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高強度の守備と縦に速い攻撃…終盤に課題も、新スタイル表現のRB大宮U18が帝京を振り切る

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後半8分、RB大宮アルディージャU18MF田中奏良(8番)が右足FKを決めて2-0

[5.10 プリンスリーグ関東1部第6節 RB大宮U18 2-1 帝京高 オレンジキューブアルディージャ練習場]

 新たなスタイルに挑戦中のRB大宮U18が、1点差勝負で勝ち切った。10日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2025 関東supprted by G-Vinculo1部第6節1日目が行われ、さいたま市西区のオレンジキューブアルディージャ練習場でRB大宮アルディージャU18(埼玉)と帝京高(東京)が激突。ホームのRB大宮U18がMF田中奏良(3年)の2得点によって2-1で勝ち、暫定2位に順位を上げた。

 1年でのプレミアリーグ復帰を狙うRB大宮U18はここまで3勝1分1敗。この日の先発はGK岡村泰志(2年)、右から遠藤柊眞(2年)、酒井舜哉主将(3年/U-18日本代表)、萩原央太朗(3年)、藤原朝日(3年)の4バック。中盤は神田泰斗(2年/U-17日本代表)とエドワード真秀(2年)がダブルボランチを組み、右SH小林柚希(2年/U-17日本代表)、左SH田中、そして前線で野口蒼流(3年)と平家璃久斗(3年)がコンビを組んだ。

RB大宮U18の先発メンバー

 一方、名門校・帝京はここまで1勝2分2敗。先発GKは荒川喜道(2年)で、右SB小林爽人(3年)、CB中川慈司(3年)、CB高橋遼(3年)、左SB永野太一(3年)、中盤の底にゲーム主将の加賀屋翼(3年)と原田誉裕(2年)、2列目に高橋佳汰(3年)、杉岡侑樹(3年)、久保恵音(3年)、そして最前線に宮本周征(3年/U-17日本高校選抜)が構えた。

帝京の先発メンバー

 丹野友輔監督が「相手にテクニックがあるっていうのは分かっていたので、そことオレらの守備の強度とどっちが高いかっていう勝負だね、っていうのは最初に言ってあるんで。そういう意味では、前半、特に15分ぐらいは、相手がちょっと自陣から逃げ出せないような状況は作り出せたかなと思います」と振り返ったように前半、RB大宮U18は前から圧力を掛けて相手のビルドアップを封鎖することに成功する。

 ボールを奪うと、素早く野口に当ててシュートへ。酒井も「今年からレッドブルさんがスポンサーに付いてもらって、アルディージャは元々繋ぎとかいなして行くっていうチーム作りだったと思うんですけど、レッドブルさんが加わったことで、ゴールを奪いに行くっていうことがより大事な目的になっているので、前から行くっていうところは、プレッシャーの掛け方とか、全然変わってきてるなっていうのはあります」と語っていたが、前から行く部分と下から組み立てることにもチャレンジしながら試合を進めていく。

RB大宮U18のMFエドワード真秀が強度の高い守備

 だが、帝京もハイラインを敷いた守備と、質の高い左足キックを見せる高橋遼と中川、GK荒川からの徹底したビルドアップで対抗。序盤は相手のプレッシャーの速さの前に横パスが増え、なかなか縦に差し込むことができない。それでも、前半半ば以降は幾度か相手の守りを攻略し、チャンスを作り出して見せる。

 中でも、狭い局面でテクニックを発揮する杉岡が崩しの中心になった。マークを外して宮本のシュートシーンを創出。28分には右足ミドルを放つと、DFをかすめたボールが右ポストを叩く。また、35分は敵陣中央でDFを剥がしてスルーパス。これで原田が抜け出したが、RB大宮U18GK岡村が1対1でビッグセーブ。先制機を活かすことができない。

MF杉岡侑樹は帝京の攻撃にアクセントを加えた

 一方のRB大宮U18は神田が敵陣での奪い返しからPAへ割って入ってラストパス。また、右SH小林が鋭い動きを見せたほか、酒井や遠藤の縦パスが前線に入った。やや攻め切れない部分があったことも確かだが、野口、平家を筆頭とした前からの守備で「相手にとって脅威を与え続けた」(丹野監督)ことが相手のミスを誘発する。前半40分、相手のビルドアップがズレて左の田中がインターセプト。間髪入れずに仕掛け、右足シュートをニアサイドのネットに決めた。

