巻き返しへ大きな1勝。堅守や“得点への執着”で変化を示した福岡U-18が静岡学園に競り勝つ
[8.30 プレミアリーグWEST第8節 静岡学園高 1-2 福岡U-18 清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)西グラウンド]
後半戦の巻き返しへ、攻守で変化を示した福岡U-18が大きな1勝――。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 WESTは30日、延期されていた第8節の静岡学園高(静岡)対アビスパ福岡U-18(福岡)戦を静岡市の清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)西グラウンドで行い、福岡U-18が2-1で勝利した。
同カードは当初、5月18日に静岡県御殿場市の時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)で開催予定だったが、濃霧のために中止、延期に。暫定10位の静岡学園と勝ち点4差の12位・福岡U-18にとって、プレミアリーグ残留へ向けて重要な一戦は、福岡U-18が制した。
静岡学園は中止となった5月の一戦の先発メンバーから6人を変更。GKが有竹拓海(3年/U-17日本高校選抜)でDFは右SB松井翼(3年)、CB吉田俐軌(3年)、CB筒井龍之介(3年)、左SB小田切颯佑(2年)の4バック。中盤は山縣優翔(3年)が1ボランチに入り、四海星南(3年)と篠塚怜音主将(3年/U-17日本高校選抜)の2シャドー。そして、右SH上田悠世(3年)、左SH落合咲蔵(3年)、1トップが坂本健悟(2年)の11人で臨んだ。


一方の福岡U-18も中止された一戦から先発2人を変更。GKは田中利玖(2年)でDFは右SB岩本塁(2年)、CB樺島勇波主将(3年)、CB藤川虎三(2年/U-17日本代表)、左SB小浦拓実(3年)の4バック。中盤中央は中村環太(3年)、松浦拓夢(2年)、廣田陸人(3年)で構成し、前線は右から前田陽輝(2年)、松尾遼磨(3年)、井上雄太(3年)の3人が3トップを組んだ。


立ち上がり、静岡学園はプレミアリーグ初出場の落合が左サイドからカットイン。そのまま持ち込んで右足を振り抜くと、ボールはファーサイドのクロスバーを叩く。アグレッシブに仕掛ける静岡学園は松井や落合がサイド攻略にチャレンジ。12分には左中間の山縣から縦パスが入り、四海がドリブルシュートを狙う。そして、GKが弾いたボールを篠塚が押し込もうとした。


対する福岡U-18は9分に藤川の展開から右の前田と岩本でクロスへ持ち込むと、その後もサイドを活用した攻撃。中村が右足シュートを打ち込んだほか、前田のドリブル、クロスでゴール前のシーンを創出する。
また、各選手の守備意識が高く、素早いアプローチを徹底。前から相手との距離を詰め、静岡学園に得意のドリブルを出させない。ルーズボールへの反応の速さ、競り合いでの強さも発揮。攻め切られる前にボールを奪うと、サイド、縦への速い攻撃や、中村や松浦中心にボールをグラウンダーで動かすことにもチャレンジした。


これに対し、静岡学園は左右へボールを動かしながら前進を試みると25分、右へ抜けた山縣が絶妙なアーリークロス。これがゴール前の坂本へ通ったが、福岡U-18DF樺島が身体を投げ出してブロックする。静岡学園は27分にも山縣の縦パスから四海がドリブルシュートへ持ち込んだものの、チャンスを活かせなかった。


すると29分、福岡U-18が決定機をモノにする。廣田が相手DFと入れ替わる形で抜け出し、左クロスに松尾が競り勝つ。最後は左中間でDFの前に出た廣田が右足でゴールへ押し込み、先制した。




静岡学園は前半、ボールを奪い返す位置が低くなってしまい、高い位置からの仕掛けを増やすことができなかった。組み立てに行く中で松尾にボールを奪われるシーンもあり、キープ力のある井上らに押し返されてしまう。また、福岡U-18は中盤の底に位置する中村や、空中戦でも強さを見せていた左SB小浦、右SB岩本が相手ワイドへのパスを阻止。樺島、藤川の両CBも堅く、力強い。スペースへの動きを見せる四海にクロスへ持ち込まれるシーンもあったが、GK田中や樺島、藤川を中心にゴール前で封じ切り、1-0のまま前半を終えた。


