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ヘディング1試合4発はJ史上初の快挙! 早大卒2年目の横浜FC駒沢直哉、自慢の得点力呼び起こした“ソロモンの助言”「一歩、半歩、相手の裏を」

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Jリーグ史上初のヘディング1試合4発を成し遂げたFW駒沢直哉

[2.22 J2・J3百年構想EAST-A第3節 横浜FC 5-1 栃木C ニッパツ]

 Jリーグの歴史にその名を刻むゴールラッシュだった。横浜FCのFW駒沢直哉は22日、J2・J3百年構想リーグEAST-A第2節に1トップで先発出場すると、前半32分から後半7分までの約20分間で一挙に4ゴールを記録。それも4得点すべてをヘディングシュートで決めており、Jリーグの記録集計を行うデータスタジアム社の公式X(@dsfootballstaff)によると、頭での1試合4得点はJリーグ史上初の偉業となった。

 早稲田大出身のプロ2年目、今季のブレイクを予感させる大活躍だった。この日はピッチを縦断するように強風が吹きつける難しいコンディションで、前半立ち上がりは適応に苦しんでいた駒沢。それでも徐々に慣れ始めた前半32分、まずはGK石井僚からのロングフィードに対し、高さで競り勝つことでゴールの起点となった。

「風もあったし、味方との位置も修正することで自分が競り合いに勝つのもそうだし、相手にうまく競らせないことで周りの選手がうまく拾ってくれるというのが1点目のゴールにつながったと思う」。周囲との距離感が改善されていたこともあり、自らの落としたボールがスムーズに左サイドへ送られると、そのままゴール前へ。MF新保海鈴からのクロスをヘディングで沈めた。

「海鈴がああいういいボールを上げるのは彼のストロングポイントだと思うし、そこにしっかりとストライカーとして応えることができたのが良かった」(駒沢)

 そこからも新保との連係が猛威をふるった。続く前半34分にも新保からのアーリークロスをヘディングで沈め、逆転弾を奪うと、後半2分にも新保の右CKに頭で合わせてハットトリックを達成。3アシストの新保とは2002年生まれの同い年という間柄。駒沢は「プライベートでも海鈴とはご飯に行ったりするので、そういうところが結果に繋がったのかなと思う」と“同い年ホットライン”を誇った。

 そして最後は後半7分、強肩を誇るDF細井響のロングスローに飛び込み、頭をかすめる技ありヘッドで4点目。過去には1995年の長谷川祥之(鹿島)、96年の高木琢也(広島)、97年の中山雅史(磐田)、99年の呂比須ワグナー(名古屋)ら7選手がヘディングのみでハットトリックを記録していたが、錚々たるレジェンドを上回る“ヘディング4発”で歴史にその名を刻んだ。

 圧倒的なヘディングの強さを示した駒沢だが、身長178cmのセンターフォワードはプロでは小柄な部類。それでもツエーゲン金沢U-18で過ごした高校時代から身体能力を活かした得点力には定評があり、さらに「FWとしては上背があるわけではないけど去年からプロでやってきた中で、クロスへの入り方はもう一段階意識していた」といい、強みを磨き続けてきて今がある。

 そんなヘディング4発の背景には、昨季の横浜FCで共にプレーし、今季はセレッソ大阪で得点を量産中のFW櫻川ソロモンの存在もあったという。

「ソロモンくんとはプライベートでもすごく仲が良くて、練習後も毎日いつも自主練をしていた。先週はああいう良いヘディングを決めていて、そのイメージも残っていたし、たまたま先週のオフにプライベートで会う機会があって、そこでヘディングの話をして、アドバイスをうまく活かせたのかなと思う」

 一つ年上の櫻川は190cmの上背とパワーを持つストライカーだが、その助言は駒沢とのスタイルの違いも踏まえたものだった様子。駒沢は「自分だと相手の上から叩くような選手じゃないので、一歩、半歩、相手の裏を取って。今日は全部、相手の前に入ったゴールだったので、最後は感覚のところだと思うけど、そこがうまくいく日だったのかなと思う」と良い手応えを掴んだようだ。

 駒沢にとって1試合4ゴールは、早稲田大時代の2023年に関東大学リーグ2部・作新学院大戦で5ゴールを挙げて以来の“固め取り”。「自分自身、先発で出られた時は結構点を取れるので」(駒沢)。プロ1年目の昨季は出場機会を掴めず、後半戦に期限付き移籍したJ3北九州での1ゴールにとどまったが、ついに関東大学1部・2部通算36ゴールの得点力をプロの舞台でも披露した。

 前半戦はJ1基準に苦しみ、後半戦はJ3北九州で過ごしたルーキーイヤーの経験も決して無駄ではなかった。

「高校や大学では完全に自分が頂点(FW)でやってきたなか、去年はチームのスタイルもあって横浜FCではシャドーで出て、レンタルで行った北九州では最終節にサイドハーフでも出て、いろいろと自分の幅が広がってきた。今年はでももう一回頂点で勝負したいというところで、去年の経験は必ず活きていると思う」

「大学ではある程度、一人で全部できていたところが去年はJ1で名だたるCBがいて、どうしても自分一人の力でキープできるわけではなく、周りとのつながりが重要だというのを学ばされた。周りと連動するところで、1+1を2以上にするといったところでちょっとずつ力がついてきているのかなと思う」

 得点力以外のレベルアップも続けてきたからこそ、再び横浜FCで出場機会を掴むことができた。そして自慢の得点力を発揮できる準備も整った。「やっぱり前の選手は結果が全てだと思っているし、自分自身はそこにこだわってやってきた選手なので、こういった結果が一つ結果として出せたのは着実に成長できていると感じる」。次はこの前向きなサイクルを続けていくことが大事になる。

「これからいろんな試合がある中で、難しい試合もあると思うし、そういうところでも決め続けていかないと意味がない。今日は今日で割り切って、また一からやっていくしかないのかなというのがありますね」。壁にぶつかったルーキーイヤーを経て、ようやく立ったストライカーとしてのスタートライン。まずはこのポジションを守り続けることで、J1につながるゴールを重ねていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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