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[関東]名古屋でトップ出場歴を持つ期待株が大学で味わった挫折を乗り越え…明治大の新10番、MF宇水聖凌が背負う覚悟「自分が先頭に立って」

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明治大で新10番を託されたMF宇水聖凌

[9.23 関東大学L1部第12節 中央大0-1明治大 中央大学多摩キャンパスサッカー場]

 新10番が後期開幕戦で存在感を放った。明治大は今季前半戦で10番を背負ったMF桒原陸人(4年=G大阪ユース/藤枝内定)と、6番だったMF宇水聖凌(4年=名古屋U-18)の背番号を交換。宇水は「中学生ぶり」だという背番号10を背負い、90分間にわたって中盤を支えた。

 背番号の変更は、池上寿之監督の決断だった。「もともと宇水は試合に出ていないといけない選手。前期は怪我をしていたので桒原でしたけど、宇水はリーダーシップもあるので引っ張ってほしいと思って10番を託しました」と指揮官。宇水も「明治の10番といえば、中村草太さん、佐藤恵允さん、島野怜さんとか、明治と言えばという人がつけてきた。自分は点を決めるタイプじゃないけど、泥臭く、明治の象徴というプレーができればと思っています」と自覚を口にした。 

 高校時代から将来を期待されていた。名古屋グランパスU-18では下級生のころからレギュラーを務め、2年時にはクラブユース選手権優勝に貢献。3年時には2種登録選手としてトップチームに帯同し、天皇杯出場やルヴァンカップでのベンチ入りも経験した。ただそれでもトップ昇格はかなわなかった。「クラブ編成もあって上げられないと言われた。それに明治大学から声がかかっているんだったら、一回り成長してプロに行った方がいいと言われた」。受け入れるまでには少し時間がかかったが、大学サッカーの名門で自らを磨く覚悟を決めた。


 しかし大学では、人生で初めてとも言っていい挫折が待っていた。1年時はMF井上樹(甲府)がレギュラーとして君臨し、MF常盤亨太(FC東京)ですら定位置をつかむのに苦労するほどの激しい競争があった。「横を見ても上下を見ても、いい選手ばかりだった」。一方で大人として成長も実感できたという。「明治は人として成長するところでもある。2年生までは栗田さんに教えられていて、自分の持っていた世界がぐっと広がった。同期でも代表選手が当たり前にいて、横を見ても上下を見ても、いい選手ばかり。あまり高校や中学で挫折をしてこなかったけど、明治に来て4年間で選手としても一回り成長したなと思います」と振り返った。

 3年生だった昨年はリーグ戦の半数近くで先発出場。そして4年生の今年は本格的に中心選手としての活躍が期待されたが、開幕3節・東洋大戦で左足肉離れを負うと、復帰を目指す中で同じ箇所を再び負傷した。同期生が次々とプロ内定を決める中、自身は怪我との戦いを余儀なくされた。それでも、「怪我をしたことで今まで見えなかったことが見えるようになった。身体もそうですし、人としても一回り大きくなったと思っている。それをピッチでどう表現できるか。怪我をポジティブに捉えられるようにしています」。後期リーグに向けては、「本当にここからが勝負」と気合を十分にして臨んでいる。

 大学4年間で、プロの世界の厳しさも痛感した。ユースの先輩で大学サッカーを経て名古屋へ戻ったMF加藤玄やMF榊原杏太、MF倍井謙らの姿を見てきた。「大学トップレベルでやっていた選手でも、プロでは簡単に試合へ出られない。この中でずば抜けていないとプロでは通用しない。自分はまだそのレベルに達していない。玄君にも全然及ばない」。現実を受け止めながら、自らを見つめている。

 現時点でプロからのオファーは届いていない。それでも「10番になったことで、注目してもらうことも増えると思う」と前向きに受け止める。「今日の試合も全員が納得するような内容ではなかったけど、後期の開幕戦ということを考えればよかったと思う。明治全員で巻き返す。残留じゃなくて、11連勝して優勝を達成できるように、自分が先頭に立ってやっていきたい」。新たに託された紫紺の10番。その重みを力に変え、宇水は明治大の巻き返しをけん引する。


(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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