この春からインカレ王者に仲間入りする切れ味鋭いジャックナイフ。尚志MF大内完介が身に着けつつある明確な基準と揺るがぬメンタリティ
[1.26 練習試合 日本高校選抜候補 4-0 駒澤大]
磨いてきたストロングを出し切れば、より高いレベルでもしっかりと戦えることは、この1年間の自分のプレーで証明してきた。あとはそれをいつでも、どこでも、発揮し続けるだけ。そのための確固たる自信を、素晴らしい仲間たちと切磋琢磨できる今回の合宿で、今まで以上に深めてやる。
「ここに来ているみんなは本当に上手い選手ですけど、こういうところで堂々とプレーできるメンタリティがある選手が残っていけると思いますし、そこのメンタリティ1つでいろいろなものが変わってしまうので、そこはこの選抜に限らず、大学に行っても持ち続けていきたいなと思います」。
右サイドを鋭く切り裂く、日本高校サッカー選抜候補のジャックナイフ。MF大内完介(尚志高/3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)は相変わらずのドリブル突破で、まだ集まって日の浅いチームに大きな推進力をもたらしている。
「昨日集まって紅白戦をやったんですけど、自分は尚志のトップチームの練習に1週間ぐらい参加させてもらっていたので、コンディションは悪くなかったですし、今日もいつも通りにボールを持った時のキレのところは出せたかなと思います」。
25日からスタートした日本高校選抜の候補合宿。2日目となったこの日は、駒澤大(関東大学L2部)と30分×4本でトレーニングマッチが行われたが、大内は1本目の右サイドハーフとしてピッチに解き放たれる。
ひとたび右サイドでボールを受けると、周囲と連携しながら崩すシーンも挟みつつ、基本的にはドリブル勝負。「自分としてはあそこからもう1つシュートまで行きたかったですけど、自分のところから攻撃を作ることが役割だと思っていました」と、まずはチャンスを作り出すことに腐心する。
昨年度もU-17日本高校選抜に選出されていたため、その時のチームメイトも少なくないメンバー構成は大きなアドバンテージ。「(大谷)湊斗だったり、去年も一緒にやっていた人がいて、コミュニケーションも取りやすいですし、新しい仲間もほぼ対戦している人が多いので、話しやすい感じはありますね。『この選手は対戦して嫌だったな』という選手ばかりで、そういう選手と一緒にやるとイメージも合うので、やっぱりやりやすいです」という言葉からも、選抜活動をポジティブに捉えている様子が窺える。
この日は1本だけの出場だったものの、右サイドバックのDF田中佑磨(佐賀東高/3年)とサイドで縦関係を構築すれば、2トップのFW佐藤耕太(前橋育英高/3年)とFW粕谷悠(流通経済大柏高/3年)との連携も良好。30分間で一定のアピールに成功したと言っていいだろう。
2024年度はさまざまな経験を重ねた1年だった。前半戦は体調不良などもあって、一時はスタメン落ちにも直面したが、本人も「インターハイの全国ぐらいのころから、チームの中で自分のやることがはっきりしてきました」と振り返るように、夏を越えたプレミアリーグの後半戦からはゴールを量産し始める。
「思い切ったプレーを続けていったら自分のところにボールが入ってきたり、こぼれてきたりというシーンが増えて、ゴールが決められるようになったかなと思います」。最終的にはチームトップとなる8得点をマーク。尚志の攻撃の核として存在感を高めていく。
残留の懸かった最終節の鹿島アントラーズユース戦は、特別な一戦だった。鹿島アントラーズつくばジュニアユースに所属していた大内にとって、この試合はかつてのチームメイトも顔を揃える“古巣対決”。「自分はつくばでも中心選手ではなかったので、『自分もできるぞ』というところを見せたかった部分はありますね」と並々ならぬ意欲を携えて、アントラーズクラブハウスのピッチへと足を踏み入れる。
結果的に試合は1-2で敗れ、チームは無念の降格を味わった一方で、大内は意地のゴールを記録。「相手には元チームメイトもいましたし、自分の古巣相手にゴールが決められたのは良かったですけど、プレミアの残留ということを目的にしていた試合だったので、そこは悔しかったですね」。プレミアのラストゲームで何とも複雑な90分間を過ごしたことで、直後に控えていた選手権への想いもより強くなったという。
