beacon

新境地の右WBで走力際立つ岡山18歳MF佐藤龍之介「ここに来て良かったなと」現地視察の森保監督から期待の要求も

ポスト
Xに投稿
Facebookでシェア
Facebookでシェア
URLをコピー
URLをコピー
URLをコピーしました

MF佐藤龍之介(写真中央)

[5.18 J1第17節 岡山 2-1 新潟 JFEス]

 ファジアーノ岡山の右ウイングバックを担うMF佐藤龍之介は両チームを通じて最多のスプリント数28回を記録しながら、さらに2番目に長い11.919kmの距離を走り抜き、90分間フル出場でチームに7試合ぶりの白星をもたらした。

 U-20日本代表の中心を担い、高い技術を活かしたラストパスやシュートを持ち味とする18歳だが、現代型のアタッカーに求められる“走力”を兼ね備えているのが大きな強み。この日の岡山はシャドー2枚が相手の両CBに激しく寄せ、1トップがボランチをケアする戦術を採用していたため、右ウイングバックの佐藤は左SBまでプレッシングをかけるハードな役目を担う形となったなか、最後まで相手を自由にプレーさせることはなかった。

 今季のフル出場は4度目だが、それらの試合も走行距離はいずれも12km超え。タフな展開の中でも走り切れる自信はあった。

「今日もしんどかったし、SBのところにプレスに行く、そこで下げさせてすぐ戻るというアップダウンの作業は大変だったけど、自分は正直めちゃくちゃ走れるんで。むしろ(ウイングバックは)自分の特徴が90分間通して出せると感じている。まだまだ走れます」。本来はより前のポジションでもプレーできる選手だが、岡山での新境地を前向きに過ごしているようだ。

 こうしたタフさは今年2月のAFC U20アジア杯でもいかんなく発揮されていたが、岡山での日々を通じてより大きな手応えを得ているという。

「昔から走れたは走れたけど、より強度の高い中で走り切る力はファジアーノに来てどんどん上がっている実感がある。ここに来て良かったなと思う」

 そうした手応えの要因を聞くと「試合に出ていることに尽きるかなと思う」と佐藤。一昨季に16歳でFC東京とプロ契約を締結したが、1年半でのJ1リーグ戦出場はわずか3試合。今季は昇格組・岡山への期限付き移籍で出場機会を広げたことで、「走力が上がったわけではないと思っていて、試合で90分間走り切る経験はプロになってからなかったので、その経験ができたことが自信になっているかなと思う」と自己分析していた。

 もっとも佐藤はいま、ただ走れるというだけでなく、このJ1という舞台で「自分らしさをもっともっと出していきたい」という次の課題に向き合っているようだ。第8節・C大阪戦(●1-2)から出場3試合連続のゴールで注目を浴びたが、直近6試合はゴール・アシストから遠ざかっており、その結果に満足はない。

 組織的な守備戦術で1試合平均1失点未満にとどめている今季の岡山だが、「組織はしっかりあるけど、木山さん(木山隆之監督)は攻撃は自由にやっていいという形で、中に入ってきてもいいと言ってくれている」という佐藤。ここからはより仕掛ける姿勢や勝負を決めるスルーパスで違いを見せていきたい構えだ。

 実はこの佐藤の志向は、この一戦を現地視察していた日本代表の森保一監督の要求とも一致していた。

 試合後、報道陣の取材に応じた森保監督は地元メディアからの「気になった選手はいたか」という旨の質問に対し、「みんな頑張っていたかと思います」という定番の答えを繰り出しつつも、「ここに来て『佐藤選手を見てくれ』と複数の方から言われました」と自ら切り出し、佐藤のパフォーマンスに言及。「非常にいい選手だと思うし、上手くてハードワークができる現代型の選手だと思う」と称えながらも次のように求めた。

「まだまだ若いのでもっとグイグイ行って、自分が決めるというプレーをもっと見せてくれたら、さらに彼が成長してチームの勝利にも貢献してもらえると思って期待して見ています。実際にそう期待して見ていました」

 さらに続く流れでも森保監督は「期待を込めてできると思って言わせて頂くと、今日の佐藤選手は非常に良い選手ですが、ここからミスを恐れず、もっと個の状況の中で縦に仕掛けられる、ゴールに向かって中にも仕掛けられるということを磨いていってほしい。上手い選手は日本の中にたくさんいる中で、“なんとなく上手い選手”で埋もれてもらいたくない選手なので、もっとグイグイと、ギラギラというものを見せてもらいたいなと思います」と大きな期待を語った。

 そうした試合を決めるようなパフォーマンスは、岡山にさらなる勝利をもたらすためにも、U-20日本代表として9〜10月に控えるU-20W杯を見据えても、より強く求められるところだ。

 U-20W杯に向けてはさまざまな選手から「目標は世界一」というA代表同様の目標が語られるなか、佐藤も「自分ももちろん優勝を目指している。そういう人たちが集まらないとダメだと思う。みんなもJリーグで頑張っているけど、日常からそういう意識でやっていけたら」と断言。飛躍のシーズンを過ごす18歳だが、まだまだ成長を止めるつもりはない。

(取材・文 竹内達也)

●2025シーズンJリーグ特集
▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がポッドキャストで配信中
竹内達也
Text by 竹内達也

「ゲキサカ」ショート動画

TOP