「サッカーをやってきて一番悔しかった」プリンス降格からの逆襲を期す1年に!RB大宮U18MF神田泰斗が2025年に叶えたい「3つの目標」
今年の個人的な目標ははっきりしている。プロデビューと世界との邂逅。そこまでの距離も以前より明確に掴んでいるからこそ、真剣に狙う。積み重ねてきた努力も、突き付けられた悔しさも、逞しく纏ってきた自信も、全部自分の中に取り込んで、絶対にそこへと到達してやる。
「トップチームでデビューすることと、U-17ワールドカップに出場して、ベスト4までは行きたいなと。チャンスは自分次第でいくらでもあると思うので、そういうところに食い込んでいけたらなというのが今年の目標です」。
RB大宮アルディージャU18(埼玉)の中盤を司る、冷静沈着な高性能レフティ。MF神田泰斗(1年=大宮アルディージャU15出身)は多くの勝ち獲るべきものをその視野に捉えながら、ひたすらにその左足を振るい続ける。
とにかく声を出し、チームを引っ張る姿勢を前面に押し出していく。前橋育英高(群馬)と対峙した『2025 アスレカップ群馬 サッカーフェスティバル』の初日2試合目。DF熊田佳斗(中学3年)とドイスボランチを組んだ神田は、積極的に周囲へ指示を出しながら中盤を引き締める。
明らかにリーダーシップを発揮しているのには、理由がある。「去年から自分は試合に出させてもらった中で、プレミアから降格したことはサッカーをやってきて一番悔しかったので、今年は強いチームを作るために学年とか関係なく、自分が責任を持ってチームを引っ張るというのは練習から意識しています」。
1年生だった昨シーズンは開幕戦から途中出場でプレミアリーグデビューを飾ると、すぐさまレギュラーを確保。代表招集とケガ以外ではほとんどのゲームにスタメン出場を果たしたものの、チームはリーグ最下位となり、無念のプリンスリーグ関東降格を味わうことになった。
「去年の1年があったから今年があると思えるようにしないといけないと思っています。特に前期は自分が納得できるプレーも、監督が求めているようなプレーもできなくて、後期はやっと自分の持ち味が出せるようになってきたけど、『なんでこんなに勝てないんだろう……』って。1年間を通じて悔しかったですね」。
もう二度とあんな想いはしたくない。強い決意を抱いたからこそ、周囲に対しての関わり方も妥協しない。「チームとして基準がある中で、『やろうとしてできない』のは何も問題ないと思うんですけど、『やろうとしていない』のであれば、それはちゃんと見て言わないと、ということも意識していますね。それは良いプレーに対してもそうですし、コミュニケーションの声を増やしながら、厳しい声も出せる選手の必要性はトップチームのキャンプに行って感じました」。
本人も口にしたように、キャンプも含めた今季のトップチームの活動には始動から参加してきた中で、とりわけ大きな刺激を受けたのはアカデミーの“先輩”と情熱の指揮官だったという。
「(市原)吏音くんはキャンプの時も声を掛けてくれたり、優しくしてもらいましたし、U-20の代表でもキャプテンとしてチームを引っ張る姿は、同じアルディージャユースの出身選手として尊敬できますし、凄いなと感じています。吏音くんはもう高校生からトップのスタメンで出ていましたけど、自分はその最年少出場記録を抜きたいなと思っているので、簡単ではないですけど、そこは意識しながらやっていきたいなと思います」。
「長澤(徹)監督はミーティングの言葉でも、練習前に奮い立たされるんです。『置かれた状況を飲み込んで、自分で真剣に全力でやって、それを何年も続けていった人だけが、本当の意味で自信を掴める』ということを言っていたのが印象に残っていますし、『ちゃんと結果を出したらトップに登録するから』とも言ってくれたので、年齢とかユースの選手だからとかは関係なく、1人の選手として見てくれているのはありがたいですし、『自分にもチャンスがあるんだな』と感じさせてもらったので、モチベーションは上がりますね」。