静岡学園は前半終了間際に負傷した山縣に代え、後半開始からMF藤原晃太郎(3年)を右サイドに投入。上田と坂本の2トップへ移行する。1分、福岡U-18は廣田の落としを井上が右足コントロールショット。また、廣田が右から仕掛けて左足を振り抜くシーンもあったが、リードした状況で受けに回ってしまうような時間帯が続いてしまう。


6分、静岡学園はCKの流れから四海がグラウンダーの右足シュート。ゴール前の混戦を抜けるも福岡U-18DFがかき出す。静岡学園は後半、敵陣でプレーする時間帯が大きく増加。正確な攻撃で相手のポケットに侵入する回数を増やし、クロスを連発した。そして、落合がドリブルシュートを放ち、篠塚も小田切とのワンツーからフィニッシュ。また、GK有竹が好フィードを見せたほか、上田が強引にシュートへ持ち込むなどゴールに迫り続ける。
福岡U-18は16分に藤川が負傷交代。CB益田凱斗(2年)を緊急投入する。それでも、相手のクロスをゴール前に入れさせずに守り続けていたが、24分に追いつかれてしまう。静岡学園はCKの流れから左の四海がスルーパス。小田切がグラウンダーの左足クロスを入れると、ファーの落合が左足ダイレクトで叩き込み、同点に追いついた。




福岡U-18は直後に松尾と右SH和田駿佑(2年)を入れ替え、前田を中央へ移したが、静岡学園は28分にも左サイドを崩して上田が右足シュート。左の落合が躍動するなど勢いづいていた。35分、静岡学園は小田切と左SB加藤薫(3年)を交代。福岡U-18も小浦と廣田をDF永田湧大(1年)とFW北薗大海(2年)へスイッチした。18時30分開始のゲームで強い日差しこそなかったものの、止まっていても汗が吹き出すような湿度の高さと暑さ。互いに足を攣らせる選手が出始め、タフな終盤戦となった。
静岡学園は36分、左サイドを崩し、加藤のクロスから坂本が決定的なヘッド。だが、福岡U-18はGK田中がビッグセーブでゴールを死守する。その直後、福岡U-18が勝ち越す。松浦の縦パスに前田が反応。処理を誤った相手DF、GKを置き去りにし、左足シュートをゴールに流し込んだ。6月の天皇杯でトップチームの公式戦最年少ゴールを記録している前田が大仕事。福岡U-18は背番号14を中心に喜びを爆発させた。




失点しても、“得点に執着する”姿勢を持ち続けた福岡U-18が貴重なゴール。この試合、1-0の時間帯に攻撃が単調になってしまい、ロングボールを相手の吉田、筒井に跳ね返されてしまっていた。だが、失点後に「リスクを負って取るっていう姿勢がないと、取れない」(久永辰徳監督)ことを再確認。リスクを負って前へ出ることや、繋ぐべきところは繋ぐことも目指して1点をもぎ取った。


福岡U-18は今季前半戦、一時3バックへ移行して守備を安定させた時期もあるが、4バックへ戻し、チャンスの数を増やすこと、“得点に執着する”ことに挑戦。久永監督は「プレミアの前期、得点力が僕らなかったんで、そこの反省から攻撃の部分を見直して、失点をしたとしても、得点に執着することでモチベーションを下げない。そういう風に全体的に働きかけて、選手たちもそれに対してこの中断期間はできていたんで、そういう意味では1-1になってから、(攻撃についてのアプローチをしたことで)パッと目覚めて、もう一回やるべきことをしっかりとやり出したところが出たのかな、って気はしました」と評価する。
静岡学園は後半、シュート数10-3、CKの本数も11-0と相手を大きく上回った。1-2とされた後も篠塚らが決定機を迎える。川口修監督も「夏前に比べたら内容、それからチャンスの作り方が凄く良くなっている。そこはもうプラスに考えている」と評するゲームだったが、決定機を活かせなかった。
40+5分、加藤の直接FKが枠を捉えたが、福岡U-18は再三のファインセーブを見せていたGK田中が反応。また、この日の福岡U-18は樺島をはじめゴールカバー、セットプレーでの競り合いなど、各選手がゴールを守ることへの執着心も見せ続け、静岡学園の前に立ちはだかった。


