J1デビュー戦の涙、ACLEの衝撃、高1で別れた元同期との再会…濃密な1か月過ごした川崎F土屋櫂大、19歳バースデーの決意「早くあのピッチに立ちたい」
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J1デビュー戦で味わった悔しさも、アジアの頂上決戦で感じた刺激も、10代ラストイヤーでの飛躍の糧となる。川崎フロンターレDF土屋櫂大は12日、19歳の誕生日にU-22 Jリーグ選抜の活動をスタート。「こんなに違う環境で過ごす誕生日は今までなかったので不思議な感覚。次はチームの勝利に貢献するのが19歳の目標です」と抱負を語った。
2006年5月12日生まれの土屋は今季、川崎F U-18からトップチームに昇格したクラブ期待のDF。世代別代表でも23年にU-17日本代表の中心選手としてU-17W杯に出場し、世界デビューを果たすと、今年2月に行われたAFC U20アジアカップにも出場し、9月下旬からチリで行われるU-20W杯の有力候補選手となっている。
そうして迎えている今季、土屋はほろ苦くも濃密な経験を重ねてきた。4月9日に行われたJ1リーグ戦・横浜FM戦(△3-3)では後半43分から出場機会を掴み、J1デビューを果たしたが、そこから2失点に関与。先輩のDF高井幸大の劇的な同点ゴールで追いつき、結果は引き分けに持ち込んだが、試合後には涙ながらに決意を新たにしていた。


「デビュー戦はああいう形で出させてもらって、チームが引き分けで終わってしまって、やっぱり日々の練習から今までのままじゃダメだなと思っているし、オン(・ザ・ピッチ)の部分だけでなく、オフ(・ザ・ピッチ)の部分でも他の選手と一緒じゃダメだと思うので、もう若手だからじゃなく物怖じせずに自分を出していかないといけないと思っている」
その後はチームで出場機会が巡ってくることはなく、プレー面では鍛錬の時期を過ごしているが、4月下旬から5月上旬に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ではサウジアラビアに帯同。中東アウェーの3連戦で史上初のアジア王座に挑み、惜しくも届かなかったチームの雰囲気を経験した。


特に心に残ったのは川崎F U-18の先輩でもあるDF高井幸大の飛躍だった。すでに日本代表でも出場機会を掴んだ20歳はアルサッド戦でFWアクラム・アフィフ、アルナスル戦でFWクリスティアーノ・ロナウドと相手のキーマンを完封。ただそれでもなお、チームとしてアジアのトップに届かないという挫折も味わっていた。
「ACLでは(年齢が)2つ上の幸大くんが(クリスティアーノ・)ロナウドだったり世界のトップスター選手と対峙していて、そして決勝で負けて一人立ち上がれなくなっている姿を自分は外から見ていた。幸大くんと2つしか違わないんだというのは自分にとって刺激になるし、本当に幸大くんからは刺激を受ける毎日です」
また同じくU-20W杯を目指す05年生まれのMF大関友翔とFW神田奏真もアルナスル戦で先発起用され、献身的な守備でMFマルセロ・ブロゾビッチを封じながら攻撃の強みを出しており、「レベルの違うプレーを毎日見せられている」と土屋。飛躍する先輩たちを見上げながらも「あそこについていけるように自分も年齢関係なく、早く一緒にピッチに立ってプレーしたい」と思いを語った。
この約1か月間の記憶は身体に深く刻み込まれ、あふれんばかりの成長意欲となっている。「やっぱりACLのあの景色を見てもそうですし、日々のJリーグでもそうですけど、自分が早くあのピッチに立ちたいという思いは誰よりも強く思っている」。そのためにも、まずは今回のU-22 Jリーグ選抜の活動を一つのきっかけにしていきたいところだ。
今回の活動でも新たな刺激は生まれている。同じ川崎Fからは同期入団のDF野田裕人(静岡学園高出身)が選ばれており、福島に期限付き移籍中のMF由井航太は川崎F U-18出身の一つ上の先輩。またDF田所莉旺(長崎)は中学時代から高校1年時まで川崎Fのアカデミーで共にプレーしてきた“元同期”にあたる間柄だ。


田所は高校1年の末に川崎F U-18を退団し、帝京高に転籍する形で高校サッカーの道に飛び込んだが、実はこの活動が当時以来の再会だったという。「莉旺がチームを辞めて初めて久しぶりに会ったので、こっちに着いてすぐ会っていっぱい話しました。『久しぶりだな』って感じで(笑)」(土屋)。13日の関西学生選抜とのトレーニングマッチではそうした選手たちと共にプレーする可能性も広がるなか、土屋は「こんな機会はないので楽しみながら長所を出していけたら」と意気込んでいる。


