[神奈川県CYリーグカップ]若きトリコロールが希求するのは「成長と勝利への純粋な意欲」。横浜FMユースは横浜FCユースとの「ダービー」に5発快勝!
[2.15 神奈川県CYリーグカップ2回戦 横浜FMユース 5-0 横浜FCユース 横浜国立大学フットボール場]
新チーム初の公式戦から、いきなり迎えたのは絶対に負けたくない“横浜ダービー”。モチベーションは十分すぎるほどに高まっていた。走り勝つ。競り勝つ。そして、試合に勝つ。今季に懸ける若きトリコロールの確固たる決意表明は、この日のピッチのあらゆるところから立ち上っていた。
「シンプルに『走ってるな』とか『強いな』とか、いろいろなものを外から見ている人に彼らが感じさせられたと思うんですよ。それがサッカー選手ですし、今日はそこが一番表現できたところかなと。年間を通して難しいリーグを戦っていく中で、こういうことをずっと積み重ねていきながら、最後にたどり着けるものがチャンピオンだと思うので、来週のトレーニングがもっと大事になっていくのかなと思います」(横浜F・マリノスユース・冨樫剛一監督)
圧巻の5ゴールを奪い切って、ライバル相手に収めた快勝劇!神奈川県クラブユースサッカーリーグカップは、15日に上位トーナメント2回戦を行い、横浜F・マリノスユースと横浜FCユースが激突した“横浜ダービー”は、5-0で横浜FMユースが勝利。準決勝へと駒を進めている。
ファーストシュートは前半6分の横浜FCユース。左のハイサイドでFW齋藤翔(2年)がボールを収め、MF鈴木晴弥(2年)のパスからMF福岡湧大(2年)が果敢にフィニッシュ。軌道はゴール右へ外れたものの、まずは昨季のプレミアでも主力級の活躍を見せた3人で、チャンスを創出する。


一方の横浜FMユースは3-4-2-1のシステムを採用する中で、1トップに入ったFW田中陽瑛(2年)がきっちり基点を作り、シャドーのMF小林瞭介(2年)とMF五十嵐雄涼(2年)も仕掛ける姿勢を明確に。右のDF平野遼(2年)、左のFW今村涼弥(1年)のウイングバックも積極的にサイドを駆け上がり、崩すポイントを探り続ける。
20分は横浜FCユース。MF池田顕太(1年)、福岡とパスが回り、丁寧なトラップから齋藤が狙ったシュートは枠の上へ。21分も横浜FCユース。中央やや右、ゴールまで約25メートルの位置から福岡が直接狙ったFKはクロスバーを越えるも、先日の『NEXT GENERATION MATCH』も経験した背番号17が打ち出す、得点への強い意欲。
スコアが動いたのは23分だった。中央で前を向いた小林が右へ展開すると、開いた田中はニアへクロス。走り込んだ五十嵐のボレーは、ゴールネットへと到達する。「木曜日にカウンターの練習をしたんですけど、フォワードが流れて、自分が中に入ったりして、前の3人で完結させるという、練習でやったことが良い感じで出たと思います」という8番の鮮やかな先制弾。横浜FMユースが1点のリードを奪う。




次の得点を挙げたのも横浜FMユース。38分。今度は五十嵐が左サイドへ展開すると、「3バックだと1枚上がっても2枚余るので、出ていきやすいところもありますね」と話したキャプテンのDF藤井翔大(2年)がオーバーラップから完璧なクロス。小林のハーフボレーが揺らしたゴールネット。2-0。点差が開く。
トリコロールの勢いは止まらない。40+1分。ここも中央を運んだ小林が、「左サイドには(松元)蓮旺と(今村)涼弥がいたんですけど、涼弥の方がフリーだったので、奥にパスを出しました」と左へスルーパス。走った今村のシュートは、確実にゴールを捉える。3-0。横浜FMユースが小さくないアドバンテージを手にして、最初の40分間が終了した。




