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川崎F U-15生田が東京V Jrユースも破って全勝首位ターン!! 同日に2人がプレミアEAST出場、向上心全開の「相乗効果」で3冠へ

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開幕7連勝を達成

[4.29 U-15関東1部A第7節 東京V Jrユース 0-3 川崎F U-15生田 ヴェルディグラウンド]

 全員が高い向上心を持っているからこそ掴んだ開幕7連勝だ。川崎フロンターレU-15生田は29日、高円宮杯JFA U-15サッカーリーグ2026 関東1部A第7節で東京ヴェルディジュニアユースと対戦。前期最終戦を3-0の快勝で終えて全勝での首位ターンとなった。

 川崎F U-15生田はともにU-16日本代表へ飛び級招集されている主将DF上野煌士郎(3年)と今季7ゴールでチーム最多得点者のFW吉澤映杜(3年)が、同日開催のU-18プレミアリーグEAST・前橋育英高戦(●1-3)に川崎フロンターレU-18のメンバーとして帯同した。吉澤はハーフタイム明けから出場して前節の後半アディショナルタイムからのプレミアデビューに続く出番を獲得し、上野も後半37分からの出場でプレミアデビューを飾っていた。

 主軸2枚を欠く状況で迎えた今節、久野智昭監督は全勝中の自チームに対して相手が高いモチベーションでくることを警戒。「強い気持ちで来るからそれに負けないように」と引き締めて前半戦のラストマッチに送り出していた。

 実際、立ち上がりに主導権を握ったのは東京V Jrユースだった。両チームが高い強度で戦うなかで東京V Jrユースは敵陣でボールを保持し、左サイドハーフのMF山本崇翔(2年)が仕掛けていくなど攻撃を展開。ただ足元の技術の高さを示していたMF増本隆(3年)が「相手の隙が少なかった。フロンターレはめっちゃ走るチームで戻りが早くてシュートを打ちきれなかった」と振り返るように、決定的なチャンスを作るには至らなかった。

 すると川崎F U-15生田は前半19分、FW中島温(3年)のポストプレーからFW佐藤慶(3年)がゴール前に走り込み、相手ともつれながらシュートを放つ決定機を迎えた。これはGK大塚大雅(2年)に阻まれるも、MF都島ダヒル光真(3年)が反応して相手と競り合ったこぼれ球がペナルティエリア手前のMF笠倉蓮央(3年)に繋がる。笠倉がエリア内中央の佐藤に戻すと、佐藤が左足でゴールに流し込んで先制した。

FW佐藤慶(3年)が先制点

 久野監督は「ちょっと劣勢だったけれど選手たちに『我慢する時間はあるよ」という話は最近特に言っている。そこでいかに耐えられるかで、耐えられた結果が勝利に繋がる」と話し、今季ここまで2失点の集中した守備から試合を動かしたことを評価した。

 先制した川崎F U-15生田は4戦連発中のMF新堀隼(3年)がミドルシュートで得点を狙う場面や、都島がペナルティエリア内から連続シュートを放つシーンを作っていく。ただ東京V Jrユースの守備陣も体を張って死守した。

 川崎F U-15生田は前半36分、MF徳政岬(3年)が右サイドをインナーラップするDF志田龍彦(3年)に繋ぐと、志田がゴールライン際から折り返したボールを中島がゴール前で合わせる決定機を作るも枠の左に外れた。対する東京V JrユースはMF岸綺人(3年)がクロスのこぼれ球をペナルティエリア手前からダイレクトシュートするなど、シュートシーンはゴールから距離のあるところからのものに限られ、川崎F U-15生田の1点リードで前半を終えた。

 追いかける東京V Jrユースは後半5分、右サイドから増本が右足を振ってゴール前のFW西山宗佑(3年)が詰めにいくチャンスが訪れたものの、相手DFのブロックで同点には至らない。次第に川崎F U-15生田がペースを握っていき、同12分に新堀、同13分には都島がペナルティエリア右から左足を振るがいずれも枠外。同15分には新堀がペナルティエリアちょうど手前の中央でFKを獲得して自らゴールを狙うも、惜しくも枠は捉えられなかった。

