[MOM5215]東京VユースMF仲山獅恩(3年)_ランドに緑の覇王、降臨!「与えられた場面で結果を出す」エースが1試合4ゴールの大爆発!
圧巻の4ゴールを叩き出した
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.20 プレミアリーグEAST第14節 東京Vユース 6-1 横浜FCユース ヴェルディグラウンド]
どれだけゴールを重ねたところで、満足するはずもない。2点獲ったら、3点目を。3点獲ったら、4点目を。4点獲ったら、5点目を。まず超えるべきは今の自分。その積み重ねの先に見えてくる道が、眩いステージへと繋がっているそれだと信じて、貪欲に結果を求め続ける。
「今日も点は獲りましたけど、もっと自分にはやるべきこともありますし、どんどん上に、上にという思考なので、ここで満足せずに、どの立場であっても、どの環境に置かれても、自分のやるべきことをやれば、自然と結果は付いてくると思って、やり続けることが大事かなと思います」。
さらなる成長を希求し続ける、スペシャルな才能に彩られた緑の覇王。81分間で叩き出したのは4つのゴール。MF仲山獅恩(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)がいつもの“ランド”で披露したパフォーマンス、実に圧倒的。
「外から見ていて、自分抜きでもみんなが凄く身体を張って戦っていましたし、もうみんな頑張ってくれていたので、今日は自分が入ったらチームを勝たせるだけだという、そこに集中して、ここは自分のやるべき仕事をやろうと思っていました」。
アカデミーの選手としては最後の“東京ダービー”となるはずだった、前節のFC東京U-18戦。その週もトップチームの練習に参加していた仲山はメンバー外に。試合は後半アディショナルタイムに決勝点を奪われ、0-1で敗れたものの、ピッチの外から見つめていた仲間の奮闘を受け、改めて必勝を期し、今節の舞台へと向かっていく。
試合は序盤こそ横浜FCユースの堅い守備に苦労していたが、やはりエースが試合を動かす。前半18分。「雨が降っている状況で、ピッチも悪いというのはわかっていたので、常に狙っていました」と言い切るように、相手センターバックのバックパスが短くなったところへ、抜け目なく反応してエリア内へ侵入すると、飛び出したGKに倒されて、PKを獲得する。
「PKはもう自信があるので、しっかり蹴りたいところに蹴って決められたのは良かったです」。GKの逆を突いて、ゴール左スミへグサリ。まずはこの日の1点目が記録される。


ただ、なかなか全体のギアが上がらないホームチームは、39分に同点弾を献上。やや嫌なムードが流れ掛けた中で、その人はすぐに気持ちを切り替える。「このままだと、またフロンターレ戦みたいな感じになるなとは感じていたので、自分も一応キャプテンとエースとしてやっているので、突き放すことだけ考えてやっていました」。
仲山が言及した2節前の『フロンターレ戦』は、前半終了時点で3-1とリードしながらも、退場者を出して数的不利になった後半に追い付かれ、ドローに持ち込まれた、苦い思い出の一戦。同じことを繰り返すわけにはいかない。キャプテンとして、エースとして、オレが必ず点を獲ってやる。
43分。右サイドからMF今井健人(3年)の好クロスが届くと、すぐさま得点の可能性の高い判断を、一瞬で導き出す。「少し相手と駆け引きして、チェックの動きを入れて離れながら、どこに当てれば入るかという“当て感”も、サッカーを何年もやっているのでわかりますし、しっかりミートすることだけ考えて、回転はインフロント気味に掛かればいいなという感じで蹴りました」。仲山が右足ボレーで合わせたボールは、右スミのゴールネットへ吸い込まれる。これで自身2点目。前半は再び1点のリードを手繰り寄せ、45分間が終了する。
背番号10の躍動は、止まらない。後半25分。チーム全体が高い位置からの守備を怠らず、相手のミスを誘い、こぼれ球をMF舛舘環汰(3年)はダイレクトでディフェンスラインの裏へ。並走したマーカーのスライディングをキックフェイントで冷静に外すと、ニアサイドに球体を突き刺す。
「相手の体勢を見て、『滑ってくるな』と思ったので、1個間を空けて、キーパーも出てきていたので、ニアに流し込むだけでした。舛舘のナイスボールでしたね」。今季のプレミアで1試合2得点は3度記録していたものの、ハットトリックはこれが初めて。3-1。横浜FCユースを突き放す。
とどめの一撃は28分。ここもチームの統一された良い守備から、DF中村宗士朗(3年)がインターセプトしたボールは、仲山の足元へ。「3点獲っていましたけど、『もっと獲りたい』という欲が出て、周りを使わず自分で仕掛けようと」ドリブルから強引に右足を振り切ると、DFに当たってコースの変わった軌道は、ゆっくりとゴールへ吸い込まれていく。
「最後の質というところで、世界に行っても、自分はああいう位置での、ああいうプレーで名を売っていこうと思っていますし、今シーズンは自分でやり切るというところにフォーカスしているので、それが形になって良かったなと思います」。
36分に交代でベンチへ下がった仲山が、81分間のプレーで重ねたゴールは4つ。「自分の結果でチームが勝てたので良かったと思います」。その威容、まさに覇王の趣。最終的に6-1で大勝を収めたチームの中でも、エースの仕事が夜空の下のランドで、一際輝いた。


