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本職はボランチもCBで緊急出場の戸嶋祥郎、柏の2点目をアシストし攻守で奪首に貢献

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サポーターに応える柏MF戸嶋祥郎

[10.9 J1第9節 柏 4-2 神戸 三協F柏]

 勝ち点1差で追う首位・ヴィッセル神戸との直接対決となった第9節、柏レイソルは前半18分にDF馬場晴也を負傷で欠くことになる。右CBの主力であるDF原田亘が代わって入ると思われる中、指揮官は驚きの交代策を打った。交代ボードに表示されたのは「28」。ボランチのMF戸嶋祥郎だった。

「早い段階での交代となってしまいましたので、怪我明けの原田はまだ長い時間プレーできる状態ではなかったが故に、戸嶋を投入する形になりました」と、リカルド・ロドリゲス監督は原田を起用できなかった理由を明かす。しかし、リカルド監督は、自信を持って戸嶋をピッチに送り出した。

「トレーニングの中で、彼(戸嶋)を右CBでプレーさせなければいけないチーム事情がありました。3チームを編成しトレーニングを行う際にCBが足りず、彼にとっては慣れていない、適性とは違うポジションにも関わらず、CBとしてトレーニングで起用することが複数回ありました。彼は嫌な顔を全くせずに、攻撃の部分はもともとボランチですから、攻撃のところはスムーズにいいプレーをしていました。同時に守備のところでもしっかりといい守備をCBとしてしていました」(リカルド監督)

 粘り強い守備で神戸の左SHに対応した戸嶋は、攻撃面でも指揮官の期待に応える。後半8分、FWジェアン・パトリッキに縦パスが入ったところでボールを奪い切り、MF小泉佳穂に預ける。小泉からのリターンを受けて右サイドを持ち上がると、左サイドでフリーになっていたFW山内日向汰へとクロスを届ける。これを山内が左足で合わせると、“日立台”に2度目の歓喜が訪れた。

 3バックの中央を担うDF古賀太陽が「僕の横でプレーしたことはない状況だった」と振り返るように、最終ラインにとっても予期せぬ事態だった。

 神戸戦までの今季公式戦で、戸嶋が出場したのは天皇杯・今治戦のみ。後半20分からピッチに立ち、ダメ押しとなる4点目を決めていたが、リーグ戦では出場機会がなく、メンバー入りも神戸戦が初めてだった。

 トレーニングで戸嶋とマッチアップしたことがあるというMF遠藤渓太は、「立ち位置とかも含めて賢い選手」という印象を持っている。「ああいう選手の力をさらに借りて、神戸みたいなチームに勝てたっていうのは素晴らしいことだと思います」とチーム力の底上げを歓迎する。

 リカルド監督もまた、「彼のような選手こそが、我々が期待する、お手本になるべき選手」と戸嶋を称える。

「プレー機会が回ってこなくても、謙虚な気持ちとともにトレーニングに日々励み、チームのために汗をかき、いい準備をし続けることに取り組んでいるからこそ、今日このような形で急遽プレーする機会が回ってきても、素晴らしいパフォーマンスを表現することはできていました」

 出番がなくても、準備だけは怠らなかった。その積み重ねが、首位攻防戦の大舞台で花開いた。

(取材・文 奥山典幸)

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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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