3点を追い掛ける横浜FCユースは、ハーフタイムに4人の交代を敢行し、反撃態勢を整えたものの、後半も横浜FMユースが先に得点を記録する。5分。相手のGKがややビルドアップにもたつくのを見逃さなかった小林は、激しいプレスからボールを奪い、無人のゴールへ流し込む。「去年や一昨年では、想像できなかったゴールだと自分でも思います」という小林は2ゴール1アシストと大活躍。これでスコアは4-0に。
14分も横浜FMユースのサイドアタック。左サイドを駆け上がった藤井がクロスを上げ切ると、小林のシュートはヒットしなかったものの、ボールは五十嵐の足元へ。「そのまま振ったら相手に当たるかなと思ったので、1回コントロールして、キーパーがちょっとファーにズレたので、ニアに決めました」。これで五十嵐もドッピエッタと躍動。注目のダービーは思わぬ大差が付いてしまう。
「スペースをどう消していくのかも、凄く今日は整理されていましたね」と冨樫剛一監督も口にした横浜FMユースは、守備の安定感も抜群。ドイスボランチのMF小幡志雄(2年)とMF松元蓮旺(2年)もセカンド回収に奔走し、3バックのDF杉戸凱飛(2年)、DF白井勝大郎(2年)、藤井も丁寧なラインコントロールと人への強さを発揮。GK川井涼晟(1年)も含めてゴールにカギを掛け続ける。
25分には横浜FCユースに決定機。DF小島頂嵯(2年)のパスを受けたMF蛸島颯(1年)は、飛び出したGKをかわしてシュートを放つも、全速力で戻った杉戸がスーパークリアで危機回避。横浜FMユースが築く堅陣を前に、どうしても1点が奪えない。


ファイナルスコアは5-0。「みんなが全員同じ方向を向いていたのが良かったですね。ハーフタイムもみんなでいろいろ話していましたし、試合中もよく声が出ていて、良い雰囲気でできたことが勝てた要因かなと思います」と藤井も笑顔を見せた横浜FMユースが、攻守に圧倒的なパフォーマンスを見せ付け、勝利を引き寄せる結果となった。
「新チームの公式戦初戦でしたし、横浜FCとのダービーだという試合の意味も共有していたので、みんな気合も入っていた中で、ボールがどうこうとか言う前に、まず目の前の相手に勝つというところが、そのまま勝利に繋がることが凄くよくわかりましたし、チームとしても、個人としても、『戦いに勝つ』というところが凄く良かったと思います」。
今季のキャプテンを託されている藤井がそう話せば、冨樫監督も似たようなニュアンスの感想を口にする。「今日はシンプルな1つ1つの戦いに勝っていった結果が、スコアに出たのかなと思います。7割か8割は際で勝っていたので、自分たちでボールを持てたわけで、こういうことを積み重ねていくと、どこにたどり着くかを彼らには経験してほしいですし、これを基準にしていかないといけないことは、選手たちと共有しました」。
目の前の局面で、相手に勝つ。その積み重ねが、チームの勝敗に直結する。そんな気づきを新チームの初戦で、しかもダービーというシチュエーションで得られたことが、今後に向けたポジティブな収穫になったことは間違いない。


指揮官は今シーズンを立ち上げるに当たって、こんなことを選手たちに話したという。「最初のミーティングでみんなと共有したことは、『プロサッカー選手になりたい』であったり、『より上手くなりたい』であったり、そういうシンプルな動機をちゃんと自分のものにするためには、だんだんと純粋ではなくなっていくものを、いかに純粋なまま頑張れるかというところだよ、と」。
「まずは純粋に目の前の1日を『上手くなりたい』と頑張ることで何かを得たり、トライしたけどうまく行かなかったら、明日またトライしようという日々を繰り返すことが大事で、それはプリンスリーグが始まっても、毎週いろいろなものを積み重ねていく作業を、みんなでしていこうという感じです」。
今シーズンの横浜FMユースが主戦場に置くのは、プリンスリーグ関東2部。そこで結果を出すのはもちろんだが、いかに一人ひとりが純粋な動機を叶えるために、純粋に日常と向き合えるかが、成長するための大きなポイント。藤井が語った決意も印象深い。
「やっぱりずっと勝ち続けるような、常勝軍団になりたいですね。そのためには日常の練習でどれだけ求め合えるかが凄く大事だと思いますし、それが結局試合に出てくると思うので、そこを突き詰めていきたいなと。自分も代表に入っている以上は、その基準を示さないといけないと思いますし、それをやるためにキャプテンになったので、責任は感じています」。
「僕は小学校4年生だったU-10のタイミングでこのチームに入って、ずっとマリノスに所属してきた中で、特に小学生だったころのトップチームは凄く強かったですし、まさに常勝軍団だったので、今度はそれを自分たちがユースでも表現する番だと思って、頑張っていきたいです」。
最高の幕開けとなった今季の若きトリコロールが目指すのは、純粋に成長を希求する日々を積み重ねた先にある、常勝軍団へのストレイト・ストーリー。横浜FMユースはとにかく前だけを見据えて、勝負の2026年を全速力で駆け抜ける。


