ついに掴んだ出番も無念の逆転負け…苦悩と向き合う東京V鈴木海音「やめる選手はそこで終わる。自分は絶対にそうなりたくない」
DF
[5.17 J1第17節 広島 2-1 東京V Eピース]
緊急事態で待望の出番を掴んだが、無情の結末となった。東京ヴェルディは1-0でリードした後半42分から2分間での連続失点によって逆転負け。後半27分からピッチに送り出され、今季のJ1リーグで最も長い出場時間を与えられたDF鈴木海音は「自分の力不足」と悔やむしかなかった。
昨年夏のパリ五輪代表メンバーの鈴木は今季、J2に降格した磐田からJ1の東京Vに加入したが、前節までのJ1出場は第5節・新潟戦(△2-2)の後半アディショナルタイム3分からと、第15節・横浜FC(◯2-0)戦の後半44分からのみ。ルヴァン杯でも2回戦・秋田戦(◯2-1)に先発したが、ハーフタイムに途中交代を告げられるなど苦しいシーズンを過ごしてきた。
ところが東京Vでは現在、CB陣に負傷者が相次いでおり、CBの中央を担ってきた林尚輝と千田海人が揃って離脱中。SBが本職のDF深澤大輝やDF宮原和也がCB起用される試合が続いている上、この日はDF綱島悠斗までもがアクシデントに襲われ、後半17分、鈴木に今季最も早いタイミングで出番が回ってきた。
ようやく掴んだチャンスに、燃えないはずはなかった。その上で、冷静さを持ち合わせながら試合に入った。投入された直後は広島がプレッシングの勢いを強めてくるなか、持ち味の配球力でうまくいなす場面も見せた鈴木。するとチームは後半32分にFW木村勇大のPKで先制し、続くアクシデントと劣勢の中でも良い流れで試合を締めくくろうとしているかのように思われた。
しかし、悔やまれたのは後半42分のワンプレーだった。場面は広島DF菅大輝の左CK。鈴木はゴール正面でDF荒木隼人のマークについていたが、大きく回り込もうと動く荒木を追いかけようとした際、味方2人に進路を阻まれる形となってマークを外してしまう。その結果、荒木の折り返しからFWヴァレール・ジェルマンの同点ゴールが生まれた。
ジェルマンに対する味方のシュートブロックも不十分だったが、鈴木は自らに責任を向けた。
「状況が0-0だったのでスクランブルでの出場だったけど、いつでも出られる準備はしていた。広島という相手で先制できたなか、守り切れなかったのはチームとしても課題だったけど、個人的にも一つ目で折り返されたところは自分がもっとタイトにつかないといけなかった。そこに甘さが出たと思う」(鈴木)
結果的にはこのゴールによって広島の攻勢が強まり、わずか2分後の後半44分にMF川辺駿の決勝ゴールが決まって勝負あり。鈴木は「気合いは入っていたし、ピッチで表現しようと思って気持ちは積極的にやろうと思ったが、結果がついてこなかったのは自分の力不足」と苦しい表情で振り返った。
大一番での結果を踏まえれば、簡単に前を向くことはできなかった。
「次……と言いたいところだけど、いまの自分の状況を考えるとこういったところでチャンスを掴まないといけないところで、自分にとって悔しい結果に終わった。いまの自分の気持ちを表現できたのは自分にとって一歩前進した……とは思うけど、今後はもっと緊迫した場面が続くなかでやらせない選手にならないといけない」。ただ下を向いてもいられない。
「難しい状況の中でもやるのは当たり前だと思うし、やめる選手はそこで終わると思う。自分は絶対にそうなりたくない。ヴェルディに来て、必ずここで活躍して、海外、A代表を目指していくという覚悟を持ってここに来たなか、なかなかピッチに立ってそういった姿を見せられていないし、今日のようにピッチに送り出してもらって勝利に貢献できていないのは悔しい気持ちがたくさんあるけど、選手としてそういう思いがあるのは当たり前。その中でもどれだけチームを助けられるかを自分自身もっともっと突き詰めていかないといけない」
21日にはルヴァン杯3回戦・新潟戦を控えており、試される戦いは続く。数々のDFがそうしてきたように、一つひとつの悔しさを飛躍への糧にしていくしかない。
(取材・文 竹内達也)
