前線でおさめる力を習得し、逞しいストライカーへ変貌。FW葛西夢吹(湘南U-18)がU-17ワールドカップメンバー入りへアピール
11月に行なわれるU-17ワールドカップまであとわずか。アピールの機会は限られている。6日に石川県で開幕した「第13回MCCスポーツ和倉ユースサッカー大会」でのアピールに励んでいる一人が、湘南ベルマーレU-18のFW葛西夢吹(3年)だ。
葛西はU-17アジアカップ(4月)に挑むU-17日本代表のメンバーに選ばれたが、怪我で辞退を余儀なくされた。6月に行なわれたスペイン遠征には追加招集されたとはいえ、絶対的な立ち位置とは言えず、自チームでのアピールは欠かせない。だが、日本クラブユース選手権大会(U-18)は予選で浦和レッズユースに敗れ、全国の舞台には立てなかった。普段戦うリーグ戦も神奈川県1部リーグで、プレミアリーグを戦うほかの選手と比べると見てもらえる機会は少ない。
「クラブユースの全国大会に出場できなかった中、こうした全国の強豪が集まる大きい大会に参加できたので得点王になりたい。それが代表復帰への一番良いアピールだと思う。ワールドカップに行けるように頑張りたい」。
そう意気込む葛西は予選リーグ初戦の関東一高戦で、後半頭からピッチに立つと、わずか4分後には右サイドから上がったクロスのこぼれ球にゴール前で反応。冷静に右足を振り抜き、チーム3点目をマークした。「出場時間が短い中でも1点はマスト。もっと取っていかないと得点王という目標には届かない」と悔やんだように以降もチャンスがありながらも、1点に終わったが、前線で見せるガムシャラな動きによって湘南U-18の攻撃を牽引していたのは確かだった。
中でも目を惹いたのは泥臭く身体を張って、ボールをおさめるプレーだ。中学まで所属していたリベロ津軽SC U-15では「10番プレーヤーで、足元で受けて何枚か打開するタイプだった」(葛西)が、高校に入ってからは周りのレベルが上がったこともあり、徐々に特徴とは呼べなくなっていった。
それでも、中学時代から継続的に呼ばれてきた世代別代表には名を連ねていたが、前線でボールをおさめることができなかったため、スタメン争いに勝てず。エリートと言えるサッカー人生を歩んできた彼にとって初めての挫折で、「試合に出られないのはサッカー人生で初めて。高校2年生の時はほとんど試合に出ることができず苦しかった」。
ただ、沈んだままでは終わらない。「どうやってFWとして生き残っていくか考えた時におさめるところにチャレンジしようと思った」と話すのは葛西は、練習の1時間前にトレーニング室に出向き肉体強化に励むだけでなく、オフの日も必ず筋トレを行なった。加えて、食事量も増やし、朝昼晩の3食にプラスし、午前中と練習前、寝る前には間食を口にすることで、入学時と比べると10kg近く体重を増やした。
それでも178㎝、74kgの体重は決して重量級とは言えないため、U-17日本代表のチームメイトであり、仲の良い横浜F・マリノスユースのFW浅田大翔(3年)からアドバイスをもらいながら、自分なりの身体を当てるタイミングをつかみ、泥臭く前線でボールをおさめる今のプレースタイルを習得した。
逞しいストライカーへと変貌を遂げた今年は確かな手応えを献じていたため、怪我によるU-17アジアカップ辞退はショックが大きかった。「応援はしていたけど、悔しさもあった。代表では途中から入るスーパーサブ的な立ち位置なので、もし自分がいれば負けている状況で自分が決めて、流れを持ってくることができたのかなって」。
返り咲きを果たすためには、ゴールという結果を残し、自らの存在価値を示すしかない。葛西は石川の地でゴールラッシュを繰り広げ、世界行きの切符をつかみ取る。
(取材・文 森田将義)
●U-17ワールドカップ2025特集
葛西はU-17アジアカップ(4月)に挑むU-17日本代表のメンバーに選ばれたが、怪我で辞退を余儀なくされた。6月に行なわれたスペイン遠征には追加招集されたとはいえ、絶対的な立ち位置とは言えず、自チームでのアピールは欠かせない。だが、日本クラブユース選手権大会(U-18)は予選で浦和レッズユースに敗れ、全国の舞台には立てなかった。普段戦うリーグ戦も神奈川県1部リーグで、プレミアリーグを戦うほかの選手と比べると見てもらえる機会は少ない。
「クラブユースの全国大会に出場できなかった中、こうした全国の強豪が集まる大きい大会に参加できたので得点王になりたい。それが代表復帰への一番良いアピールだと思う。ワールドカップに行けるように頑張りたい」。
そう意気込む葛西は予選リーグ初戦の関東一高戦で、後半頭からピッチに立つと、わずか4分後には右サイドから上がったクロスのこぼれ球にゴール前で反応。冷静に右足を振り抜き、チーム3点目をマークした。「出場時間が短い中でも1点はマスト。もっと取っていかないと得点王という目標には届かない」と悔やんだように以降もチャンスがありながらも、1点に終わったが、前線で見せるガムシャラな動きによって湘南U-18の攻撃を牽引していたのは確かだった。
中でも目を惹いたのは泥臭く身体を張って、ボールをおさめるプレーだ。中学まで所属していたリベロ津軽SC U-15では「10番プレーヤーで、足元で受けて何枚か打開するタイプだった」(葛西)が、高校に入ってからは周りのレベルが上がったこともあり、徐々に特徴とは呼べなくなっていった。
それでも、中学時代から継続的に呼ばれてきた世代別代表には名を連ねていたが、前線でボールをおさめることができなかったため、スタメン争いに勝てず。エリートと言えるサッカー人生を歩んできた彼にとって初めての挫折で、「試合に出られないのはサッカー人生で初めて。高校2年生の時はほとんど試合に出ることができず苦しかった」。
ただ、沈んだままでは終わらない。「どうやってFWとして生き残っていくか考えた時におさめるところにチャレンジしようと思った」と話すのは葛西は、練習の1時間前にトレーニング室に出向き肉体強化に励むだけでなく、オフの日も必ず筋トレを行なった。加えて、食事量も増やし、朝昼晩の3食にプラスし、午前中と練習前、寝る前には間食を口にすることで、入学時と比べると10kg近く体重を増やした。
それでも178㎝、74kgの体重は決して重量級とは言えないため、U-17日本代表のチームメイトであり、仲の良い横浜F・マリノスユースのFW浅田大翔(3年)からアドバイスをもらいながら、自分なりの身体を当てるタイミングをつかみ、泥臭く前線でボールをおさめる今のプレースタイルを習得した。
逞しいストライカーへと変貌を遂げた今年は確かな手応えを献じていたため、怪我によるU-17アジアカップ辞退はショックが大きかった。「応援はしていたけど、悔しさもあった。代表では途中から入るスーパーサブ的な立ち位置なので、もし自分がいれば負けている状況で自分が決めて、流れを持ってくることができたのかなって」。
返り咲きを果たすためには、ゴールという結果を残し、自らの存在価値を示すしかない。葛西は石川の地でゴールラッシュを繰り広げ、世界行きの切符をつかみ取る。
(取材・文 森田将義)
●U-17ワールドカップ2025特集