今シーズンはトップチームの練習参加も多く、天皇杯4回戦の名古屋グランパス戦ではベンチ入りを果たしたものの、まだ公式戦での出場機会は訪れていない。ただ、それでもこの人のスタンスは常に一定。ベクトルはいつでも自分に向き続けている。
「トップでの出場は狙いつつも、自分のやるべきことだけをやるしかないと思いますし、自分のパフォーマンスを120パーセントで出して、与えられた場面で結果を出せればいいかなと思うので、辛抱強くやっていければなと思います」。それはユースでも、トップでも一緒。『与えられた場面で結果を出す』。そのための準備は万全に整っている。
ゆえにまずはユースでの活動に全力で取り組むことが、何より大事。首位の鹿島アントラーズユースとは勝点6差。まだ優勝にも十分届く位置にいるだけに、キャプテンはこの日の快勝にも、改めて気を引き締める。
「この点差が付いたからと言っても何も成し遂げていないですし、ただの1試合だと思うので、勝ったことは凄く喜んでいいと思うんですけど、こういう試合の後というのが、自分たちは凄く弱いので、もう明日から切り替えて、優勝だけを目指して頑張っていきたいなと。ここからも自分の存在でチームを助けていければいいなと思います」。
背番号10。エース。キャプテン。背負えるものは、全部背負ってやる。ランドでの日常で煌めく才覚を磨き上げてきた、東京ヴェルディが誇る新たな希望。仲山獅恩が放つ唯一無二の存在感、比類なし。


(取材・文 土屋雅史)
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[9.20 プレミアリーグEAST第14節 東京Vユース 6-1 横浜FCユース ヴェルディグラウンド]
どれだけゴールを重ねたところで、満足するはずもない。2点獲ったら、3点目を。3点獲ったら、4点目を。4点獲ったら、5点目を。まず超えるべきは今の自分。その積み重ねの先に見えてくる道が、眩いステージへと繋がっているそれだと信じて、貪欲に結果を求め続ける。
「今日も点は獲りましたけど、もっと自分にはやるべきこともありますし、どんどん上に、上にという思考なので、ここで満足せずに、どの立場であっても、どの環境に置かれても、自分のやるべきことをやれば、自然と結果は付いてくると思って、やり続けることが大事かなと思います」。
さらなる成長を希求し続ける、スペシャルな才能に彩られた緑の覇王。81分間で叩き出したのは4つのゴール。MF仲山獅恩(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)がいつもの“ランド”で披露したパフォーマンス、実に圧倒的。
「外から見ていて、自分抜きでもみんなが凄く身体を張って戦っていましたし、もうみんな頑張ってくれていたので、今日は自分が入ったらチームを勝たせるだけだという、そこに集中して、ここは自分のやるべき仕事をやろうと思っていました」。
アカデミーの選手としては最後の“東京ダービー”となるはずだった、前節のFC東京U-18戦。その週もトップチームの練習に参加していた仲山はメンバー外に。試合は後半アディショナルタイムに決勝点を奪われ、0-1で敗れたものの、ピッチの外から見つめていた仲間の奮闘を受け、改めて必勝を期し、今節の舞台へと向かっていく。
試合は序盤こそ横浜FCユースの堅い守備に苦労していたが、やはりエースが試合を動かす。前半18分。「雨が降っている状況で、ピッチも悪いというのはわかっていたので、常に狙っていました」と言い切るように、相手センターバックのバックパスが短くなったところへ、抜け目なく反応してエリア内へ侵入すると、飛び出したGKに倒されて、PKを獲得する。
「PKはもう自信があるので、しっかり蹴りたいところに蹴って決められたのは良かったです」。GKの逆を突いて、ゴール左スミへグサリ。まずはこの日の1点目が記録される。