前半40分、RB大宮U18MF田中奏良(8番)が先制ゴール

 追う展開になった帝京は宮本が速攻の起点となったほか、強引にシュート。また、抜群のスピードを持つ左SH久保がドリブルからゴール前のシーンを生み出そうとする。後半4分には永野の左クロスから高橋佳がヘディングシュート。押し返して見せたが、RB大宮U18がセットプレーからのゴールで突き放す。後半8分、左中間でFKを獲得すると、田中がゴール方向へ右足で蹴り込む。これがゴール前の混戦を抜けてそのままゴールイン。2-0となった。

帝京MF久保恵音は左サイドからの鋭いドリブルで脅威に

後半8分、RB大宮U18MF田中奏良が右足FKを決めて2-0

MF田中奏良は2得点の活躍

 この後、RB大宮U18が優勢に試合を進める。守備の読みと出足の光る神田、身体能力の高いエドワードがボールを取り切って速攻に結びつける。そして、野口がドリブルでPAへ切れ込んだほか、神田の縦パスから平家がシュートへ持ち込む。13分にはCKの流れから酒井のパスがゴール前のエドワードへ通って決定的なシュート。帝京も杉岡が左サイドを抜け出してラストパスを通し、宮本、原田が狙うもRB大宮U18は藤原、酒井が連続でブロックする。

RB大宮U18のU-17日本代表MF神田泰斗は攻撃面に加え、読みと出足の速さを活かした守備でも存在感

 帝京は16分に原田と杉岡をMF西島廉人(3年)とMF渡辺莉太(2年)へスイッチ。加賀屋を左SBへ移すなど選手の配置を大きく変えて反撃する。対するRB大宮U18は22分に野口と小林をMF大関駿(3年)とMF小坂真聖(2年)へ交代。萩原の左足フィードや田中の展開、藤原のクロスを交えた攻撃から追加点を狙う。

「70分くらいまでは自分たちの守備から攻撃へっていうチームコンセプトのところからいい攻撃ができたかなと思います」(酒井)。だが、帝京は久保のドリブルシュートなどで反撃。29分には、右ショートコーナーから久保の上げたクロスを小林が頭でゴールへ流し込み、1点差とした。帝京はさらに宮本が強引なドリブルで前進したほか、加賀屋やボランチに入った西島、高橋佳、渡辺が距離感の良いパスワークでインサイドのスペースを取りに行き、攻撃を活性化。また、永野がワンツーからクロスを上げるなどゴールへ迫った。

後半29分、帝京DF小林爽人(右端)がヘディングシュートを決めて1点差

アシストのMF久保恵音とハイタッチ

 強度の落ちてきたRB大宮U18は36分に平家をFW兼頭晴宗(1年)へ交代。その中で左SB藤原が抜け出して左足シュートを放つシーンなどボール奪取からやり切るシーンを作ったが、3点目を奪うことはできなかった。帝京は45+1分に久保をMF赤坂大夢叶(3年)へ交代。PAまでボールを運んだものの、ドリブル、シュートをCB萩原にブロックされるなどRB大宮U18の堅い守りをこじ開けることはできなかった。

RB大宮U18のU-18日本代表CB酒井舜哉が抜群の高さのヘッド

 RB大宮U18の酒井は試合直後、怒りと悔しさを感じさせるような表情を見せていた。「今日勝ったのはプリンスリーグだから多分勝ちを拾えたっていうところがあったと思いますし、プレミア(リーグ)だったら多分、今日の1失点してからもっと勢い掛けられてやられていた可能性もあるので。(目指しているのは)プリンスの舞台で勝つっていうよりは、プレミアとか、もっと言えばトップとか上の舞台でやりたいなっていうのは思っているので」。勝ったから良しとするのではなく、より上のステージでの戦いを想定。そのために、70分以降の強度など課題を改善しながら自分たちのサッカーを突き詰めていく。

RB大宮U18は試合終盤に課題が出たものの、1点差で勝ち切った

 丹野監督は「(アカデミーでは)どちらかというとボールを持ってっていうことをずっとやってきているので、(これまでと異なる戦い方は)心理的なストレスも多少なりとも選手はあるかもしれないです。だけど、これができて、ボールも持てるようになったら、もっと良くなると思うんで、そこはちょっとバランスを見つけながらやっていきたいかなと思っています」と語った。

 今後、個人、チームが進化していくためにはこの日のように、厳しい試合で勝り切る経験も重要。「ギリギリのところで、やっぱり勝っていくっていうのは凄く大事」と丹野監督はいう。今季の4勝中3試合が1点差での白星。横浜FMユースや千葉U-18、栃木U-18といったJクラブユースや高体連の強豪校が所属するプリンスリーグ関東1部の戦いは決して簡単なものではない。「1つ1つチャレンジしていくっていうスタンス」(丹野監督)で、今年から取り組んでいる戦い方とこれまで築いてきたものの両方をバランス良く発揮しながら一つ一つ白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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