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緊急事態で待望の出番を掴んだが、無情の結末となった。東京ヴェルディは1-0でリードした後半42分から2分間での連続失点によって逆転負け。後半27分からピッチに送り出され、今季のJ1リーグで最も長い出場時間を与えられたDF鈴木海音は「自分の力不足」と悔やむしかなかった。
昨年夏のパリ五輪代表メンバーの鈴木は今季、J2に降格した磐田からJ1の東京Vに加入したが、前節までのJ1出場は第5節・新潟戦(△2-2)の後半アディショナルタイム3分からと、第15節・横浜FC(◯2-0)戦の後半44分からのみ。ルヴァン杯でも2回戦・秋田戦(◯2-1)に先発したが、ハーフタイムに途中交代を告げられるなど苦しいシーズンを過ごしてきた。
ところが東京Vでは現在、CB陣に負傷者が相次いでおり、CBの中央を担ってきた林尚輝と千田海人が揃って離脱中。SBが本職のDF深澤大輝やDF宮原和也がCB起用される試合が続いている上、この日はDF綱島悠斗までもがアクシデントに襲われ、後半17分、鈴木に今季最も早いタイミングで出番が回ってきた。
ようやく掴んだチャンスに、燃えないはずはなかった。その上で、冷静さを持ち合わせながら試合に入った。投入された直後は広島がプレッシングの勢いを強めてくるなか、持ち味の配球力でうまくいなす場面も見せた鈴木。するとチームは後半32分にFW木村勇大のPKで先制し、続くアクシデントと劣勢の中でも良い流れで試合を締めくくろうとしているかのように思われた。
しかし、悔やまれたのは後半42分のワンプレーだった。場面は広島DF菅大輝の左CK。鈴木はゴール正面でDF荒木隼人のマークについていたが、大きく回り込もうと動く荒木を追いかけようとした際、味方2人に進路を阻まれる形となってマークを外してしまう。その結果、荒木の折り返しからFWヴァレール・ジェルマンの同点ゴールが生まれた。
ジェルマンに対する味方のシュートブロックも不十分だったが、鈴木は自らに責任を向けた。
「状況が0-0だったのでスクランブルでの出場だったけど、いつでも出られる準備はしていた。広島という相手で先制できたなか、守り切れなかったのはチームとしても課題だったけど、個人的にも一つ目で折り返されたところは自分がもっとタイトにつかないといけなかった。そこに甘さが出たと思う」(鈴木)
結果的にはこのゴールによって広島の攻勢が強まり、わずか2分後の後半44分にMF川辺駿の決勝ゴールが決まって勝負あり。鈴木は「気合いは入っていたし、ピッチで表現しようと思って気持ちは積極的にやろうと思ったが、結果がついてこなかったのは自分の力不足」と苦しい表情で振り返った。
大一番での結果を踏まえれば、簡単に前を向くことはできなかった。
「次……と言いたいところだけど、いまの自分の状況を考えるとこういったところでチャンスを掴まないといけないところで、自分にとって悔しい結果に終わった。いまの自分の気持ちを表現できたのは自分にとって一歩前進した……とは思うけど、今後はもっと緊迫した場面が続くなかでやらせない選手にならないといけない」。ただ下を向いてもいられない。
「難しい状況の中でもやるのは当たり前だと思うし、やめる選手はそこで終わると思う。自分は絶対にそうなりたくない。ヴェルディに来て、必ずここで活躍して、海外、A代表を目指していくという覚悟を持ってここに来たなか、なかなかピッチに立ってそういった姿を見せられていないし、今日のようにピッチに送り出してもらって勝利に貢献できていないのは悔しい気持ちがたくさんあるけど、選手としてそういう思いがあるのは当たり前。その中でもどれだけチームを助けられるかを自分自身もっともっと突き詰めていかないといけない」
21日にはルヴァン杯3回戦・新潟戦を控えており、試される戦いは続く。数々のDFがそうしてきたように、一つひとつの悔しさを飛躍への糧にしていくしかない。
(取材・文 竹内達也)
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