「最初はやっぱりあの観客の多さに少しフワフワするところもあったんですけど、ボールを触り出してからは楽しくできました。自分たちのやりたいことはある程度できたかなと思いますし、PK戦はもうしょうがないですけど、最後に点が獲れなかったというところで、ゲームの中で1点欲しかったですね」。
プレミア対決として注目を集めた選手権の1回戦。東福岡高(福岡)とのゲームは双方にゴールが生まれず、スコアレスのままで突入したPK戦の末に競り負け、尚志は無念の初戦敗退を強いられることに。みんなで目指した結果にたどり着くまでには、残念ながら至らなかった。
「去年が凄いチームだった分、『今年は厳しくなるな』と思っていたんですけど、シーズンの最後の方になるにつれて良いサッカーができても、結果がなかなか付いてこなかったですね。プレミアに残留できなかったことは後輩に申し訳ない気持ちが大きかったので、『選手権こそは』という気持ちはあったんですけど、そこもうまく行かなかったので、みんなが次のステージでその悔しさを晴らしていくしかないなと思っています」。
小さくない手応えと、小さくない悔しさを抱えて、今年から大内が進学するのは東洋大。昨年末のインカレで日本一を獲得しているチームだけに、激しい競争が待ち構えていることは想像に難くないが、そんなことは百も承知。その中でさらなる成長を遂げる自分をイメージして、新たなステージへ飛び込んでいく。
「プレミアで全国トップレベルの厳しさは感じましたし、インカレで日本一になった東洋大学に行くからには、あのプレミアの基準を特に守備の強度の部分では、そのまま出していかないといけないと思うので、まずは試合に出ることを目標にしながら、自分が感じたことを練習から出していくしかないと思います」。
4月からの日々を考えても、大学生と対峙できる今回の合宿は、自身の現在地を知るには格好の機会。尚志が誇る、恐れを知らないジャックナイフ。大内完介はこれからもその鋭いドリブルで、相手の嫌がるエリアをザクザクと切り裂き続ける。


(取材・文 土屋雅史)
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磨いてきたストロングを出し切れば、より高いレベルでもしっかりと戦えることは、この1年間の自分のプレーで証明してきた。あとはそれをいつでも、どこでも、発揮し続けるだけ。そのための確固たる自信を、素晴らしい仲間たちと切磋琢磨できる今回の合宿で、今まで以上に深めてやる。
「ここに来ているみんなは本当に上手い選手ですけど、こういうところで堂々とプレーできるメンタリティがある選手が残っていけると思いますし、そこのメンタリティ1つでいろいろなものが変わってしまうので、そこはこの選抜に限らず、大学に行っても持ち続けていきたいなと思います」。
右サイドを鋭く切り裂く、日本高校サッカー選抜候補のジャックナイフ。MF大内完介(尚志高/3年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)は相変わらずのドリブル突破で、まだ集まって日の浅いチームに大きな推進力をもたらしている。
「昨日集まって紅白戦をやったんですけど、自分は尚志のトップチームの練習に1週間ぐらい参加させてもらっていたので、コンディションは悪くなかったですし、今日もいつも通りにボールを持った時のキレのところは出せたかなと思います」。
25日からスタートした日本高校選抜の候補合宿。2日目となったこの日は、駒澤大(関東大学L2部)と30分×4本でトレーニングマッチが行われたが、大内は1本目の右サイドハーフとしてピッチに解き放たれる。
ひとたび右サイドでボールを受けると、周囲と連携しながら崩すシーンも挟みつつ、基本的にはドリブル勝負。「自分としてはあそこからもう1つシュートまで行きたかったですけど、自分のところから攻撃を作ることが役割だと思っていました」と、まずはチャンスを作り出すことに腐心する。
