[MOM5140]東京VユースMF仲山獅恩(3年)_緑のキング、ランドに君臨!圧巻の2ゴールで「ジュニアの後輩」たちへ勝利の歓喜をプレゼント!
2ゴールで勝利の主役を担った
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.21 プレミアリーグEAST第10節 東京Vユース 3-1 柏U-18 ヴェルディグラウンド]
はっきり言って満足する試合なんて、1つもない。もっと良いプレーができたはず。もっとゴールを獲れたはず。いつだって今日の自分よりも、明日の自分がさらに進化していることを信じて、ただ、ひたすらに、サッカーボールと向き合い続ける。
「個人的にはハットトリックもできたので、詰めが甘いなと感じていて、試合自体に対しては悔しさを感じているんですけど、チームとしては良い内容で勝てたので、このまま継続して次の昌平戦にも勝って、良い形でクラブユースを迎えたいと思います」。
常に向上心を絶やさない東京ヴェルディユース(東京)のリアルキング。MF仲山獅恩(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)がしなやかに叩き出した2ゴールが、ランドに詰め掛けた緑の仲間たちへ、勝利の歓喜と笑顔をもたらした。
柏レイソルU-18(千葉)とホームで対峙したプレミアリーグEAST第10節。[3-4-2-1]の布陣を敷く東京Vユースの中で、10番を背負った仲山はこの日も1トップのポジションに解き放たれる。
シーズン序盤は2シャドーの一角を占めることが多かったが、ここ最近は最前線が定位置。チームを率いる小笠原資暁監督は、その起用理由をこう語っている。「たぶん将来的にはもう1個後ろか、もしかしたらもう1個後ろになってくるんじゃないかなと思うんですけど、今チームで一番ゴールの匂いがする選手で、背後のアクションも多いので、チームとしては一番前から見てほしいというところですね。後ろの選手を育てたいのもありますし、シンプルにアイツがいることで、ゴールが決まってくるというのもあります」。
興味深いのはいわゆるゼロトップ気味にはならず、仲山がきっちり前線で基点を作ることで、チームのアタックがスムーズに進んでいること。本人も「相手の重心を見て、どの選手が出てきて、どこが空いているというのは常に把握できているので、ちょっとドリブルで運んで時間を作ることによって、相手がボールに集中してくれば背後が空いてきますし、ウチはみんな上手いので、落としてあげれば決定機も来るというところまで意識してやっています」と自身の役割を明確に捉えている。
それでも際立つのは、その圧倒的なシュート意識と得点感覚。9節までの1試合平均シュート数は4.6本を数え、開幕戦の川崎フロンターレU-18戦では、1人で実に9本のシュートを記録。その数字からもゴールと勝利への強い意欲が窺える。


この日も前半の仲山は3本のシュートを放ったが、そのうちの1本はクロスバーを直撃し、得点には至らず。チームは1点をリードして最初の45分を終えたものの、後半に入ると6分に同点弾を献上し、スコアを振り出しに引き戻されてしまう。ただ、キングがこのまま沈黙しているはずもない。
20分。相手のCKをクリアしたところから、東京Vユースのカウンター発動。いったん失いかけたボールをFW千葉大輔(2年)が奪い返し、そのままディフェンスラインの背後にスルーパス。単騎で抜け出した背番号10は、一瞬で頭の引き出しの中から複数の選択肢を引っ張り出す。
「キーパーと1対1みたいな感じになって、前に出てくるのもわかっていたので、キーパーをかわすのと、ちょっとずらして打つのと、ループと3つぐらい選択肢がありました」。
選択したのは、左にずらしながら少し浮かせたシュート。飛び出したGKのすぐ横をすり抜けたボールは、そのままゴールネットへと吸い込まれていく。「常に練習から選択肢をいっぱい持ってやっているので、それが生かされたので良かったと思います」。まずは1ゴール目。2-1。再びホームチームがリードを奪う。


24分。その鋭敏な嗅覚が作動する。ミドルレンジからMF今井健人(3年)が強烈なミドルを打ち込み、GKが弾いたこぼれ球をMF広瀬怜音(2年)が拾うと、後方から10番が絶妙の位置へ飛び込んでくる。
「広瀬が頑張って粘ってくれて、あそこに走り込めば出てくると思っていたので、ラッキーゴールでした」。広瀬の折り返しをダイレクトでゴールネットへ流し込む。続けて2ゴール目。3-1。さらに点差が広がる。
得点後にはボールパーソンを務めたジュニアの小学生とハイタッチをかわし、1試合を通じて声援を送り続けてくれた、同じくジュニアの“後輩”たちのコールへ手を挙げて応える一幕も。「わざわざ時間を作って、あんなに声を出してやってもらっていましたし、メッチャ頑張ってくれたので、ありがたかったですね」。
その光景はまさに千両役者の趣。ランドにかわいい声で『仲山獅恩』の名前が響き渡り、チームも今季2度目の連勝を達成。その中でも、プレミアEASTの得点ランキングトップタイに並んだエースのドッピエッタが、キラリと輝いた。


