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復帰戦躍動の広島FW中村草太、パリ世代大量選出の日本代表に抱く思い「E-1がある。まだチャンスはある」

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FW中村草太

[5.25 J1第18節 FC東京 0-3 広島 国立]

 後半からの投入で勢いをつけた。サンフレッチェ広島のFW中村草太はチーム2点目、3点目にそれぞれ絡んでみせた。ミヒャエル・スキッベ監督は「草太を投入したことで、裏への動きをより強調することができ、非常にうまくいった」と手応えを語った。

 0-0で迎えたハーフタイムに、スキッベ監督は交代カードを1枚使用。中村が2シャドーの右に起用された。怪我の影響で前節はメンバー外だったが、今節に復帰を果たすと、持ち味の攻撃力を遺憾なく発揮。鋭いドリブルで深い位置まで進入していき、チャンスを作っていった。

 後半4分には中村のクロスで得た左CKから先制する。その後は仲間とともに、中盤の立ち位置で相手のビルドアップをけん制。右サイドにボールが来ると圧のあるプレスを仕掛け、ロングボールを蹴らせてカウンターにつなげていった。

 後半14分には中村がPA右の深い位置からグラウンダーでマイナスに折り返し、相手のミスを突いたFWジャーメイン良がチーム2点目を決める。さらに43分にも中村がスローインのリスタートから右サイドの深い位置まで入り込むと、明治大の先輩であるFC東京のDF岡哲平を抜き去り、PA右から再びマイナス方向にグラウンダーのクロス。近くのジャーメインが収めきれずにいると、PA手前にいたMF川辺駿がミドルを決め、ダメを押した。

「駿くんに出したと言いたいけど、ジャメくんに出した」。そう真相を明かす中村は「一個深く潜るというか、深い位置のクロスは自分の特長を出せる場所」と胸を張る。2得点ともに得意の形でゴールに結びつけてみせた。

 明治大では関東大学1部リーグ初となる得点王&アシスト王を2年連続で受賞。今季からJリーグに舞台を移すと、ルーキーながら試合の流れを変えるキーパーソンとなった。とはいえ、中村自身は数字にこだわる。「自分が理想とする数字にはまだ辿り着けていない」と戒めながら「途中から流れを変えることやPKをもらうことだったり、少しずつ相手の脅威になりつつある。あとは目に見える結果を後半戦で伸ばしていきたい」と力を込めた。

 23日、北中米ワールドカップアジア最終予選の残り2試合に臨む日本代表メンバーが発表された。初招集は7人と大きく入れ替わり、27人中14人が2001年以降に生まれたパリ五輪世代という構成にも注目が集まった。同世代のJリーガーは6人選出されたなかで、中村の名前はなかった。

「そういう舞台で活躍したい、選ばれたいという気持ちはある」(中村)。世代別代表にも選出経験はなく、日の丸への強い憧れを口にする。2023年4月、大学3年の中村はU-22日本代表候補合宿に招集されたが、「そのときは全然手応えはなかった」。同合宿での生き残りは熾烈で、MF佐藤恵允やGK野澤大志ブランドン、そして今ではA代表入りを果たしたDF関根大輝といった面々が大岩剛監督体制の常連メンバーに食い込んだ。

 その一方、中村はその後メンバー入りすることはできなかった。「そういったところにパッと集められたときに実力を表現できないところで、自分の実力の無さを感じていた」。挫折は成長の原動力となり、その年の終盤には大学No.1アタッカーとしてリーグ戦16ゴール12アシストで得点王&アシスト王を受賞。全日本大学選手権(インカレ)でも決勝で1ゴール1アシストを決めてMVPに輝く実績を残す。翌年の最終学年でも明大のキャプテンとしてリーグ優勝に導き、12ゴール8アシストで2年連続の得点王&アシスト王となった。

 今回も自身が選ばれないなかで、同世代のJリーガーが選ばれた。再び成長につなげるべく、日本代表への距離感を冷静に測る。「自分が代表でプレーするイメージは湧かないけど、でも同じピッチでやっている選手たちが代表に選ばれていることは刺激にもなる」。また、広島での切磋琢磨が自身の成長につながることも強調。「毎日練習しているだけでも、代表レベルの選手がいっぱいいる。そういったところで日々がんばれば、チャンスは巡ってくる」と意欲をのぞかせた。

 すでに来年のW杯出場を決めている日本代表は、今回の6月シリーズ後にも7月にE-1選手権が控えている。同大会はインターナショナルマッチウィーク外。国内組前提で戦うことになるため、W杯へのサバイバルレースはさらに激しさを増していく。

 中村も「今回は選ばれなかったけど、E-1がある。まだチャンスはあると思っている」と今夏を見据える。「人生のなかで代表はアンダーにも入ったことないけど、E-1にもし入れれば自分としても初めての代表になる。そういったところは楽しみにしている」。選ばれたそのときに真価を発揮するべく、いまは一歩ずつ成長を続けるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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