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[神栖ワールドユースフットボール]矢板中央は冬へ向けて鍛錬の夏。2年生CB石井琉偉は先輩のように“一声で雰囲気を変えられる”リーダーに

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矢板中央高CB石井琉偉(2年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)は鋭い出足の守備を見せるなど無失点勝利に貢献

[7.20 神栖ワールドユースフットボール予選リーグ 慶應義塾高 0-1 矢板中央高 神栖市矢田部サッカー場]

 日本サッカー界の将来を担うユース年代選手のサッカー競技力向上と健全な心身の育成、そして、世界の強豪選手たちと切磋琢磨して「世界」が現実的な目標になることを期待し、「第2回神栖ワールドユースフットボール」が19日から茨城県神栖市内で開催されている。20日の予選リーグEグループ最終節で慶應義塾高(神奈川)と矢板中央高(栃木)が対戦。矢板中央が1-0で勝ち、今大会初白星を挙げた。

 矢板中央はインターハイ栃木県予選準決勝(対真岡高)でPK戦の末に敗れ、連覇が6でストップ。プリンスリーグ関東1部でも3勝6敗で降格圏の9位と苦しんでいる。過去10年の選手権で3位に3度入り、プリンスリーグ関東優勝も経験している強豪校は後期のリーグ戦、選手権で必ず巻き返さなければならない。
 
 高橋健二監督は「(結果が出ていないが、)とにかく、諦めないでと。前向きな言葉がけをしています。先輩たちもインターハイ落として選手権で3位になった年もあるんで。まだまだそこの選手たちに追いつけることはできていないけど、そういう先輩たちもいるっていう、過去の矢板中央の歴史を話してあげていますね」と説明する。

 今回の神栖ワールドユースフットボールも江蘇省サッカー管理センターU-18(中国)戦を激闘の末に0-2で落とすなどここまで2連敗。だが、変わろうとする選手たちが慶應義塾戦で伝統の堅守を発揮し、1-0で白星を収めた。

 矢板中央は試合序盤に前から圧力をかけ、MF金井大翔(3年)がインターセプト。そのまま先制点を奪った。慶應義塾は最終ラインからボールを運ぶCB白倉凛生(2年)やMF伊達煌将(2年)、MF柴田悠貴(3年)らが正確に繋ぎながら反撃。矢板中央はポゼッションされる時間が増えていたが、1年時から大舞台を経験している右SB永井健慎(3年)が強度の高い守備でボールを奪い取り、左SB為我井遼太郎(3年)やCB武井泰慎(2年)のカバーリングで要所を封じていく。

MF金井大翔は決勝点をマークした

右SB永井健慎は力強い守備

 中でも光ったのが、CB石井琉偉(2年)だ。「相手が繋いでくるチームで、自分、身体が細いんで、フィジカル的な強さがない分、予測とかそういうところは意識しないといけないと思っていて、この試合は特にその意識が出たかなと思います」というCBは鋭い出足でインターセプトする回数を増やした。そこからMF岡琉生(3年)のドリブルやMF金子海聖(2年)の縦パス、MF田中渉翔(3年)のロングスローなどを交えた攻撃。FW石澤侑真(3年)や交代出場FW竹内麻廷有主(2年)、攻撃的SB永井がゴールを目指した。

MF岡琉生は攻撃を牽引した

 この日はともに中心選手でU-17日本高校選抜候補のMF平野巧(3年)のGK金沢楓(3年)が不在。その中で、MF福田玲大(3年)やGK木村嘉伸(2年)という台頭してきている力も奮闘した。最後は我慢強くゴールを守り抜いて1-0で試合終了。だが、全体的に声の量が少なく、指揮官は「プレーだけじゃなくて、やっぱりメンタルとか、チームを支えるような声掛けができる選手、リーダーシップを持ってできる選手を育成したいっていうか、そういう選手が出てきて欲しい」と求めていた。

Bチームから台頭してきたMF福田玲大も中盤で奮闘

 昨年度、矢板中央にはCB佐藤快風(現・国士舘大)という強烈なリーダーがいた。公立中出身で技術力など課題もあったが、非常に責任感が強く、声と背中でチームを引っ張り、夏冬全国16強。選手権では優秀選手にも選出されている。高橋監督は「やっぱり彼のメンタリティとか、チームを支えるコーチングはほんとに必要だからピッチに立たせた、使い続けたっていう話は(選手たちに)しました。(今年も)そういう選手が出てきたら、私はチームが変わると思う」と説明。2年生ながらリーダーシップを発揮している石井は、その佐藤から影響を受けているという。

「(佐藤)快風君は自分が1年生でAに入った時もよくアドバイスをしてくれていました。全然、快風君の方が声も出るし、球際バチンと行けるし、やっぱり声も自分の特長であるけど、振り返ったら、快風君の方が全然声は出ていた。やっぱり快風君のいいところはその一声で雰囲気を変えられるところ。それがまだ自分にはないっていうか、同じ口調ばっかで喋っていて、なかなか強い口調で言えていない」。敗れたインターハイ予選準決勝ではチームが立ち上がりに緩く入ってしまい、失点。石井も雰囲気を変えるような言葉がけができていなかったという。だからこそ、石井はより強く言える選手へ変わる意気込みだ。

 現3年生は、後輩の声もしっかりと聞き入れてくれる世代。だからこそ、「強く言えるようになって、1段階レベルアップしないといけない」。そして、この神栖ワールドユースフットボールや他の夏合宿でチームとともに成長。必ず選手権切符を獲得し、全国制覇を目指す。

 石井は「チームとしても、個人としても1段階じゃダメなので、2段階、3段階とどんどん、どんどんレベルアップして、選手権では自分たちがチャレンジャーという気持ちで一戦一戦やっていかなければ勝てないと思うんで、この夏、絶対きついこともあると思うんですけど、みんなチーム一体で乗り越えて選手権に向かっていければいいかなと思っています」。石井ら各選手は他人に任せるのではなく、自分がチームを変えるくらいの強い思いを持って日々を過ごす。

粘り強く守り、1-0で勝利。今後に繋げる

(取材・文 吉田太郎)
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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