福岡U-18は今年、6年ぶりにプレミアリーグ昇格。前半戦は守れているようなシーンでもゴールを破られ、プレミアリーグ基準を痛感させられていたという。だが、徐々に慣れてきたチームはこの日、クロスを上げさせないことや、シュートに対しても最後の一歩まで寄せ切ることを全う。守備の成長も示して見せた。
7分間のアディショナルタイム、静岡学園は44分に投入したMF杉田和心(3年)とFW宮本侑宕(3年)を含めて同点を目指してきたが、福岡U-18は5-4-1システムへ変更しながらも、井上らが相手の背後を強襲。攻める姿勢も失わずに戦い続ける。そして、2-1で90分間を終えると、樺島らはサポーターの下へ駆け寄り、一緒になって8試合ぶりの白星を喜んでいた。
福岡U-18は"後半戦初戦”で「自信になれば良い」(久永監督)という1勝。プレミアリーグ残留圏内・10位の静岡学園との勝ち点差を1とした。樺島は攻撃が単調になってしまった時間帯があったことを反省したが、前向きなコメント。「(7月のクラブユース選手権後の)中断期間で、自分たちのやるべきことはこれだと思ったんで、そこを突き詰めてやってきたことが出せたかなって思います。久さん(久永監督)から(8月以降の12試合で)『勝ち点19(以上)取ろう』っていう話をされて、今日、勝ち点3取って、あと16ポイント。ほんと1試合も落とせる試合はないと思うんで、今日以上に集中力を持ってやれたらいいんじゃないかなと思います」と力を込めた。この日出た課題もまた改善。勝ち点を重ね、残留争いから抜け出してより上を目指す。


(取材・文 吉田太郎)
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後半戦の巻き返しへ、攻守で変化を示した福岡U-18が大きな1勝――。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025 WESTは30日、延期されていた第8節の静岡学園高(静岡)対アビスパ福岡U-18(福岡)戦を静岡市の清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)西グラウンドで行い、福岡U-18が2-1で勝利した。
同カードは当初、5月18日に静岡県御殿場市の時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド(人工芝)で開催予定だったが、濃霧のために中止、延期に。暫定10位の静岡学園と勝ち点4差の12位・福岡U-18にとって、プレミアリーグ残留へ向けて重要な一戦は、福岡U-18が制した。
静岡学園は中止となった5月の一戦の先発メンバーから6人を変更。GKが有竹拓海(3年/U-17日本高校選抜)でDFは右SB松井翼(3年)、CB吉田俐軌(3年)、CB筒井龍之介(3年)、左SB小田切颯佑(2年)の4バック。中盤は山縣優翔(3年)が1ボランチに入り、四海星南(3年)と篠塚怜音主将(3年/U-17日本高校選抜)の2シャドー。そして、右SH上田悠世(3年)、左SH落合咲蔵(3年)、1トップが坂本健悟(2年)の11人で臨んだ。


静岡学園は落合、小田切とプレミアリーグ初出場2選手を含めた先発11人に
一方の福岡U-18も中止された一戦から先発2人を変更。GKは田中利玖(2年)でDFは右SB岩本塁(2年)、CB樺島勇波主将(3年)、CB藤川虎三(2年/U-17日本代表)、左SB小浦拓実(3年)の4バック。中盤中央は中村環太(3年)、松浦拓夢(2年)、廣田陸人(3年)で構成し、前線は右から前田陽輝(2年)、松尾遼磨(3年)、井上雄太(3年)の3人が3トップを組んだ。


福岡U-18はアウェーで8試合ぶりの白星を目指した
立ち上がり、静岡学園はプレミアリーグ初出場の落合が左サイドからカットイン。そのまま持ち込んで右足を振り抜くと、ボールはファーサイドのクロスバーを叩く。アグレッシブに仕掛ける静岡学園は松井や落合がサイド攻略にチャレンジ。12分には左中間の山縣から縦パスが入り、四海がドリブルシュートを狙う。そして、GKが弾いたボールを篠塚が押し込もうとした。


