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[MOM5055]松本U-18GK伊藤陸音(3年)_トップチームへの練習参加で急成長を遂げた“しゃべり続ける”守護神

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松本山雅FC U-18のGK伊藤陸音(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.12 プリンスリーグ北信越1部第2節 松本U-18 1-0 富山U-18 松本市かりがねサッカー場人工芝グラウンド]
 
 DF柴田陸(3年)が「普段は喋り過ぎている」と話せば、柿本倫明監督も「お調子者タイプ」と評する。いわゆるムードメーカーだが、いざ試合になるとこれほど心強い選手はいない。ともに今季初勝利を狙った富山U-18との一戦で、目を惹いたのは松本山雅FC U-18の守護神を務めるGK伊藤陸音(3年)の存在だった。

 試合開始とともにまず目立ったのはコーチング量の多さだ。前線からのチェイシングを細かく指示したかと思えば、DFにはラインコントロールについて細かく伝える。怪我人が出て試合が止まったら「今、飲んでおけ」と飲水を指示。苦しい時間帯にチームメイトを鼓舞する声も含めて、声掛けの種類は多岐に渡り、90分間ほとんど途切れず喋り続ける。

 理由について伊藤はこう明かす。「自分はビッグセーブやフィードで貢献できる回数が多いタイプではない。じゃあ、何でチームに貢献できるのかなと考えた時、チームの全員を動せるようになれば良いと思った。打たせなければ負けない。そのためには、一番見えている自分が喋れば良いって」。

 ただ喋りが達者なだけのGKではない。この日は押し込まれながらも打たれたシュートは4本と出番は少なかったが、サイドからクロスが上がれば落ち着いて判断よく前に出て対応。シュートを打たれた場面でも冷静にポジションを取って、キャッチできていた。「零さないでキャッチできるようになったし、ハイボールも安定してきた。本当に良くなりました」(柿本監督)。

 急成長を遂げたのはトップチームの練習参加が大きいという。3月上旬に2種登録された伊藤は春休み期間中は、ずっとトップチームの活動に帯同。守護神を務めるGK大内一生に「力が入りすぎている。0.1秒の反応に拘った方が良い」などとアドバイスしてもらったという。また、10番のMF菊井悠介には練習後、シュート練習に付き合ってもらい、気付いたことがあれば細かく指摘を受けた。

 プロと高校生ではシュート威力が違い、最初はほとんど止められなかったが、回数を重ねるうちに止められなくても触ることができる回数が増えていった。そうしたプロの基準を知れたことが、高校年代でプレーした際の余裕に繋がっている。

 今でこそピッチ上で逞しい姿を見せているが、F.Cフェルボール愛知に所属した中学時代は2番手で、現在は清水ユースでプレーするGK後藤悠貴(3年)の牙城を崩せずにいた。高卒でのプロ入りを目指して進んだ松本U-18でも思い通りの出場機会を得られず、昨年は県1部リーグを戦うBチームでプレー。悔しさを抱えながらも、後藤や県選抜で一緒だった名古屋U-18のGK萩裕陽(3年)が早期から出番を掴んでいることが刺激になっていたという。

 今年に入って2種登録された際、コーチ陣から「浮かれるなよ」と声を掛けられたが、「萩や後藤など先頭を走るライバルがいたので、そこにはたどり着けていないと自分に言い聞かせていた」。ライバルたちとの戦いはここからがスタート。成長著しい守護神はプリンスリーグでアピールし続け、トップチーム昇格をつかみ取る。

(取材・文 森田将義)

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ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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