[MOM4723]富山一DF木下空(2年)_ゴールを決めて、ゴールを守ったポテンシャル秘める大型CB「もっと有名になりたい」
[6.2 インターハイ富山県予選決勝 富山一高 2-0 富山北部高 高岡スポーツコア]
FW柳沢敦(鹿島ユース監督)や西村拓真(スイス、セルベット)といった日本代表経験者だけでなく、今季ここまでJ2で得点ランキング2位の8得点を奪う千葉のFW小森飛絢、大卒1年目ながらもコンスタントにゴールネットを揺らすFW碓井健生なども富山一高の出身選手。北信越屈指の名門校は、これまで多くのJリーガーを輩出してきたが、これまでCBでプロになったはいないという。
「トミイチからCBのプロはいないけど、彼はそのチャンスがあるので鍛えたい」と加納靖典監督が期待を寄せるのが、今季からスタメンに定着したDF木下空(2年)。カターレ富山U-15でもスタメンを張っていた実力者で、182cm、78kgの恵まれた肉体を生かした競り合いと対人の強さが目を引く選手だ。
全国大会出場をかけて挑んだ富山北部との決勝でも、ポテンシャルの高さを感じさせるプレーを披露する。「先制点を取られないことを意識しながら、早めに点を取って楽に試合を進めたかった」と振り返る木下は試合序盤から空中戦での強さを発揮。スローインからゴール前に持ち込まれる場面もあったが、落ち着いた守備対応で無失点のまま試合を進める原動力となった。
最初の見せ場は前半27分。右サイドの高い位置でスローインを獲得すると、MF高橋大和(3年)がゴール前にロングスローを展開。ニアでDF田中陽路(2年)がすらしたボールをファーサイドにいた木下が右足で押し込み、チーム2点目となった。狙ってはいたものの、あまりにも理想通り過ぎる得点で決めた瞬間に思わず、「俺が決めた? 決めちゃったよ」と驚く得点。本人は「勝手に足が動いた。あれ? 決まった? という感じで、実感が湧かなくて遅れて喜びました」と振り返る。
これまではセットプレーのチャンスがありながら、なかなか得点が奪えずにいたが、前日に挑んだ準決勝の富山東戦でも得点をマーク。「CBの選手がセットプレーで点を取る感覚を覚えてくれたら、相手は相当嫌だと思う。大村(笙太)も高橋も良いボールを蹴れるから、キッカーは悪くない。中に入っていくテンポと決める力さえあればチームとして大きい。今年のチームを立ち上げてから、まず守備から入って、セットプレーで手堅く勝つとずっと言い続けてきた。今日はそういう成果が出た」。指揮官の言葉通り、木下の得点感覚が身に付きつつあるのはチームとしての収穫だ。
貢献は攻撃だけに留まらない。後半5分に見せた守備対応も勝利に欠かせなかった。富山北部のGK橋本顕悠(3年)が入れたロングフィードが富山一DFの背後に落下。MF谷口慶樹(3年)がゴール前に抜け出そうとしたが、素早く木下が反応。「まずファウルをしないようにして、そこからファーを消そうと思っていた。ただ、追いつけると思って止めました」。そう振り返る木下は谷口がシュートモーションに入ったタイミングで、スライディングを繰り出し、決定機をストップ。相手に流れが傾きかけていた時間帯だっただけに彼のプレーが持つ意味はとても大きかった。
4月から始まったプリンスリーグ北信越1部では勝てない時期が続いていた。勝ち試合の恒例である「アイシテルイチコウ」という応援ソングに合わせて選手が躍る儀式も今季初めての経験。「プリンスで勝てなくて、最後の喜びも今年初めてできてめちゃくちゃ嬉しかった。リーグ戦もこの調子で行きたい」と笑みを浮かべる。
秘めたポテンシャルは魅力十分で、全国大会でもこの日同様のプレーができれば注目度は高まるだろう。「全国でも県大会でやっていたプレーから、もう1段レベルを上げて良いプレーがしたい。もっと有名になりたい。ちゃんとやることをやったら良いプレーができると思うので、全国でも頑張りたい」。そう意気込む木下の飛躍は、これから始まっていく。