静岡学園MF四海星南は鋭いドリブル、裏抜けでチャンスに絡んだ
対する福岡U-18は9分に藤川の展開から右の前田と岩本でクロスへ持ち込むと、その後もサイドを活用した攻撃。中村が右足シュートを打ち込んだほか、前田のドリブル、クロスでゴール前のシーンを創出する。
また、各選手の守備意識が高く、素早いアプローチを徹底。前から相手との距離を詰め、静岡学園に得意のドリブルを出させない。ルーズボールへの反応の速さ、競り合いでの強さも発揮。攻め切られる前にボールを奪うと、サイド、縦への速い攻撃や、中村や松浦中心にボールをグラウンダーで動かすことにもチャレンジした。


前半、福岡U-18は競り合いの強さ、ルーズボールへの反応の速さが光った
これに対し、静岡学園は左右へボールを動かしながら前進を試みると25分、右へ抜けた山縣が絶妙なアーリークロス。これがゴール前の坂本へ通ったが、福岡U-18DF樺島が身体を投げ出してブロックする。静岡学園は27分にも山縣の縦パスから四海がドリブルシュートへ持ち込んだものの、チャンスを活かせなかった。


すると29分、福岡U-18が決定機をモノにする。廣田が相手DFと入れ替わる形で抜け出し、左クロスに松尾が競り勝つ。最後は左中間でDFの前に出た廣田が右足でゴールへ押し込み、先制した。


前半29分、福岡U-18MF廣田陸人が右足で先制ゴール


少ない決定機をモノにし、1-0
静岡学園は前半、ボールを奪い返す位置が低くなってしまい、高い位置からの仕掛けを増やすことができなかった。組み立てに行く中で松尾にボールを奪われるシーンもあり、キープ力のある井上らに押し返されてしまう。また、福岡U-18は中盤の底に位置する中村や、空中戦でも強さを見せていた左SB小浦、右SB岩本が相手ワイドへのパスを阻止。樺島、藤川の両CBも堅く、力強い。スペースへの動きを見せる四海にクロスへ持ち込まれるシーンもあったが、GK田中や樺島、藤川を中心にゴール前で封じ切り、1-0のまま前半を終えた。


福岡U-18は左SB小浦拓実らが的確なカバーリング
静岡学園は前半終了間際に負傷した山縣に代え、後半開始からMF藤原晃太郎(3年)を右サイドに投入。上田と坂本の2トップへ移行する。1分、福岡U-18は廣田の落としを井上が右足コントロールショット。また、廣田が右から仕掛けて左足を振り抜くシーンもあったが、リードした状況で受けに回ってしまうような時間帯が続いてしまう。


追加点を狙う福岡U-18FW井上雄太が右足シュート
6分、静岡学園はCKの流れから四海がグラウンダーの右足シュート。ゴール前の混戦を抜けるも福岡U-18DFがかき出す。静岡学園は後半、敵陣でプレーする時間帯が大きく増加。正確な攻撃で相手のポケットに侵入する回数を増やし、クロスを連発した。そして、落合がドリブルシュートを放ち、篠塚も小田切とのワンツーからフィニッシュ。また、GK有竹が好フィードを見せたほか、上田が強引にシュートへ持ち込むなどゴールに迫り続ける。
福岡U-18は16分に藤川が負傷交代。CB益田凱斗(2年)を緊急投入する。それでも、相手のクロスをゴール前に入れさせずに守り続けていたが、24分に追いつかれてしまう。静岡学園はCKの流れから左の四海がスルーパス。小田切がグラウンダーの左足クロスを入れると、ファーの落合が左足ダイレクトで叩き込み、同点に追いついた。


後半24分、静岡学園MF落合咲蔵が左足で同点ゴール


プレミアリーグ初出場で初ゴール
福岡U-18は直後に松尾と右SH和田駿佑(2年)を入れ替え、前田を中央へ移したが、静岡学園は28分にも左サイドを崩して上田が右足シュート。左の落合が躍動するなど勢いづいていた。35分、静岡学園は小田切と左SB加藤薫(3年)を交代。福岡U-18も小浦と廣田をDF永田湧大(1年)とFW北薗大海(2年)へスイッチした。18時30分開始のゲームで強い日差しこそなかったものの、止まっていても汗が吹き出すような湿度の高さと暑さ。互いに足を攣らせる選手が出始め、タフな終盤戦となった。
静岡学園は36分、左サイドを崩し、加藤のクロスから坂本が決定的なヘッド。だが、福岡U-18はGK田中がビッグセーブでゴールを死守する。その直後、福岡U-18が勝ち越す。松浦の縦パスに前田が反応。処理を誤った相手DF、GKを置き去りにし、左足シュートをゴールに流し込んだ。6月の天皇杯でトップチームの公式戦最年少ゴールを記録している前田が大仕事。福岡U-18は背番号14を中心に喜びを爆発させた。


