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J屈指の高精度ビルドアップも「今年は納得できていない」勝てない葛藤、日本代表への距離感…新潟ルーキーDF稲村隼翔の焦燥

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DF稲村隼翔

[6.25 J1第15節延期分 川崎F 3-1 新潟 U等々力]

 チームの主力として、ひたすら勝利を目指している。アルビレックス新潟の大卒ルーキーDF稲村隼翔はフル出場。だが、降格圏に沈むチームは入江徹新監督体制での初陣も黒星となった。稲村は「勝ち点を取っていかないとどんどん、どんどん厳しくなる」と焦りをのぞかせた。

 降格圏の18位・新潟は試合の2日前、今シーズンから指揮を執っていた樹森大介前監督が退任。コーチの入江監督が新たに指揮することになった。だが初陣は黒星スタートとなり、チームは2連敗を喫した。

 稲村がビルドアップの手綱を握った。相手選手間の狭いスペースにも臆せず何度もパス。前半16分には左サイドのDF堀米悠斗にボールを通す。スピードと精度ともに高い弾道で、堀米の走る速度を落とすことなく攻撃につなげた。後半18分には中盤の距離があるところから左足ロングシュート。相手GKにセーブされたが、その高いキック精度を見せつけた。

 稲村のパス本数は117本。成功率は92.3%。川崎FがDF高井幸大の48本という最多パス本数と比較すると、圧倒的な数字を残した。ただ、稲村自身はバランスを考えながら迷いもあったと明かす。

「自分のところから入れすぎてもバランスが崩れたりというのは、試合をやりながら感じていた。少し迷いながら縦パスを入れたりというのはある。だけど、前に行けるならどんどん行きたいというのはゲーム状況を見ても思っていたので、そこはうまくできていた」

 チームとして手応えも感じながら、稲村は「最後まで質というところが足りなかった」と悔しさをにじませる。前半39分のピンチは自らのクリアでしのぐものの、流れを失った味方に対して声を張り上げる姿も。「スタイルとか技術は踏まえたうえで、もっとこのチームには戦う気持ちだったり、球際で負けるなとか、そういうところを自分はもっと求めたい。もっと厳しくやっていきたいというのは率直な思い」と本音を垣間見せた。

 昨シーズンからプロの舞台を経験してきた。東洋大に所属していた稲村は、特別指定選手としてリーグ戦やルヴァン杯に出場。クラブ初のルヴァン杯決勝進出にも貢献した。今シーズンからはプロとしてリーグ戦21試合中15試合に出場する。前節・アビスパ福岡戦ではプロ初ゴールも挙げ、攻守で存在感を高めている。

 日の丸を背負う野心をたびたび見せてきた。照準は国内組で戦う来月のEAFF E-1選手権だ。しかし自身の出来やチーム状況も含め、その距離感に悔しさも覚える。6月の北中米W杯アジア最終予選では、日の丸を目指してきた若手たちがいち早くデビューを飾った。「若い選手やJリーグの選手が多く入っていたので悔しい思いもある」と胸中を明かした。

「そこを目指してやっているのですごく刺激になった。だけどこのチーム状況だったり、自分のプレーも今年は納得できていない。そこを加味してもまだまだだと思っている」。さらなる成長を欲し、いまはただ目の前の戦いで勝利を目指すのみだ。稲村は「地に足を付けてがんばりたい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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