道コンサドーレ札幌のペトロヴィッチ監督は試合後の会見で「こういうなかで這い上がっていくのか、自分たちが見つめ直さなければいけない」と現状を語った。
札幌は前半10分に先制を許すと、同20分にMF荒野拓馬のゴールで同点に追いつくものの、東京ヴェルディの決定力に屈す。3得点は奪ったが、5失点で敗れた。ペトロヴィッチ監督は5失点の理由をそれぞれ語りながら、「一試合を通して見ると、自分たちがやってはいけない場面でやってはいけないことをやった」と総括した。
相次ぐ主力の移籍やここまで負傷者が続出するなど、ピッチ外で起きた要因もある。指揮官もその点を挙げつつ、「結果で評価されるもの。責任は監督である私にあるが、至るまでの理由は必ずある」と悔しさをにじませた。
苦しい戦いが続くなか、クラブは先月29日に公式サイトを通じ、ペトロヴィッチ監督の今シーズン続投を表明。また「今シーズンをクラブとミシャ監督との集大成として考えています」と今シーズン限りでの退任もほのめかしていた。会見でそのことを問われると「こういう状況のなかで大事なことは常にクラブ」と信条を語った。
「選手、監督やスタッフも、いずれはクラブを去る。ただ、われわれが去ってもクラブはそこにある。クラブの存在は常に大事なもの」
「私自身は比較的長くひとつのクラブで仕事をする傾向のある人間。心がけていることは、ひとつのクラブで仕事をするときに、与えられた環境でいかにクラブがいい方向にいくか。成長していけるかを考えて仕事をする人間だ」
「クラブの決定、クラブがどう判断するか。監督は常にそれを尊重して受け入れて、自分のベストを尽くす。それがわれわれの仕事。そういうなかで私が何を思うか。クラブを大切にし、クラブの決定に従う。苦難な状況のなかで這い上がれると信じている。私自身がやっているすべてのことは札幌のため。怪我した選手が戻ってくることは大きなプラス。戦えるだけの力はある。結果が伴わない試合も多いが、ここからどうやって這い上がるか。私たちは希望を捨てていない」
司会が会見を終わらせようとしたとき、最後に質問が飛んだ。「選手が自信も集中力も失っているなかで、残留も大事なことだが、ほかに選手やクラブに残したいもの、伝えたいものはあるか」(記者)。通訳の杉浦大輔氏がペトロヴィッチ監督に伝えるも、返ってきた答えは「質問が抽象的でわからない。何を残したいというのはどういう主旨なのか」だった。
指揮官は、杉浦氏を通して「試合の結果や残留という結果以外に何を残したいのか。どういう答えを期待しているのか。いなくなったら何も残らない」と困惑。杉浦氏も「僕も訳したいが、質問の内容が抽象的すぎて訳せない。訳しているけど伝わらない」と語気を強めた。
意図を汲んだペトロヴィッチ監督はこれまでの仕事を振り返る。「札幌に来た当初は年齢の高い選手が多かった。若い選手を育てながら、一年一年チームを作りながら、J1のなかでも一目を置かれるチームになったと思っている。札幌がどういうスタイルのチームなのか。見ている方にはっきりとわかるチームになった。それを6シーズンでしっかり作った」と胸を張った。
大卒選手を中心に多くの若手選手が育っていったが、その選手たちが主力化した中で移籍する現状に「そういう選手たちが買われていく現状のなかで、なかなか積み上げていくことができない。それが毎年続いた」と指揮官も触れる。「われわれがその選手たちを引き留めることができるだけの資金力があれば、十分に今シーズンタイトルを狙えるようなチームになっていたと思う」ともどかしさをのぞかせていた。
(取材・文 石川祐介)
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