後半36分、福岡U-18は2年生FW前田陽輝が左足で決勝ゴール


6月の天皇杯でトップチームの公式戦最年少ゴールを記録している2年生が大仕事
失点しても、“得点に執着する”姿勢を持ち続けた福岡U-18が貴重なゴール。この試合、1-0の時間帯に攻撃が単調になってしまい、ロングボールを相手の吉田、筒井に跳ね返されてしまっていた。だが、失点後に「リスクを負って取るっていう姿勢がないと、取れない」(久永辰徳監督)ことを再確認。リスクを負って前へ出ることや、繋ぐべきところは繋ぐことも目指して1点をもぎ取った。


チームメイトたちと勝ち越し点を喜ぶ
福岡U-18は今季前半戦、一時3バックへ移行して守備を安定させた時期もあるが、4バックへ戻し、チャンスの数を増やすこと、“得点に執着する”ことに挑戦。久永監督は「プレミアの前期、得点力が僕らなかったんで、そこの反省から攻撃の部分を見直して、失点をしたとしても、得点に執着することでモチベーションを下げない。そういう風に全体的に働きかけて、選手たちもそれに対してこの中断期間はできていたんで、そういう意味では1-1になってから、(攻撃についてのアプローチをしたことで)パッと目覚めて、もう一回やるべきことをしっかりとやり出したところが出たのかな、って気はしました」と評価する。
静岡学園は後半、シュート数10-3、CKの本数も11-0と相手を大きく上回った。1-2とされた後も篠塚らが決定機を迎える。川口修監督も「夏前に比べたら内容、それからチャンスの作り方が凄く良くなっている。そこはもうプラスに考えている」と評するゲームだったが、決定機を活かせなかった。
40+5分、加藤の直接FKが枠を捉えたが、福岡U-18は再三のファインセーブを見せていたGK田中が反応。また、この日の福岡U-18は樺島をはじめゴールカバー、セットプレーでの競り合いなど、各選手がゴールを守ることへの執着心も見せ続け、静岡学園の前に立ちはだかった。


福岡U-18の2年生GK田中利玖は勝利の立て役者に
福岡U-18は今年、6年ぶりにプレミアリーグ昇格。前半戦は守れているようなシーンでもゴールを破られ、プレミアリーグ基準を痛感させられていたという。だが、徐々に慣れてきたチームはこの日、クロスを上げさせないことや、シュートに対しても最後の一歩まで寄せ切ることを全う。守備の成長も示して見せた。
7分間のアディショナルタイム、静岡学園は44分に投入したMF杉田和心(3年)とFW宮本侑宕(3年)を含めて同点を目指してきたが、福岡U-18は5-4-1システムへ変更しながらも、井上らが相手の背後を強襲。攻める姿勢も失わずに戦い続ける。そして、2-1で90分間を終えると、樺島らはサポーターの下へ駆け寄り、一緒になって8試合ぶりの白星を喜んでいた。
福岡U-18は"後半戦初戦”で「自信になれば良い」(久永監督)という1勝。プレミアリーグ残留圏内・10位の静岡学園との勝ち点差を1とした。樺島は攻撃が単調になってしまった時間帯があったことを反省したが、前向きなコメント。「(7月のクラブユース選手権後の)中断期間で、自分たちのやるべきことはこれだと思ったんで、そこを突き詰めてやってきたことが出せたかなって思います。久さん(久永監督)から(8月以降の12試合で)『勝ち点19(以上)取ろう』っていう話をされて、今日、勝ち点3取って、あと16ポイント。ほんと1試合も落とせる試合はないと思うんで、今日以上に集中力を持ってやれたらいいんじゃないかなと思います」と力を込めた。この日出た課題もまた改善。勝ち点を重ね、残留争いから抜け出してより上を目指す。


2-1で試合終了。CB樺島勇波主将はサポーターの下へ駆け寄り、ガッツポーズ
(取材・文 吉田太郎)
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