市原吏音と長澤徹。タイプこそ違えども、とにかくサッカーと真摯に向き合う姿勢に定評のある2人の熱源に触れたことで、神田の中にかつてないほどの向上心が湧き上がったことは想像に難くない。


加えて先日までは4月にワールドカップ予選(AFC U17アジアカップ)を控えているU-17日本代表のパラグアイ遠征メンバーに招集され、初めて訪れたという南米の地で新たな経験値を手にしてきた。
「移動も含めて本当にタフで、日程とか暑さとかいろいろあったんですけど、南米の選手の独特な身体の使い方や、当たり方とか、そういう違いを感じながらも、『こうしたらできるな』とか、いろいろなことを見つけながらプレーできたかなとは思います。パラグアイ以上に遠くへ行くことも、あれだけ難しいコンディションでやることもなかなかないと思うので、今後はちょっと遠い国での試合だったり、日程がキツかったりしても、『あの時よりは大丈夫だな』と考えられるかなと捉えています(笑)」
遠征中にはキャプテンマークを託される一幕も。「声でメッチャ引っ張れるタイプでもないので、プレーで落ち着かせられたらなと思っていました」とは本人だが、廣山望監督からの期待も感じつつ、代表でもチームの先頭に立って海外の選手と戦うという貴重な機会を得ることになった。
トップチームでの最年少デビューと、U-17ワールドカップのメンバー入り。さらに、所属しているU18のプレミア復帰。2025年に成し遂げるべきことを頭の中に思い描きながらも、必要以上に肩肘を張るつもりもない。今できることを、地道に、粛々と、全力で。
「この1年が大事だということはわかっていますけど、自分がいつも重ねてきた努力は変えずに、その質を高めながらやっていって、そこに結果が付いてきたらいいなと。気負いすぎずにやりたいなと思っています」。
大きな変化の渦中にあるRB大宮アルディージャの確かな希望。才能のビッグバンは、きっとすぐそこまで迫っている。謙虚でありながら、強気。穏やかでありながら、果敢。2025年の神田泰斗が掲げた目標を全部さらっていっても、そこには何の不思議もない。


(取材・文 土屋雅史)
「トップチームでデビューすることと、U-17ワールドカップに出場して、ベスト4までは行きたいなと。チャンスは自分次第でいくらでもあると思うので、そういうところに食い込んでいけたらなというのが今年の目標です」。
RB大宮アルディージャU18(埼玉)の中盤を司る、冷静沈着な高性能レフティ。MF神田泰斗(1年=大宮アルディージャU15出身)は多くの勝ち獲るべきものをその視野に捉えながら、ひたすらにその左足を振るい続ける。
とにかく声を出し、チームを引っ張る姿勢を前面に押し出していく。前橋育英高(群馬)と対峙した『2025 アスレカップ群馬 サッカーフェスティバル』の初日2試合目。DF熊田佳斗(中学3年)とドイスボランチを組んだ神田は、積極的に周囲へ指示を出しながら中盤を引き締める。
明らかにリーダーシップを発揮しているのには、理由がある。「去年から自分は試合に出させてもらった中で、プレミアから降格したことはサッカーをやってきて一番悔しかったので、今年は強いチームを作るために学年とか関係なく、自分が責任を持ってチームを引っ張るというのは練習から意識しています」。
1年生だった昨シーズンは開幕戦から途中出場でプレミアリーグデビューを飾ると、すぐさまレギュラーを確保。代表招集とケガ以外ではほとんどのゲームにスタメン出場を果たしたものの、チームはリーグ最下位となり、無念のプリンスリーグ関東降格を味わうことになった。
「去年の1年があったから今年があると思えるようにしないといけないと思っています。特に前期は自分が納得できるプレーも、監督が求めているようなプレーもできなくて、後期はやっと自分の持ち味が出せるようになってきたけど、『なんでこんなに勝てないんだろう……』って。1年間を通じて悔しかったですね」。
