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[MOM5202]川崎F U-18DF長崎亘佑(2年)_途中出場の「後天的レフティ」が右足で沈めた劇的同点弾は「バースデーゴール&プレミア初ゴール」!

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バースデーゴールを決めた川崎フロンターレU-18DF長崎亘佑(2年=川崎フロンターレU-15生田出身)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.6 プレミアリーグEAST第12節 東京Vユース 3-3 川崎F U-18 ヴェルディグラウンド]

 まったく狙っていなかったと言ったら噓になるけれど、まさか本当にゴールを決められるとは思っていなかった。でも、この素晴らしい舞台で、17歳の誕生日に奪ったプレミアリーグでの初ゴールは、きっとこれからの自分をいつだって支えてくれる“おまもり”になるはずだ。

「LINEでも仲間から『今日、バースデーゴール決められたらいいね』と言われていたんですけど、それが本当に起こるとは思っていなかったので、自分でもビックリしました。『決められたらいいな』ぐらいだったんですけど、バースデーゴールを決められて本当に嬉しかったです」。

 この夏の期間で台頭してきた、川崎フロンターレU-18(神奈川)のレフティサイドバック。DF長崎亘佑(2年=川崎フロンターレU-15生田出身)が記録した劇的な“バースデーゴール”が、苦しむチームに大きな勝点1を力強く呼び込んだ。


 試合前から“見せ場”はあった。東京ヴェルディユース(東京)と対峙する、リーグ後半戦の初戦となるアウェイゲーム。今季2度目のベンチ入りを果たした長崎は、この日が17回目の誕生日当日ということもあり、集合写真の声掛け役に指名される。

「『ハッピーバースデー、オレ!』って言わせていただきました(笑)。まだああいうのにも慣れていないので、結構緊張したんですけど、何とか噛まずに言えました」。任された大役を何とかこなし、ベンチから試合を見守りながら、自分がピッチに立った時のイメージを膨らませていく。

 開幕時はプレミアの登録メンバーには入れなかったものの、6月の選手入れ替え時から登録されると、いきなり第10節のFC東京U-18戦でプレミアデビュー。クラブユース選手権でも2試合でスタメン出場を果たすなど、着実にチームの中で存在感を高めている。

 その陰には森勇介監督から掛けられた言葉の力があったという。「去年はプレミアの試合になかなか絡めず、苦しい期間が続いたんですけど、今年に入ってある練習試合で森さんから前に運ぶ重要さを教えてもらったことで、プレーの幅が広がり始めて、選択肢が増えたり、余裕が生まれたりして、そこから徐々に好調になってきたかなと思います。あの一言で自分のプレーも変わりましたし、メンタル面でも気持ちの持ちようが変わったので、アレがきっかけかなと思います」。指揮官のメッセージを後ろ盾に、前へと突き進むアグレッシブさを磨いてきた。

 この日はお互いにゴールを奪い合う展開の中で、前半は1-3で折り返したものの、後半に入って1点を返し、さらに同点、逆転を狙う終盤の後半39分に、ベンチからアップエリアの長崎に声が掛かる。

「自分はキックが持ち味なので、そのキックを生かしてクロスやセットプレーで点を決めるという狙いで投入されたと思います」。スタメンで奮闘したDF柏村涼太(3年)からバトンを受け取り、勢い良くピッチへと駆け出していく。

 試合終了間際の45分。川崎F U-18に千載一遇の決定機が巡ってくる。MF平内一聖(3年)が右から中央へ切れ込み、こぼれをMF今廣遥碧(1年)が左へ流すと、待っていたのは「高い位置を取って、クロスがこぼれてきたら決めようと考えていた」という長崎。利き足とは逆の右足で叩いたボールは、鮮やかに右スミのゴールネットへ吸い込まれる。

「何も考えずにただ右足でシュートを打ったら、たまたま良いコースに飛んで入りました。一応狙いはしたんですけど、あんな良いコースに行くとは思っていなかったので、入って良かったです」。

 殊勲の背番号24へチームメイトが興奮した表情で駆け寄ってくる。「もうただ嬉しいとういう感情がこみ上げてきて、最初は実感がなかったんですけど、次々にチームメイトが祝ってくれたので、そこで実感がちょっとずつ湧いてきたかなと」。

 結果的に3-3でドロー決着となった一戦において、土壇場でチームを救った一撃は、人生初のバースデーゴールであり、プレミアリーグ初ゴール。長崎にとって17歳の1年間が最高の幕開けになったことは、あえて言うまでもないだろう。


 今回の1点が自身の立ち位置を変えるきっかけになり得ることは十分に理解しているものの、一方で現在地を過不足なく見つめるだけの冷静さと客観性を、この人はしっかりと携えている。

「今年も結構苦しい期間が続いていましたけど、途中からちょっとずつ使ってもらえるようになって、それを続けた結果がゴールという形に結び付いたので、やってきたことは間違っていなかったなと思うんですけど、まだまだ自分には来年もありますし、まずはしっかり今年のプレミアで勝ち星を重ねていって、自分ももっともっと上手くなりたいなと思っています」。

「今日もゴールを決められたことは嬉しいですけど、ミスも重なったりしたので、まだスタメンというところにはなれていないですし、そこを目指しつつ、もっと自分の中でレベルアップしていって、チームに貢献できるような選手になっていきたいと思いますし、次はサポーターの前で勝ちを挙げられるように頑張ります」。

 もともとは右利きだったが、日々のトレーニングを重ねたことで、気付いたら左利きになっていたという、努力を継続できる川崎F U-18のヤングジェネレーション。長崎亘佑は自身が17年前に生まれたこの日、輝く未来を切り拓いていくための道を、堂々と、逞しく、一歩前へと踏み出した。

(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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