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[MOM1201]流通経済大DF奈須琉世(2年)_昨年はPK失敗、今年は決勝弾!二刀流の2年生が1年越しの成長証明

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.9 総理大臣杯準決勝 流通経済大2-1立正大 みやぎ生協めぐみ野フットボール場 Aグラウンド]

 二刀流の存在感を示した。今大会はFWでの起用が続いていたDF奈須琉世(2年=流通経済大柏高)だが、準決勝の立正大戦ではDF塩川桜道(3年=流通経済大柏高)の負傷欠場を受け、本職であるCBとして先発出場。すると守備で奮闘しただけでなく、決勝点まで奪ってチームを12年ぶりの決勝進出へ導いた。

 もともとのポジションはCBだ。流通経済大柏高では主将を務め、高校選手権準優勝を経験。大学進学後も1年時からFWとして起用される試合があり、今季はシーズン序盤こそCBでプレーしていたものの、総理大臣杯予選となるアミノバイタルカップ関東以降はFWでの出場機会が増えていた。

 今大会もFW起用を想定されていた中で、直前のアクシデントによって急きょCBでの出場となった。それでも中野雄二監督は、塩川の欠場が決まった際に「奈須と(西川)楓人を組ませるのが一番安定すると思った。(CBとFWの)どっちで育てるのがいいか、どっちも才能がある」と信頼を寄せ、ピッチへ送り出した。

 その期待に、奈須は攻守両面で応えた。1-1で迎えた後半22分、流経大が波状攻撃を仕掛ける中で、左サイドからMF千葉大舞(3年=興國高)が放ったシュートはGK西方優太郎(3年=横浜FCユース)に阻まれる。しかし、浮き球となったこぼれ球に反応したのは奈須だった。高い打点のヘディングで押し込み、チームを勝利へ導く決勝ゴールを奪った。

「千葉大舞があそこでシュートを打つと分かった時に、監督からもこぼれのところは絶対に狙えと言われていた。スリッピーなピッチコンディションもあったし、狙っていました。運よくこぼれてきてよかったです」


 得点だけではない。試合終盤には相手との1対1で体を投げ出してピンチを阻止するなど、CBとしても最後まで集中力を切らさなかった。中野監督も「点を取ったことも素晴らしいけど、最後の1対1で相手のスピードを体を投げ出して止めてボールを奪ったところもなかなかできない。2年生でもあれだけ落ち着いてやってくれる」と、奈須の働きを高く評価した。

 奈須にとって、総理大臣杯は昨年の悔しさが詰まった大会でもある。1年生で出場した前回大会では、初戦の新潟医療福祉大戦で先発に抜擢され、大学公式戦デビュー。しかし、0-0から突入したPK戦では3人目のキッカーを任されながら失敗。チームも1回戦敗退となり、苦い記憶を残した。

「あの時は自信があったわけではなかった。ミスをしたらどうしようという考えだった。今もありますけど、それは自分の弱さ。それが出て外してしまった。でも、大臣杯がなかったらと言ったらおかしいですけど、チームのため、流大のために戦うということを改めて考え直したことで今があります」

 その経験が、1年後の姿につながっている。「二刀流でやっているけど、出るからにはみんなのために戦いたい」。そう語る奈須は、どのポジションを任されてもチームのために戦う覚悟を持つ。


 冬の大学選手権(インカレ)は各地域の1部リーグ上位チームが中心となるため、今季関東2部を戦う流経大にとって、出場権獲得となる総理大臣杯決勝進出は大きな意味を持つ。大会前に掲げていた「最低限の目標」は達成した。それでも、選手たちが見据える先はさらに高い。

「桜道の怪我次第ですけど、与えられたポジションで結果を出すことに変わりはない。どっちの準備もしていきたい」

 12日の決勝で対戦する国士舘大を前に、奈須は静かに闘志を燃やす。「日本一という目標はシーズン前から掲げていて、自分も高校で準優勝だったので、日本一にはまだたどり着けていない。今回は日本一になりたい」。昨年流した悔し涙を力に変えた二刀流の2年生が、今度こそ頂点を狙う。


(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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