ただ、なかなか全体のギアが上がらないホームチームは、39分に同点弾を献上。やや嫌なムードが流れ掛けた中で、その人はすぐに気持ちを切り替える。「このままだと、またフロンターレ戦みたいな感じになるなとは感じていたので、自分も一応キャプテンとエースとしてやっているので、突き放すことだけ考えてやっていました」。
仲山が言及した2節前の『フロンターレ戦』は、前半終了時点で3-1とリードしながらも、退場者を出して数的不利になった後半に追い付かれ、ドローに持ち込まれた、苦い思い出の一戦。同じことを繰り返すわけにはいかない。キャプテンとして、エースとして、オレが必ず点を獲ってやる。
43分。右サイドからMF今井健人(3年)の好クロスが届くと、すぐさま得点の可能性の高い判断を、一瞬で導き出す。「少し相手と駆け引きして、チェックの動きを入れて離れながら、どこに当てれば入るかという“当て感”も、サッカーを何年もやっているのでわかりますし、しっかりミートすることだけ考えて、回転はインフロント気味に掛かればいいなという感じで蹴りました」。仲山が右足ボレーで合わせたボールは、右スミのゴールネットへ吸い込まれる。これで自身2点目。前半は再び1点のリードを手繰り寄せ、45分間が終了する。
背番号10の躍動は、止まらない。後半25分。チーム全体が高い位置からの守備を怠らず、相手のミスを誘い、こぼれ球をMF舛舘環汰(3年)はダイレクトでディフェンスラインの裏へ。並走したマーカーのスライディングをキックフェイントで冷静に外すと、ニアサイドに球体を突き刺す。
「相手の体勢を見て、『滑ってくるな』と思ったので、1個間を空けて、キーパーも出てきていたので、ニアに流し込むだけでした。舛舘のナイスボールでしたね」。今季のプレミアで1試合2得点は3度記録していたものの、ハットトリックはこれが初めて。3-1。横浜FCユースを突き放す。
とどめの一撃は28分。ここもチームの統一された良い守備から、DF中村宗士朗(3年)がインターセプトしたボールは、仲山の足元へ。「3点獲っていましたけど、『もっと獲りたい』という欲が出て、周りを使わず自分で仕掛けようと」ドリブルから強引に右足を振り切ると、DFに当たってコースの変わった軌道は、ゆっくりとゴールへ吸い込まれていく。
「最後の質というところで、世界に行っても、自分はああいう位置での、ああいうプレーで名を売っていこうと思っていますし、今シーズンは自分でやり切るというところにフォーカスしているので、それが形になって良かったなと思います」。
36分に交代でベンチへ下がった仲山が、81分間のプレーで重ねたゴールは4つ。「自分の結果でチームが勝てたので良かったと思います」。その威容、まさに覇王の趣。最終的に6-1で大勝を収めたチームの中でも、エースの仕事が夜空の下のランドで、一際輝いた。


今シーズンはトップチームの練習参加も多く、天皇杯4回戦の名古屋グランパス戦ではベンチ入りを果たしたものの、まだ公式戦での出場機会は訪れていない。ただ、それでもこの人のスタンスは常に一定。ベクトルはいつでも自分に向き続けている。
「トップでの出場は狙いつつも、自分のやるべきことだけをやるしかないと思いますし、自分のパフォーマンスを120パーセントで出して、与えられた場面で結果を出せればいいかなと思うので、辛抱強くやっていければなと思います」。それはユースでも、トップでも一緒。『与えられた場面で結果を出す』。そのための準備は万全に整っている。
ゆえにまずはユースでの活動に全力で取り組むことが、何より大事。首位の鹿島アントラーズユースとは勝点6差。まだ優勝にも十分届く位置にいるだけに、キャプテンはこの日の快勝にも、改めて気を引き締める。
「この点差が付いたからと言っても何も成し遂げていないですし、ただの1試合だと思うので、勝ったことは凄く喜んでいいと思うんですけど、こういう試合の後というのが、自分たちは凄く弱いので、もう明日から切り替えて、優勝だけを目指して頑張っていきたいなと。ここからも自分の存在でチームを助けていければいいなと思います」。
背番号10。エース。キャプテン。背負えるものは、全部背負ってやる。ランドでの日常で煌めく才覚を磨き上げてきた、東京ヴェルディが誇る新たな希望。仲山獅恩が放つ唯一無二の存在感、比類なし。


(取材・文 土屋雅史)
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