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[国スポ少年男子]千葉県はV候補対決で勝利。決勝は“完全アウェー”もCB井上颯(流経大柏)「そんなの関係なしに全員で」「優勝を千葉に持ち帰りたい」

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千葉県がPK戦を制して15年ぶりの優勝に王手

[10.13 国スポ少年男子の部準決勝 千葉県 0-0(PK5-3)神奈川県 プラスタ]

 ともに歴代2位となる優勝回数8回の千葉県と神奈川県との関東勢対決。千葉県のゲーム主将を務めたCB井上颯(流通経済大柏高/1年=FC多摩ジュニアユース出身)は試合後、「全員がもう絶対勝ちたいって気持ちが今日強く出た試合だったなって思います」と頷いた。

 神奈川県が立ち上がり9分間で2人負傷交代するアクシデントもあったが、千葉県は序盤から攻守で常に先手を取りにいくような戦い。同じ関東のライバルとの一戦ということもあり、選手たちの気迫もこれまでの2試合とはまた異なるものがあったようだ。

 平塚智監督(土気高)は「試合前、宿舎でのミーティングから、やはり目の色、顔の色が違うなっていうところは感じていました。70分ゲームっていうところなので、常に先手必勝っていうところは言って臨んでいますので、今日はそれを体現してくれたかなと思います」と選手たちを称える。

 重視していたのは、一つ一つの局面で相手を上回ることだ。「大事なゲームだからこそ、よりシンプルに、まず人と人のところで負けないよっていうところ、球際だとか、切り替えだとか、当たり前のところで上回ろうよっていう話はしました」(平塚監督)。攻撃陣ではFW秋元大樹(市立船橋高/2年)が強気の仕掛けを連発するなど個の力を活かしてチャンスの数を増加。また、DF陣もGK大泉未来(流通経済大柏高/2年)や井上を中心に攻撃力の高い神奈川県を食い止めていた。

 井上は「相手のフォワードが足速いっていうのもあって、そこの裏を常に相手が意識しているっていうのがやっている中で分かりました。そこのケアのところと、風も大きくあったので、その影響を考えながらラインの位置を意識してやりました」と振り返る。

 ややDFラインが重くなってしまったこともあり、前線でプレーする神奈川県MF金子航大(横浜FCユース/1年)に前を向かれてピンチになりかけるシーンもあった。また、井上は今大会で強さを発揮してきた得意の空中戦で幾度か相手にそらせてしまったことを反省する。

 それでも、流経大柏のプレミアリーグEASTでも高強度の守備を見せている井上は、CB森田翔葵(流通経済大柏高/1年)やGK大泉、右SBを務めた堀智尋(流通経済大柏高/1年)と関田理人(市立船橋高/1年)、左SB菊池夢翔(柏U-18/1年)、MF坂本敦哉(市立船橋高/2年)らと助け合って無失点。井上は「神奈川さんは強いんで、失点覚悟で強いアプローチもしていたんですけど、しっかり無失点で終われて良かったなと思います」と胸を張った。

 その井上は後半14分、坂本の右FKからファーサイドでヘディングシュート。ボールはバウンドして逆サイドのゴールネットに吸い込まれた。だが、オフサイドの判定でノーゴールに。「めっちゃ悔しかったです。もう決まったなって思いました」。紙一重の差で得点を認められなかったことを残念がったが、この国スポを「少しでも自分のステップアップに繋げられるような大会にしたい」というDFは切り替えて70分間プレー。最後は流経大柏の先輩GK大泉がPK戦で活躍し、ライバルに勝利した。

 井上は今回の千葉県チームについて、「うるさいっすね(微笑)。雰囲気はめっちゃいいっすけど。でも、メリハリあって、試合の時になったらもうみんな目の色変えて、目の前の相手を潰しに行ってるんで、そのメリハリのあるチームかなと思います」と説明する。その千葉県は再交代制を活用して、どの試合でも相手よりも多く選手交代。誰がピッチに入ってもすぐ試合に順応してチームにプラスアルファをもたらそうとしている。

 平塚監督は「やっぱりピッチに立てるのは11人なので、それ以外の選手たちは悔しい思いをしながらピッチに出た時に何ができるかっていうところを考えて、入った時にフルパワーで行くっていうところをやってくれているので、そこに関しては16人で戦っているって思います」と選手たちに感謝。出番の限られているキャプテンFW熊木虎太郎(流通経済大柏高/2年)もピッチに立った際に奮闘していた。PK戦では大事な4人目で成功。チームの勝利のために徹して仲間たちを助けている。

 井上の所属する流経大柏と市立船橋高の名門2校、柏U-18、千葉U-18と強豪チームの多い千葉県はサッカー王国と言える県の1つ。国スポではなかなか勝ち上がれない時期が続いたものの、静岡県と0-0で同点優勝(今大会はPK戦で優勝チーム決定)した2011年大会以来15年ぶりに決勝進出を果たした。

 決勝の対戦相手は開催地の青森県。平塚監督は「この大会が始まる前から『日本一取るよ』っていうところは言ってきたんですけれども、それでも1試合1試合っていうところで、1試合1試合真剣に戦ってきた結果がここに繋がっていると思うので、最後も千葉県らしくアグレッシブに、タフにゲームに臨みたいと思います。相手も地元の青森県なので、とにかくサッカー王国と言っていただけるように、決勝戦、戦いたいと思います」と力を込める。

 また、井上は「今日の試合ができたら、どこの県にも負けないっていう自信はあります。次、オレら完全アウェーかと思うんですけど、そんなの関係なしに全員で勝ったらなって思います。(日本一は)自分のチームでもなったことないんで、あまり実感ないですけど。しっかり優勝を千葉に持ち帰りたいなって思います。(個人としては)次こそはしっかり自分が1点決めて、後ろもゼロでもちろん抑えてチーム勝たせられたらなって思います」。将来の飛躍が期待される選手たちが「オール千葉」で青森県を打ち倒す。

ゲーム主将として千葉県を引っ張るCB井上颯(流通経済大柏高/1年)

チームを支えるFW熊木虎太郎主将(流通経済大柏高/2年)とGK大泉未来(流通経済大柏高/2年)

FW稲田凌久(柏U-18/1年)が先発組を鼓舞。チーム一丸であと1勝を掴み取る

(取材・文 吉田太郎)


●第80回国民スポーツ大会特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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