昨年度もU-17日本高校選抜に選出されていたため、その時のチームメイトも少なくないメンバー構成は大きなアドバンテージ。「(大谷)湊斗だったり、去年も一緒にやっていた人がいて、コミュニケーションも取りやすいですし、新しい仲間もほぼ対戦している人が多いので、話しやすい感じはありますね。『この選手は対戦して嫌だったな』という選手ばかりで、そういう選手と一緒にやるとイメージも合うので、やっぱりやりやすいです」という言葉からも、選抜活動をポジティブに捉えている様子が窺える。
この日は1本だけの出場だったものの、右サイドバックのDF田中佑磨(佐賀東高/3年)とサイドで縦関係を構築すれば、2トップのFW佐藤耕太(前橋育英高/3年)とFW粕谷悠(流通経済大柏高/3年)との連携も良好。30分間で一定のアピールに成功したと言っていいだろう。
2024年度はさまざまな経験を重ねた1年だった。前半戦は体調不良などもあって、一時はスタメン落ちにも直面したが、本人も「インターハイの全国ぐらいのころから、チームの中で自分のやることがはっきりしてきました」と振り返るように、夏を越えたプレミアリーグの後半戦からはゴールを量産し始める。
「思い切ったプレーを続けていったら自分のところにボールが入ってきたり、こぼれてきたりというシーンが増えて、ゴールが決められるようになったかなと思います」。最終的にはチームトップとなる8得点をマーク。尚志の攻撃の核として存在感を高めていく。
残留の懸かった最終節の鹿島アントラーズユース戦は、特別な一戦だった。鹿島アントラーズつくばジュニアユースに所属していた大内にとって、この試合はかつてのチームメイトも顔を揃える“古巣対決”。「自分はつくばでも中心選手ではなかったので、『自分もできるぞ』というところを見せたかった部分はありますね」と並々ならぬ意欲を携えて、アントラーズクラブハウスのピッチへと足を踏み入れる。
結果的に試合は1-2で敗れ、チームは無念の降格を味わった一方で、大内は意地のゴールを記録。「相手には元チームメイトもいましたし、自分の古巣相手にゴールが決められたのは良かったですけど、プレミアの残留ということを目的にしていた試合だったので、そこは悔しかったですね」。プレミアのラストゲームで何とも複雑な90分間を過ごしたことで、直後に控えていた選手権への想いもより強くなったという。
「最初はやっぱりあの観客の多さに少しフワフワするところもあったんですけど、ボールを触り出してからは楽しくできました。自分たちのやりたいことはある程度できたかなと思いますし、PK戦はもうしょうがないですけど、最後に点が獲れなかったというところで、ゲームの中で1点欲しかったですね」。
プレミア対決として注目を集めた選手権の1回戦。東福岡高(福岡)とのゲームは双方にゴールが生まれず、スコアレスのままで突入したPK戦の末に競り負け、尚志は無念の初戦敗退を強いられることに。みんなで目指した結果にたどり着くまでには、残念ながら至らなかった。
「去年が凄いチームだった分、『今年は厳しくなるな』と思っていたんですけど、シーズンの最後の方になるにつれて良いサッカーができても、結果がなかなか付いてこなかったですね。プレミアに残留できなかったことは後輩に申し訳ない気持ちが大きかったので、『選手権こそは』という気持ちはあったんですけど、そこもうまく行かなかったので、みんなが次のステージでその悔しさを晴らしていくしかないなと思っています」。
小さくない手応えと、小さくない悔しさを抱えて、今年から大内が進学するのは東洋大。昨年末のインカレで日本一を獲得しているチームだけに、激しい競争が待ち構えていることは想像に難くないが、そんなことは百も承知。その中でさらなる成長を遂げる自分をイメージして、新たなステージへ飛び込んでいく。
「プレミアで全国トップレベルの厳しさは感じましたし、インカレで日本一になった東洋大学に行くからには、あのプレミアの基準を特に守備の強度の部分では、そのまま出していかないといけないと思うので、まずは試合に出ることを目標にしながら、自分が感じたことを練習から出していくしかないと思います」。
4月からの日々を考えても、大学生と対峙できる今回の合宿は、自身の現在地を知るには格好の機会。尚志が誇る、恐れを知らないジャックナイフ。大内完介はこれからもその鋭いドリブルで、相手の嫌がるエリアをザクザクと切り裂き続ける。


(取材・文 土屋雅史)
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