もう二度とあんな想いはしたくない。強い決意を抱いたからこそ、周囲に対しての関わり方も妥協しない。「チームとして基準がある中で、『やろうとしてできない』のは何も問題ないと思うんですけど、『やろうとしていない』のであれば、それはちゃんと見て言わないと、ということも意識していますね。それは良いプレーに対してもそうですし、コミュニケーションの声を増やしながら、厳しい声も出せる選手の必要性はトップチームのキャンプに行って感じました」。
本人も口にしたように、キャンプも含めた今季のトップチームの活動には始動から参加してきた中で、とりわけ大きな刺激を受けたのはアカデミーの“先輩”と情熱の指揮官だったという。
「(市原)吏音くんはキャンプの時も声を掛けてくれたり、優しくしてもらいましたし、U-20の代表でもキャプテンとしてチームを引っ張る姿は、同じアルディージャユースの出身選手として尊敬できますし、凄いなと感じています。吏音くんはもう高校生からトップのスタメンで出ていましたけど、自分はその最年少出場記録を抜きたいなと思っているので、簡単ではないですけど、そこは意識しながらやっていきたいなと思います」。
「長澤(徹)監督はミーティングの言葉でも、練習前に奮い立たされるんです。『置かれた状況を飲み込んで、自分で真剣に全力でやって、それを何年も続けていった人だけが、本当の意味で自信を掴める』ということを言っていたのが印象に残っていますし、『ちゃんと結果を出したらトップに登録するから』とも言ってくれたので、年齢とかユースの選手だからとかは関係なく、1人の選手として見てくれているのはありがたいですし、『自分にもチャンスがあるんだな』と感じさせてもらったので、モチベーションは上がりますね」。
市原吏音と長澤徹。タイプこそ違えども、とにかくサッカーと真摯に向き合う姿勢に定評のある2人の熱源に触れたことで、神田の中にかつてないほどの向上心が湧き上がったことは想像に難くない。


加えて先日までは4月にワールドカップ予選(AFC U17アジアカップ)を控えているU-17日本代表のパラグアイ遠征メンバーに招集され、初めて訪れたという南米の地で新たな経験値を手にしてきた。
「移動も含めて本当にタフで、日程とか暑さとかいろいろあったんですけど、南米の選手の独特な身体の使い方や、当たり方とか、そういう違いを感じながらも、『こうしたらできるな』とか、いろいろなことを見つけながらプレーできたかなとは思います。パラグアイ以上に遠くへ行くことも、あれだけ難しいコンディションでやることもなかなかないと思うので、今後はちょっと遠い国での試合だったり、日程がキツかったりしても、『あの時よりは大丈夫だな』と考えられるかなと捉えています(笑)」
遠征中にはキャプテンマークを託される一幕も。「声でメッチャ引っ張れるタイプでもないので、プレーで落ち着かせられたらなと思っていました」とは本人だが、廣山望監督からの期待も感じつつ、代表でもチームの先頭に立って海外の選手と戦うという貴重な機会を得ることになった。
トップチームでの最年少デビューと、U-17ワールドカップのメンバー入り。さらに、所属しているU18のプレミア復帰。2025年に成し遂げるべきことを頭の中に思い描きながらも、必要以上に肩肘を張るつもりもない。今できることを、地道に、粛々と、全力で。
「この1年が大事だということはわかっていますけど、自分がいつも重ねてきた努力は変えずに、その質を高めながらやっていって、そこに結果が付いてきたらいいなと。気負いすぎずにやりたいなと思っています」。
大きな変化の渦中にあるRB大宮アルディージャの確かな希望。才能のビッグバンは、きっとすぐそこまで迫っている。謙虚でありながら、強気。穏やかでありながら、果敢。2025年の神田泰斗が掲げた目標を全部さらっていっても、そこには何の不思議もない。


(取材・文 土屋雅史)


