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王者撃破で待望のJ初勝利も新潟・樹森監督「まだまだ申し訳ない気持ちが強い」

初白星を飾ったアルビレックス新潟

[4.6 J1第9節 神戸 0-1 新潟 国立]

 5度目の正直だった。アルビレックス新潟は6日、国立競技場で行われたJ1第9節で2連覇王者のヴィッセル神戸に1-0で勝利。ここまで9試合中4試合でリードを奪いながらも追いつかれる展開を経験していた中、ようやく逃げ切りに成功し、待望の今季初白星を手にした。

 新潟はこの日、ファーストチャンスとなった前半12分のショートカウンターからMF長谷川元希が先制点を奪った。先に試合を動かすのは開幕節の横浜FM戦(△1-1)、第4節のC大阪戦(△2-2)、第7節のG大阪戦(△3-3)に続いて今季4度目。先制されながらも一時逆転を果たした第5節の東京V戦(△2-2)を含めると、5試合目の「1点リード」だった。

 ただ、いずれの試合も後半30分以降に同点ゴールを献上し、そのうち2試合は後半アディショナルタイムに失点。守勢を強いられる終盤の試合運びが課題となっていた。

 ただ、この日は守備陣にアクシデントがありながらも、最後まで集中力高く守り切った。試合後、樹森大介監督は終盤の戦いを「何度も勝っている状態のなかで同点に追いつかれたりするゲームが続いているので、笛が鳴るまで集中していたのが本音」と振り返りつつ、「終わった瞬間はホッとしたのが一つと、僕らはこれに勝ったら変わるよと。今までは総合的に内容がいい試合が多かった(けど勝てなかった)ので、この勝利が次のステップに行ける条件になる。その安堵が大きい」と心境を口にした。

 水戸ユースの礎を築いた育成畑出身の指揮官にとってJリーグで初の勝ち点3。ただ、自身の感慨をあらわにすることはなかった。

「僕自身、新潟に来て初めての勝利というところはあるが、新潟というのは本当に地域に注目されていて、多くのファン・サポーターがいる中でその期待に応えないといけない部分があった。ただ今回も本当にたくさんのサポーターが国立まで来てくれて、最後に彼らの力によってゼロで抑えられた思いが強い」

 そうサポーターへの感謝を口にした指揮官は「今回の1勝というのがまだまだ彼らにとって足りない勝利数だと思っているので、はっきり言ってまだまだ申し訳ない気持ちが強い」と心境を吐露。依然として1勝4分4敗で最下位に沈んでおり、「これから一つでも多く、特にホームでは必ず勝っていきたい思いが強い」と先を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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