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[MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16]激闘PK戦は16人目決着…履正社が初の決勝へ!! トップチームの悔しさバネに15回成功「しっかり蹴ってくれた」

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MF長夏輝(1年)が同点ゴール

[12.14 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16準決勝 徳島市立高 1-1(PK14-15) 履正社高 時之栖うさぎ島G]

 “U-16日本一決定戦”2025 MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16ルーキーリーグは14日、静岡県御殿場市の時之栖スポーツセンターうさぎ島グランドで準決勝を行い、第1試合は履正社高(関西/大阪)が徳島市立高(四国/徳島)を下して初の決勝進出を決めた。1-1で規定の80分間を終え、16人目までもつれ込んだ激闘のPK戦を制した。

 前日から降り続いた雨の影響により、水含みの人工芝で行われた準決勝。互いに地上戦でのビルドアップに苦しむなか、立ち上がりこそ履正社がFW森永晃太郎(G大阪Jrユース出身)の裏抜けやハイプレスで主導権を握っていたが、先にスコアを動かしたのは四国勢で初の4強入りを成し遂げた徳島市立だった。

 前半32分、右に開いていたCB津村良介(カナリーニョ出身)が相手をかわして持ち運び、縦パスを入れると、これを受けたMF平川泰成(ディアブロッサ高田出身)がドリブルで前進。相手最終ラインの間にスルーパスを流し込み、抜け出したFW高尾瑞希(北条中出身)の右足シュートがGKの手をかすめてゴールマウスに吸い込まれた。

徳島市立はFW高尾瑞希(1年)が先制ゴール

 ところが履正社もハーフタイムと後半8分、合計6人の交代選手を投入して反撃を開始。後半10分、MF蓮池冴朗(G大阪Jrユース出身)のボール奪取を起点にカウンターを仕掛けると、MF田中颯来(大阪市ジュネッスFC出身)のワンタッチパスにMF長夏輝(神戸FC出身)が走り込む。フィニッシュの右足シュートは大きく枠を外れたが、ようやくビッグチャンスを作った。

 すると後半16分、ついに試合を動かした。またも左サイドで蓮池がボールを奪い、落ち着いた組み立てからMF福田昊士朗(神戸FC出身)が右サイドに送ると、そこに走り込んだ途中出場のDF田中翼冴(坂井フェニックス丸岡Jrユース出身)がダイレクトクロスを配球。これがゴール前の絶妙なエリアに入り、ゴール前に走り込んだ長が右足ワンタッチで押し込んだ。

 履正社はその後も主導権を握り続け、後半18分にはMF米田翔貴(C大阪U-15和歌山出身)のスルーパスに田中が抜け出し、GKをかわしてゴール前へ。だが、深い位置で放ったシュートは右ポストに阻まれる。また同34分にはDF石守絆主将(ソレッソ熊本出身)のCKからチャンスを迎えたが、長のシュートはGK石川汐音(徳島FCリベリモ出身)に阻まれ、1-1のまま規定の80分間を終えた。

 そうして迎えたPK戦は死闘となった。先攻の履正社、後攻の徳島市立ともに3人目までいずれも成功したが、履正社は4人目のキックが左ポストに弾かれる。しかし、徳島市立の4人目のキックもGK達雷斗(大阪市ジュネッスFC出身)のファインセーブに阻まれ、サドンデスにもつれ込む形となった。

履正社GK達雷斗(1年)がPKセーブ

 また履正社7人目のキックがゴールに入った際、横っ飛びを見せた徳島市立のGK石川が肘を負傷し、プレー続行が不可能に。競技規則によりPK戦途中での選手交代はできないため、守備の要を担っていたDF水内心博(ディアブロッサ高田出身)が代わりにゴールマウスを守り、なんとかPK戦を続行した。だが、最後は徳島市立16人目のキックが枠を外れ、試合終了。履正社が決勝進出を決めた。

アクシデントにより徳島市立DF水内心博(ディアブロッサ高田出身)がゴールを守った

 PK戦での劇的突破を果たした履正社だが、喜びは控えめだった。チームを率いる稲田明敏コーチによると、この振る舞いは無念の負傷でプレーを続行できなくなった徳島市立のGK石川に敬意を示すため。勝利した履正社のGK達も、代わりにGKを務める形となった水内を整列後まで慰めており、敗れた側への配慮を最後まで見せていた。

 もっとも履正社にとってPK戦での勝利は特別な意味合いがあった。今冬、履正社のトップチームは全国高校選手権大阪府予選の決勝・興國高戦にPK戦で敗戦。チームを支える立場だった1年生にもその悔しさは伝わっており、全員が高い意識を持って取り組んできていたのだという。

「僕らは部員数もそう多くないので、先輩と接する機会も多いし、その悔しさを目の前で見ているぶん、同じ思いはしないぞという子どもたちの湧き出た意識があったと思う。ここに来る前から『しっかり蹴ってあかんかったらしょうがないよね』という形で終わろうという話もしたので、外した選手も含めてしっかり蹴ってくれて、それがいい流れで繋がった。キーパーも一回止めてくれてよくやってくれたと思います」(稲田コーチ)

 そうしてたどり着いたルーキーリーグ決勝の舞台。関西勢にとっては2018年度の前身大会で阪南大高が頂点に立って以来、優勝校が出ておらず、現行大会初制覇を強い思いで狙っていく構えだ。

 稲田コーチは「こういう舞台でどんな結果を出せるかというのは子どもたちにとって本当の意味での力を試されていると思う。ここまでの4試合は正直、やりたいサッカーはできていないけど、最後はそういった良い形を出しながら履正社らしいサッカーで優勝できたらと思います」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
竹内達也
Text by 竹内達也

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