そして何より土屋櫂大というプレーヤーを強く印象付ける機会にしたいところだ。13日のトレーニングマッチはU-20日本代表の菅原大介コーチが指揮を執ることが決まっており、同代表の船越優蔵監督をはじめとした各年代別代表のスタッフも視察予定。U-20W杯に向けて、そして28年のロサンゼルス五輪に向けて大きなアピールのチャンスとなる。
「今日集まって明日が試合という短い期間での勝負になるので、そこまでまずリーダーシップを発揮していきたいし、僕の武器であるデュエルはこの中でも違いを見せられるような選手じゃないと上には行けない。U-20でスタメンを勝ち取るためにも、自分のプレーを見せつけなきゃいけないので、自分がここに来ている自覚を持ってしっかりプレーしたいです」
(取材・文 竹内達也)
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2006年5月12日生まれの土屋は今季、川崎F U-18からトップチームに昇格したクラブ期待のDF。世代別代表でも23年にU-17日本代表の中心選手としてU-17W杯に出場し、世界デビューを果たすと、今年2月に行われたAFC U20アジアカップにも出場し、9月下旬からチリで行われるU-20W杯の有力候補選手となっている。
そうして迎えている今季、土屋はほろ苦くも濃密な経験を重ねてきた。4月9日に行われたJ1リーグ戦・横浜FM戦(△3-3)では後半43分から出場機会を掴み、J1デビューを果たしたが、そこから2失点に関与。先輩のDF高井幸大の劇的な同点ゴールで追いつき、結果は引き分けに持ち込んだが、試合後には涙ながらに決意を新たにしていた。


DF高井幸大(写真右)に救われたJ1デビュー戦
「デビュー戦はああいう形で出させてもらって、チームが引き分けで終わってしまって、やっぱり日々の練習から今までのままじゃダメだなと思っているし、オン(・ザ・ピッチ)の部分だけでなく、オフ(・ザ・ピッチ)の部分でも他の選手と一緒じゃダメだと思うので、もう若手だからじゃなく物怖じせずに自分を出していかないといけないと思っている」
その後はチームで出場機会が巡ってくることはなく、プレー面では鍛錬の時期を過ごしているが、4月下旬から5月上旬に行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ではサウジアラビアに帯同。中東アウェーの3連戦で史上初のアジア王座に挑み、惜しくも届かなかったチームの雰囲気を経験した。


ACLEでサウジアラビアに帯同
特に心に残ったのは川崎F U-18の先輩でもあるDF高井幸大の飛躍だった。すでに日本代表でも出場機会を掴んだ20歳はアルサッド戦でFWアクラム・アフィフ、アルナスル戦でFWクリスティアーノ・ロナウドと相手のキーマンを完封。ただそれでもなお、チームとしてアジアのトップに届かないという挫折も味わっていた。
「ACLでは(年齢が)2つ上の幸大くんが(クリスティアーノ・)ロナウドだったり世界のトップスター選手と対峙していて、そして決勝で負けて一人立ち上がれなくなっている姿を自分は外から見ていた。幸大くんと2つしか違わないんだというのは自分にとって刺激になるし、本当に幸大くんからは刺激を受ける毎日です」
また同じくU-20W杯を目指す05年生まれのMF大関友翔とFW神田奏真もアルナスル戦で先発起用され、献身的な守備でMFマルセロ・ブロゾビッチを封じながら攻撃の強みを出しており、「レベルの違うプレーを毎日見せられている」と土屋。飛躍する先輩たちを見上げながらも「あそこについていけるように自分も年齢関係なく、早く一緒にピッチに立ってプレーしたい」と思いを語った。
この約1か月間の記憶は身体に深く刻み込まれ、あふれんばかりの成長意欲となっている。「やっぱりACLのあの景色を見てもそうですし、日々のJリーグでもそうですけど、自分が早くあのピッチに立ちたいという思いは誰よりも強く思っている」。そのためにも、まずは今回のU-22 Jリーグ選抜の活動を一つのきっかけにしていきたいところだ。
今回の活動でも新たな刺激は生まれている。同じ川崎Fからは同期入団のDF野田裕人(静岡学園高出身)が選ばれており、福島に期限付き移籍中のMF由井航太は川崎F U-18出身の一つ上の先輩。またDF田所莉旺(長崎)は中学時代から高校1年時まで川崎Fのアカデミーで共にプレーしてきた“元同期”にあたる間柄だ。


田所は高校1年の末に川崎F U-18を退団し、帝京高に転籍する形で高校サッカーの道に飛び込んだが、実はこの活動が当時以来の再会だったという。「莉旺がチームを辞めて初めて久しぶりに会ったので、こっちに着いてすぐ会っていっぱい話しました。『久しぶりだな』って感じで(笑)」(土屋)。13日の関西学生選抜とのトレーニングマッチではそうした選手たちと共にプレーする可能性も広がるなか、土屋は「こんな機会はないので楽しみながら長所を出していけたら」と意気込んでいる。


田所莉旺(長崎)
そして何より土屋櫂大というプレーヤーを強く印象付ける機会にしたいところだ。13日のトレーニングマッチはU-20日本代表の菅原大介コーチが指揮を執ることが決まっており、同代表の船越優蔵監督をはじめとした各年代別代表のスタッフも視察予定。U-20W杯に向けて、そして28年のロサンゼルス五輪に向けて大きなアピールのチャンスとなる。
「今日集まって明日が試合という短い期間での勝負になるので、そこまでまずリーダーシップを発揮していきたいし、僕の武器であるデュエルはこの中でも違いを見せられるような選手じゃないと上には行けない。U-20でスタメンを勝ち取るためにも、自分のプレーを見せつけなきゃいけないので、自分がここに来ている自覚を持ってしっかりプレーしたいです」
(取材・文 竹内達也)
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