高体連屈指のSBも横浜FMでは苦境に…大津高出身ルーキー村上慶、J選抜活動で取り戻したマインド「自分のプレーに目を向けてできた」
DF
名門クラブの厳しいポジション争いに食い込むべく、覚悟を持って選抜活動の舞台にやってきた。
大津高から今季横浜F・マリノスに加入した18歳のDF村上慶は開幕からベンチ入りの機会がないまま、U-19 Jリーグ選抜のポストユースマッチに参加。11日には全日本大学選抜を相手に久々に実戦を経験し、「やっぱりサッカーが楽しかった。あまり緊張せず、自分のプレーに目を向けてできたので、マリノスでチャンスが巡ってきた時にはこのマインドのまま挑めたら」と良い手応えを口にした。
村上は高校1年時から大津高のAチームで出場機会を獲得し、高校2年時には主力として高円宮杯プレミアリーグで日本一に輝いた高体連屈指のSB。昨年9月に横浜FM加入が決まったが、現時点ではチームがJ1百年構想リーグEASTで最下位に低迷している影響もあって厳しいポジション争いの壁に阻まれ、ベンチ入りの機会も与えられないまま第5節を終えている。
横浜FMとしても近年、新卒ルーキーの育成に苦しんでいる状況にある。2013年加入のMF喜田拓也(←横浜FMユース)、14年加入のMF天野純(←順天堂大)、15年加入のFW仲川輝人(←専修大)と、のちの主力を次々と育てた時期もあったが、16年以降の10年間は40人もの新加入選手が高校・ユースや大学から加入しながら、横浜FMで現在までに一度でもリーグ戦年間2000分以上の出場時間を記録したことがある選手は0人。1000分以上に範囲を広げてもユース出身の遠藤渓太と山根陸、筑波大を早期退部した角田涼太朗の3人にとどまり、高体連出身の村上は例に漏れず苦しい立場となっている形だ。
横浜FMは来季から始まるU-21リーグへの参戦メンバーにも入っていないため、若手選手が出場機会を掴むには主力のポジションを奪うしかない。村上としてはまず、Jリーグで出場時間の少ない選手たちのために創設されたこのポストユースマッチを良い転機にしたいところだ。
実際、そうした厳しい状況に向き合う覚悟は、3バックの右で先発した11日の全日本大学選抜戦でも感じられた。試合序盤こそ1対1のマッチアップで苦しむ場面が続いたが、徐々に試合感覚を取り戻しながら大学トッププレーヤーの強度にも適応。マンツーマン気味のハイプレスで敵陣側にいる相手選手を迎撃したり、時には敵陣ゴールライン際まで相手を追い回して決定機につながるショートカウンターの起点になったりと随所に存在感を見せていた。
こうしたアグレッシブな姿勢は、横浜FMでの日々を通して学んだものだったという。「ああやって2度追い、3度追いして距離を詰める部分は特に若手選手は練習の最初のロンドからコーチ陣に要求されているので、そこが良い感じで出たのかなと思います」
試合感覚を掴みさえすれば、本来のパフォーマンスは取り戻せるもの。それは村上がもう一つの武器とする攻撃的な配球でも同じだった。「自分起点で攻撃をスタートしたり、斜めのボールを刺したり、運んで剥がしたりというのはマリノスの練習後の自主練でもやってきたので、そこもうまく出せたのかなと思います」。試合に出るためにもがく日々の取り組みにも、成功体験が得られた45分間だった。
課題に対しても、より解像度高くアプローチできるようになった。「やっぱり実戦がないと自分の課題をなかなか見つけられない中で、今日の試合で顕著に出たのは球際の部分や、1対1で負けないところ。今までも意識していたけど、もっとしっかり課題として見ないといけないのかなと思いました」。12日の練習ではよりデュエルへの意識を高め、ミニゲームに挑んでいる様子を見せていた。
自分の現在地を知ることで、成長への視界が開けた。
「マリノスではSBを右と左でやらせてもらっていて、スムーズなビルドアップを意識してやっている。FWのランニングに合わせて置いてあげるボールは右でも左でも気にせずできているし、サイドハーフに当ててもう一度ポジションを取り直して引き取るというのもイメージ良くやれているので、そこは良い部分かなと思っています。身体的には高校選手権が終わってから3、4kg体重も増やして成長している部分もあるので、1対1の最後のキワの部分ではそこも意識しつつ、対人の部分でもっと距離を詰めるところと、ステップワークのところにも取り組んでいきたいと思っています」
今回の選抜活動では高校時代に同じ九州で切磋琢磨したMF福島和毅(福岡)やMF荒木仁翔(いわき)ら同世代との再会もあり、「自分がプロに入って成長できていると思えているように、同じ舞台でやっていた選手もみんな上手くなっていて、もっとやらないといけないなというのを感じられたし、こうやって会えたことで気持ちのスイッチもさらに入った」と村上。取り戻した果敢なマインドを13日の全韓国大学選抜戦でも発揮し、マリノスに帰ってからも新たな姿でポジション争いに挑んでいく。
(取材・文 竹内達也)