(取材・文 森田将義)
●全国高校総体2024特集
FW柳沢敦(鹿島ユース監督)や西村拓真(スイス、セルベット)といった日本代表経験者だけでなく、今季ここまでJ2で得点ランキング2位の8得点を奪う千葉のFW小森飛絢、大卒1年目ながらもコンスタントにゴールネットを揺らすFW碓井健生なども富山一高の出身選手。北信越屈指の名門校は、これまで多くのJリーガーを輩出してきたが、これまでCBでプロになったはいないという。
「トミイチからCBのプロはいないけど、彼はそのチャンスがあるので鍛えたい」と加納靖典監督が期待を寄せるのが、今季からスタメンに定着したDF木下空(2年)。カターレ富山U-15でもスタメンを張っていた実力者で、182cm、78kgの恵まれた肉体を生かした競り合いと対人の強さが目を引く選手だ。
全国大会出場をかけて挑んだ富山北部との決勝でも、ポテンシャルの高さを感じさせるプレーを披露する。「先制点を取られないことを意識しながら、早めに点を取って楽に試合を進めたかった」と振り返る木下は試合序盤から空中戦での強さを発揮。スローインからゴール前に持ち込まれる場面もあったが、落ち着いた守備対応で無失点のまま試合を進める原動力となった。
最初の見せ場は前半27分。右サイドの高い位置でスローインを獲得すると、MF高橋大和(3年)がゴール前にロングスローを展開。ニアでDF田中陽路(2年)がすらしたボールをファーサイドにいた木下が右足で押し込み、チーム2点目となった。狙ってはいたものの、あまりにも理想通り過ぎる得点で決めた瞬間に思わず、「俺が決めた? 決めちゃったよ」と驚く得点。本人は「勝手に足が動いた。あれ? 決まった? という感じで、実感が湧かなくて遅れて喜びました」と振り返る。
これまではセットプレーのチャンスがありながら、なかなか得点が奪えずにいたが、前日に挑んだ準決勝の富山東戦でも得点をマーク。「CBの選手がセットプレーで点を取る感覚を覚えてくれたら、相手は相当嫌だと思う。大村(笙太)も高橋も良いボールを蹴れるから、キッカーは悪くない。中に入っていくテンポと決める力さえあればチームとして大きい。今年のチームを立ち上げてから、まず守備から入って、セットプレーで手堅く勝つとずっと言い続けてきた。今日はそういう成果が出た」。指揮官の言葉通り、木下の得点感覚が身に付きつつあるのはチームとしての収穫だ。
貢献は攻撃だけに留まらない。後半5分に見せた守備対応も勝利に欠かせなかった。富山北部のGK橋本顕悠(3年)が入れたロングフィードが富山一DFの背後に落下。MF谷口慶樹(3年)がゴール前に抜け出そうとしたが、素早く木下が反応。「まずファウルをしないようにして、そこからファーを消そうと思っていた。ただ、追いつけると思って止めました」。そう振り返る木下は谷口がシュートモーションに入ったタイミングで、スライディングを繰り出し、決定機をストップ。相手に流れが傾きかけていた時間帯だっただけに彼のプレーが持つ意味はとても大きかった。
4月から始まったプリンスリーグ北信越1部では勝てない時期が続いていた。勝ち試合の恒例である「アイシテルイチコウ」という応援ソングに合わせて選手が躍る儀式も今季初めての経験。「プリンスで勝てなくて、最後の喜びも今年初めてできてめちゃくちゃ嬉しかった。リーグ戦もこの調子で行きたい」と笑みを浮かべる。
秘めたポテンシャルは魅力十分で、全国大会でもこの日同様のプレーができれば注目度は高まるだろう。「全国でも県大会でやっていたプレーから、もう1段レベルを上げて良いプレーがしたい。もっと有名になりたい。ちゃんとやることをやったら良いプレーができると思うので、全国でも頑張りたい」。そう意気込む木下の飛躍は、これから始まっていく。
(取材・文 森田将義)
●全国高校総体2024特集