 それでもチャンスが続く川崎F U-15生田が追加点を奪った。後半19分、DF月見里遥希(3年)が左サイドからペナルティエリア中央の中島にパス。中島が右足のトラップから足裏でボールを引いてシュートコースを作ると、右足で放った強烈なシュートがGKの手を弾いてゴールに吸い込まれた。

大きな追加点

 東京V Jrユースは失点後、怪我からの復帰途上である主将MF大井然(3年)を投入し、後半20分には月見里のミドルシュートをGK大塚が好セーブで凌いで反撃の機会を窺っていった。ただDF望月輝夢(3年)とDF藤崎琉久(3年)のCBコンビを中心とする川崎F U-15生田守備陣が、主将不在の一戦でも堅守を維持。ゴールネットを揺らすことはできなかった。

 対する川崎F U-15生田は後半28分、右サイド深くからのFKを笠倉がゴール前に蹴り込むと、一度は相手にクリアされたが味方がゴール前に戻したボールを佐藤が頭で合わせて決定的な3点目。以降も交代メンバーや5戦連発を狙った新堀らがゴールへの貪欲な姿勢を示し続け、3-0でタイムアップを迎えた際には4点目を奪えなかったことの悔しさも見せながら開幕7連勝を果たした。

勝利を確実にする3点目

 川崎F U-15生田は前半戦を7勝0敗27得点2失点と圧倒的な戦績で終え、2位とは勝ち点8差をつけて後半戦に臨むことになった。今季は個の力でも局面を打開できる選手が多いことが特長。抜群の攻撃力を誇るチームは途中出場の選手も結果を残しており、指揮官はここまでを「選手が切磋琢磨して先発で出たいという気持ちでトレーニングをしてくれている。 そういった相乗効果の結果」と振り返った。

 目標はリーグ戦と夏冬全国大会制覇の3冠。圧倒しての勝利や毎試合3ゴール以上を掲げていることもあり、勝利が続くなかでも選手に満足する様子はない。指揮官はこの日得点できなかった選手の喜びが控えめだったことを「まだまだ物足りないと思っていることは良い傾向」と述べ、相手をリスペクトしながら己との戦いでも高い向上心を持ち続けることを期待していた。

連続ゴールが止まったMF新堀隼(3年)は、試合終了の笛と同時に一際悔しさをあらわにしていた

 また、チームとして3冠を目指しているだけでなく、個人としても高みを目指せる環境である点も選手の向上心に繋がっている。同日にプレミアEASTのピッチに立った上野と吉澤について、「同じ世代でも上の学年でやれている子がいるので負けられない」(新堀)、「率直にすごいことだと思うし、絶対にいつかは自分もそこに立ちたい」(中島)、「上野も吉澤もレベルは本当に高くて助かる部分はいっぱいあるけれど、自分もユースの方に参加していきたい」(笠倉)とそれぞれが大きな刺激を受けている様子。同期が高校年代最高峰のリーグ戦に出場しているからこそ、中学年代からユースでプレーすることを現実的な目標と捉えてモチベーションにすることができている。

 久野監督も「もちろんここ(U-15生田)でも成長してくれていると思うけど、ユースの中でも成長している。帰ってきたときにはさらにパワーアップしてくれているなという印象がやはりある」と飛び級で活動することの意義を語る。そして2人に刺激を受けた他の選手もさらに成長することを期待。「彼らに続いて他の選手たちもユースで活躍できるようにやってもらっているので、さらにレベルアップしていってほしい」と激励していた。

 川崎F U-15生田は開幕7連勝も目標達成への通過点と捉えて実直に取り組み続けていく姿勢。激しい競争の中で「全員が意識高くできている」(中島)高次元の環境のもと、成長に渇望する選手たちがチームとしても、個人としても上を目指して後半戦に臨んでいく。

(取材・文 加藤直岐)

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加藤直岐
Text by 加藤直岐

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