仲山は先月末から今月中旬まで、U-18日本代表の一員としてスイスで行われた『UEFA Friendship Cup』に参加。キャプテンマークも巻いたポルトガル戦とウルグアイ戦では、ともにゴールを記録するなど、強豪国相手に確かな結果を残してみせた。
「正直、日本の方が技術レベルも高いですし、相手はスピードはありますけど、初速や俊敏性は絶対に日本の方が優れているので、そんなに差は感じなかったですね。予測を怠ったら一瞬のスピードでやられたりしますが、世界の舞台だと頭の部分での予測や判断の部分がしっかりできていれば、問題なく戦えるかなと現状では感じています。特にポルトガル戦は個人的にも今シーズンベストゲームぐらいで、その影響からか帰ってきたプレミアリーグでは身体も調子が良くて、今は一番良いぐらいの時期かなと思います」。
以前から地道に取り組んでいる体幹トレーニングの影響もあって、身体的にも互角以上に戦える手応えを掴んだ様子。もともと携えている強気でブレないメンタルも、海外の相手と対峙する際には大きなアドバンテージになりそうだ。
今月末に昌平高とリーグ前半戦のラストゲームを戦うと、7月下旬からはクラブユース選手権がスタートする。昨年の大会は負傷欠場したこともあり、仲山もヴェルディアカデミーの選手として挑む最後の全国大会に、強い決意を抱いている。
「まずは次のプレミアが一番大事だと思いますけど、クラブユースでヴェルディは全然優勝できていないので、日本一というところはしっかり頭に入れながらも、練習でのゲームが一番良いゲームにならないといけないなと。今は良い練習ができていますし、このまま続けていけば絶対優勝できると思うので、そこに向かってみんなで頑張っていきたいと思います」。
ランドから世界へ羽ばたくための準備は、着実に整いつつある。圧倒的な才能を身体に詰め込んだ、東京Vユースのナンバー10。仲山獅恩が力強く見据える自身の未来には、無限の可能性がどこまでも広がっている。


(取材・文 土屋雅史)
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[6.21 プレミアリーグEAST第10節 東京Vユース 3-1 柏U-18 ヴェルディグラウンド]
はっきり言って満足する試合なんて、1つもない。もっと良いプレーができたはず。もっとゴールを獲れたはず。いつだって今日の自分よりも、明日の自分がさらに進化していることを信じて、ただ、ひたすらに、サッカーボールと向き合い続ける。
「個人的にはハットトリックもできたので、詰めが甘いなと感じていて、試合自体に対しては悔しさを感じているんですけど、チームとしては良い内容で勝てたので、このまま継続して次の昌平戦にも勝って、良い形でクラブユースを迎えたいと思います」。
常に向上心を絶やさない東京ヴェルディユース(東京)のリアルキング。MF仲山獅恩(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)がしなやかに叩き出した2ゴールが、ランドに詰め掛けた緑の仲間たちへ、勝利の歓喜と笑顔をもたらした。
柏レイソルU-18(千葉)とホームで対峙したプレミアリーグEAST第10節。[3-4-2-1]の布陣を敷く東京Vユースの中で、10番を背負った仲山はこの日も1トップのポジションに解き放たれる。
シーズン序盤は2シャドーの一角を占めることが多かったが、ここ最近は最前線が定位置。チームを率いる小笠原資暁監督は、その起用理由をこう語っている。「たぶん将来的にはもう1個後ろか、もしかしたらもう1個後ろになってくるんじゃないかなと思うんですけど、今チームで一番ゴールの匂いがする選手で、背後のアクションも多いので、チームとしては一番前から見てほしいというところですね。後ろの選手を育てたいのもありますし、シンプルにアイツがいることで、ゴールが決まってくるというのもあります」。
興味深いのはいわゆるゼロトップ気味にはならず、仲山がきっちり前線で基点を作ることで、チームのアタックがスムーズに進んでいること。本人も「相手の重心を見て、どの選手が出てきて、どこが空いているというのは常に把握できているので、ちょっとドリブルで運んで時間を作ることによって、相手がボールに集中してくれば背後が空いてきますし、ウチはみんな上手いので、落としてあげれば決定機も来るというところまで意識してやっています」と自身の役割を明確に捉えている。
それでも際立つのは、その圧倒的なシュート意識と得点感覚。9節までの1試合平均シュート数は4.6本を数え、開幕戦の川崎フロンターレU-18戦では、1人で実に9本のシュートを記録。その数字からもゴールと勝利への強い意欲が窺える。