●Jリーグ百年構想リーグ特集
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大津高から今季横浜F・マリノスに加入した18歳のDF村上慶は開幕からベンチ入りの機会がないまま、U-19 Jリーグ選抜のポストユースマッチに参加。11日には全日本大学選抜を相手に久々に実戦を経験し、「やっぱりサッカーが楽しかった。あまり緊張せず、自分のプレーに目を向けてできたので、マリノスでチャンスが巡ってきた時にはこのマインドのまま挑めたら」と良い手応えを口にした。
村上は高校1年時から大津高のAチームで出場機会を獲得し、高校2年時には主力として高円宮杯プレミアリーグで日本一に輝いた高体連屈指のSB。昨年9月に横浜FM加入が決まったが、現時点ではチームがJ1百年構想リーグEASTで最下位に低迷している影響もあって厳しいポジション争いの壁に阻まれ、ベンチ入りの機会も与えられないまま第5節を終えている。
横浜FMとしても近年、新卒ルーキーの育成に苦しんでいる状況にある。2013年加入のMF喜田拓也(←横浜FMユース)、14年加入のMF天野純(←順天堂大)、15年加入のFW仲川輝人(←専修大)と、のちの主力を次々と育てた時期もあったが、16年以降の10年間は40人もの新加入選手が高校・ユースや大学から加入しながら、横浜FMで現在までに一度でもリーグ戦年間2000分以上の出場時間を記録したことがある選手は0人。1000分以上に範囲を広げてもユース出身の遠藤渓太と山根陸、筑波大を早期退部した角田涼太朗の3人にとどまり、高体連出身の村上は例に漏れず苦しい立場となっている形だ。
横浜FMは来季から始まるU-21リーグへの参戦メンバーにも入っていないため、若手選手が出場機会を掴むには主力のポジションを奪うしかない。村上としてはまず、Jリーグで出場時間の少ない選手たちのために創設されたこのポストユースマッチを良い転機にしたいところだ。
実際、そうした厳しい状況に向き合う覚悟は、3バックの右で先発した11日の全日本大学選抜戦でも感じられた。試合序盤こそ1対1のマッチアップで苦しむ場面が続いたが、徐々に試合感覚を取り戻しながら大学トッププレーヤーの強度にも適応。マンツーマン気味のハイプレスで敵陣側にいる相手選手を迎撃したり、時には敵陣ゴールライン際まで相手を追い回して決定機につながるショートカウンターの起点になったりと随所に存在感を見せていた。
こうしたアグレッシブな姿勢は、横浜FMでの日々を通して学んだものだったという。「ああやって2度追い、3度追いして距離を詰める部分は特に若手選手は練習の最初のロンドからコーチ陣に要求されているので、そこが良い感じで出たのかなと思います」
試合感覚を掴みさえすれば、本来のパフォーマンスは取り戻せるもの。それは村上がもう一つの武器とする攻撃的な配球でも同じだった。「自分起点で攻撃をスタートしたり、斜めのボールを刺したり、運んで剥がしたりというのはマリノスの練習後の自主練でもやってきたので、そこもうまく出せたのかなと思います」。試合に出るためにもがく日々の取り組みにも、成功体験が得られた45分間だった。
課題に対しても、より解像度高くアプローチできるようになった。「やっぱり実戦がないと自分の課題をなかなか見つけられない中で、今日の試合で顕著に出たのは球際の部分や、1対1で負けないところ。今までも意識していたけど、もっとしっかり課題として見ないといけないのかなと思いました」。12日の練習ではよりデュエルへの意識を高め、ミニゲームに挑んでいる様子を見せていた。
自分の現在地を知ることで、成長への視界が開けた。
「マリノスではSBを右と左でやらせてもらっていて、スムーズなビルドアップを意識してやっている。FWのランニングに合わせて置いてあげるボールは右でも左でも気にせずできているし、サイドハーフに当ててもう一度ポジションを取り直して引き取るというのもイメージ良くやれているので、そこは良い部分かなと思っています。身体的には高校選手権が終わってから3、4kg体重も増やして成長している部分もあるので、1対1の最後のキワの部分ではそこも意識しつつ、対人の部分でもっと距離を詰めるところと、ステップワークのところにも取り組んでいきたいと思っています」
今回の選抜活動では高校時代に同じ九州で切磋琢磨したMF福島和毅(福岡)やMF荒木仁翔(いわき)ら同世代との再会もあり、「自分がプロに入って成長できていると思えているように、同じ舞台でやっていた選手もみんな上手くなっていて、もっとやらないといけないなというのを感じられたし、こうやって会えたことで気持ちのスイッチもさらに入った」と村上。取り戻した果敢なマインドを13日の全韓国大学選抜戦でも発揮し、マリノスに帰ってからも新たな姿でポジション争いに挑んでいく。
(取材・文 竹内達也)
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