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[関西]日の丸背負う同級生に「嫉妬」…大阪体育大DF池戸柊宇、岡山で広げた“可能性”とロス五輪への野心

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左から下川翔世、臼田成那、西口大稀、DF池戸柊宇

[10.3 関西学生L1部後期第4節 同大0-2大体大 ヤンマーフィールド長居]

 プロの世界に触れたからこそ、自分に足りないものがはっきりと見えた。DF池戸柊宇(3年=京都橘高)はこの夏、大阪体育大を離れ、加入が内定しているファジアーノ岡山に長期帯同。Jリーグデビューも果たした一方で、「技術の差、意識の差を痛感した。もっとやらないといけないと感じた」と振り返った。

 池戸は7月22日に岡山への加入内定が発表された。東京V、町田からもオファーを受ける中、「ここで成長したいと思えたことが一番だった」と早い段階で進路を決断。若手が次々と出場機会をつかみ、成長している環境にも魅力を感じたという。

 今夏はその岡山に長期間帯同。当初は大阪体育大に戻らず、そのままプロの舞台で出場機会をつかむことも思い描いていた。しかし現実は甘くなかった。「出るチャンスはあると思っていたんですけど、実際のところ自分の実力で出られなかった」。

 8月15日の長崎戦では後半45分から出場し、Jリーグデビュー。それでも4試合でベンチ入りした中、出場時間はわずか9分にとどまった。「日頃の取り組みというところで、まだ甘さがあった」。プロの世界に身を置いたことで、自分に足りないものも浮き彫りになった。

 それでも、早くプロの世界に飛び込みたい理由がある。2028年ロサンゼルス五輪だ。

 以前はそれほど現実的な目標として捉えていなかったという。しかし高校時代の同級生で、今も親交の深いMF福永裕也(京都産業大3年)がU-21日本代表に入ったことで、意識は大きく変わった。「ちゃんと見られるところにいないと選ばれないと思った」。身近な存在が日の丸を背負ったことで、五輪が明確な目標になった。

 アジア競技大会の準決勝は、会場となったヤンマースタジアム長居まで足を運んだ。そこには福永ら同世代が日の丸を背負って戦う姿があった。「うらやましいというか、嫉妬の部分が出てきた。裕也がああいう舞台に行って、本当にかっけえなと思ったし、より一層、入らなきゃいけないなという気持ちが出てきた」。


 追いつくために、武器にしようとしているものもある。複数ポジションをこなせるユーティリティ性だ。

 CBを主戦場としてきたが、岡山のキャンプではウイングバックにも挑戦。鹿島との練習試合で起用されて手応えをつかむと、その後も経験を重ねた。「今年一番のプラス。今までウイングバックはやったことがなかったけど、日に日に成長を感じた。ユーティリティ性は増えたのかなと思います」。

 もともとサイドバックの経験もあり、小学生時代にはフィールドプレーヤーながらGKとして大阪府トレセンに選ばれた異色の経歴も持つ。ポジションへのこだわりはない。「自分は出られるポジションでやるだけ。フォワードで出たら、フォワードで結果を残す」。プロで生き残り、日の丸に近づくためにも、プレーの幅を自らの価値に変えようとしている。

 そして大学に戻ってからは、その言葉通りにさまざまな役割を求められた。

 当初は総理大臣杯への出場を見送る予定だったが、話し合いの末に2回戦から合流。しかし準々決勝の立正大戦では、自らの安易なミスが失点につながって敗退した。「自分の甘さでしたね、間違いなく。実力というより、甘さが出た結果。ああいうところもこだわっていかないといけない」。岡山で感じた課題と、大学に戻ってからも向き合うことになった。

 リーグ戦でも、すぐに定位置を取り戻せたわけではない。「夏にみんながやってきたことを、自分はまだできていなかった」。先発から外れ、FWで起用された試合もあった。それでも、「一番はチームが勝つこと。チームが勝つために、出された場所でしっかりやることが、自分のやらないといけないこと」と役割を受け入れた。

 そしてこの日の同志社大戦。レギュラーの累積警告によって、CBで先発するチャンスが巡ってきた。池戸が不在だった間、守備陣は課題だったクロス対応を改善し、無失点を続けていた。「自分がいない間に成長した部分。そこはすごく、みんなを尊敬するというか、すごいなと思う」。だからこそ、自分が入ったことで、その流れを止めるわけにはいかなかった。

「自分が入って失点したら、自分に矢印が向くと思っていたので、今日は絶対に無失点で終わろうと思っていた」

 結果は2-0。チームは4試合連続のクリーンシートを達成した。

 プロの世界を知り、日の丸を背負う同世代に嫉妬し、自らの甘さとも向き合った夏。目指す場所は、以前よりはっきりと見えている。ただ、その前にやるべきことがある。「まずは体大の選手なので体大第一」。まだ大学3年生。大学とプロをつなぐ期間をどう過ごすのか。早く進路を決めたからこそ得られた時間を成長につなげ、ロス五輪への距離も縮めていく。


(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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