この日も前半の仲山は3本のシュートを放ったが、そのうちの1本はクロスバーを直撃し、得点には至らず。チームは1点をリードして最初の45分を終えたものの、後半に入ると6分に同点弾を献上し、スコアを振り出しに引き戻されてしまう。ただ、キングがこのまま沈黙しているはずもない。
20分。相手のCKをクリアしたところから、東京Vユースのカウンター発動。いったん失いかけたボールをFW千葉大輔(2年)が奪い返し、そのままディフェンスラインの背後にスルーパス。単騎で抜け出した背番号10は、一瞬で頭の引き出しの中から複数の選択肢を引っ張り出す。
「キーパーと1対1みたいな感じになって、前に出てくるのもわかっていたので、キーパーをかわすのと、ちょっとずらして打つのと、ループと3つぐらい選択肢がありました」。
選択したのは、左にずらしながら少し浮かせたシュート。飛び出したGKのすぐ横をすり抜けたボールは、そのままゴールネットへと吸い込まれていく。「常に練習から選択肢をいっぱい持ってやっているので、それが生かされたので良かったと思います」。まずは1ゴール目。2-1。再びホームチームがリードを奪う。


24分。その鋭敏な嗅覚が作動する。ミドルレンジからMF今井健人(3年)が強烈なミドルを打ち込み、GKが弾いたこぼれ球をMF広瀬怜音(2年)が拾うと、後方から10番が絶妙の位置へ飛び込んでくる。
「広瀬が頑張って粘ってくれて、あそこに走り込めば出てくると思っていたので、ラッキーゴールでした」。広瀬の折り返しをダイレクトでゴールネットへ流し込む。続けて2ゴール目。3-1。さらに点差が広がる。
得点後にはボールパーソンを務めたジュニアの小学生とハイタッチをかわし、1試合を通じて声援を送り続けてくれた、同じくジュニアの“後輩”たちのコールへ手を挙げて応える一幕も。「わざわざ時間を作って、あんなに声を出してやってもらっていましたし、メッチャ頑張ってくれたので、ありがたかったですね」。
その光景はまさに千両役者の趣。ランドにかわいい声で『仲山獅恩』の名前が響き渡り、チームも今季2度目の連勝を達成。その中でも、プレミアEASTの得点ランキングトップタイに並んだエースのドッピエッタが、キラリと輝いた。


仲山は先月末から今月中旬まで、U-18日本代表の一員としてスイスで行われた『UEFA Friendship Cup』に参加。キャプテンマークも巻いたポルトガル戦とウルグアイ戦では、ともにゴールを記録するなど、強豪国相手に確かな結果を残してみせた。
「正直、日本の方が技術レベルも高いですし、相手はスピードはありますけど、初速や俊敏性は絶対に日本の方が優れているので、そんなに差は感じなかったですね。予測を怠ったら一瞬のスピードでやられたりしますが、世界の舞台だと頭の部分での予測や判断の部分がしっかりできていれば、問題なく戦えるかなと現状では感じています。特にポルトガル戦は個人的にも今シーズンベストゲームぐらいで、その影響からか帰ってきたプレミアリーグでは身体も調子が良くて、今は一番良いぐらいの時期かなと思います」。
以前から地道に取り組んでいる体幹トレーニングの影響もあって、身体的にも互角以上に戦える手応えを掴んだ様子。もともと携えている強気でブレないメンタルも、海外の相手と対峙する際には大きなアドバンテージになりそうだ。
今月末に昌平高とリーグ前半戦のラストゲームを戦うと、7月下旬からはクラブユース選手権がスタートする。昨年の大会は負傷欠場したこともあり、仲山もヴェルディアカデミーの選手として挑む最後の全国大会に、強い決意を抱いている。
「まずは次のプレミアが一番大事だと思いますけど、クラブユースでヴェルディは全然優勝できていないので、日本一というところはしっかり頭に入れながらも、練習でのゲームが一番良いゲームにならないといけないなと。今は良い練習ができていますし、このまま続けていけば絶対優勝できると思うので、そこに向かってみんなで頑張っていきたいと思います」。
ランドから世界へ羽ばたくための準備は、着実に整いつつある。圧倒的な才能を身体に詰め込んだ、東京Vユースのナンバー10。仲山獅恩が力強く見据える自身の未来には、無限の可能性がどこまでも広がっている。


(取材・文 土屋雅史)
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