(取材・文 土屋雅史)
新チーム初の公式戦から、いきなり迎えたのは絶対に負けたくない“横浜ダービー”。モチベーションは十分すぎるほどに高まっていた。走り勝つ。競り勝つ。そして、試合に勝つ。今季に懸ける若きトリコロールの確固たる決意表明は、この日のピッチのあらゆるところから立ち上っていた。
「シンプルに『走ってるな』とか『強いな』とか、いろいろなものを外から見ている人に彼らが感じさせられたと思うんですよ。それがサッカー選手ですし、今日はそこが一番表現できたところかなと。年間を通して難しいリーグを戦っていく中で、こういうことをずっと積み重ねていきながら、最後にたどり着けるものがチャンピオンだと思うので、来週のトレーニングがもっと大事になっていくのかなと思います」(横浜F・マリノスユース・冨樫剛一監督)
圧巻の5ゴールを奪い切って、ライバル相手に収めた快勝劇!神奈川県クラブユースサッカーリーグカップは、15日に上位トーナメント2回戦を行い、横浜F・マリノスユースと横浜FCユースが激突した“横浜ダービー”は、5-0で横浜FMユースが勝利。準決勝へと駒を進めている。
ファーストシュートは前半6分の横浜FCユース。左のハイサイドでFW齋藤翔(2年)がボールを収め、MF鈴木晴弥(2年)のパスからMF福岡湧大(2年)が果敢にフィニッシュ。軌道はゴール右へ外れたものの、まずは昨季のプレミアでも主力級の活躍を見せた3人で、チャンスを創出する。


横浜FCユースを中盤で牽引したMF福岡湧大
一方の横浜FMユースは3-4-2-1のシステムを採用する中で、1トップに入ったFW田中陽瑛(2年)がきっちり基点を作り、シャドーのMF小林瞭介(2年)とMF五十嵐雄涼(2年)も仕掛ける姿勢を明確に。右のDF平野遼(2年)、左のFW今村涼弥(1年)のウイングバックも積極的にサイドを駆け上がり、崩すポイントを探り続ける。
20分は横浜FCユース。MF池田顕太(1年)、福岡とパスが回り、丁寧なトラップから齋藤が狙ったシュートは枠の上へ。21分も横浜FCユース。中央やや右、ゴールまで約25メートルの位置から福岡が直接狙ったFKはクロスバーを越えるも、先日の『NEXT GENERATION MATCH』も経験した背番号17が打ち出す、得点への強い意欲。
スコアが動いたのは23分だった。中央で前を向いた小林が右へ展開すると、開いた田中はニアへクロス。走り込んだ五十嵐のボレーは、ゴールネットへと到達する。「木曜日にカウンターの練習をしたんですけど、フォワードが流れて、自分が中に入ったりして、前の3人で完結させるという、練習でやったことが良い感じで出たと思います」という8番の鮮やかな先制弾。横浜FMユースが1点のリードを奪う。




次の得点を挙げたのも横浜FMユース。38分。今度は五十嵐が左サイドへ展開すると、「3バックだと1枚上がっても2枚余るので、出ていきやすいところもありますね」と話したキャプテンのDF藤井翔大(2年)がオーバーラップから完璧なクロス。小林のハーフボレーが揺らしたゴールネット。2-0。点差が開く。
トリコロールの勢いは止まらない。40+1分。ここも中央を運んだ小林が、「左サイドには(松元)蓮旺と(今村)涼弥がいたんですけど、涼弥の方がフリーだったので、奥にパスを出しました」と左へスルーパス。走った今村のシュートは、確実にゴールを捉える。3-0。横浜FMユースが小さくないアドバンテージを手にして、最初の40分間が終了した。




3点を追い掛ける横浜FCユースは、ハーフタイムに4人の交代を敢行し、反撃態勢を整えたものの、後半も横浜FMユースが先に得点を記録する。5分。相手のGKがややビルドアップにもたつくのを見逃さなかった小林は、激しいプレスからボールを奪い、無人のゴールへ流し込む。「去年や一昨年では、想像できなかったゴールだと自分でも思います」という小林は2ゴール1アシストと大活躍。これでスコアは4-0に。
14分も横浜FMユースのサイドアタック。左サイドを駆け上がった藤井がクロスを上げ切ると、小林のシュートはヒットしなかったものの、ボールは五十嵐の足元へ。「そのまま振ったら相手に当たるかなと思ったので、1回コントロールして、キーパーがちょっとファーにズレたので、ニアに決めました」。これで五十嵐もドッピエッタと躍動。注目のダービーは思わぬ大差が付いてしまう。
「スペースをどう消していくのかも、凄く今日は整理されていましたね」と冨樫剛一監督も口にした横浜FMユースは、守備の安定感も抜群。ドイスボランチのMF小幡志雄(2年)とMF松元蓮旺(2年)もセカンド回収に奔走し、3バックのDF杉戸凱飛(2年)、DF白井勝大郎(2年)、藤井も丁寧なラインコントロールと人への強さを発揮。GK川井涼晟(1年)も含めてゴールにカギを掛け続ける。
25分には横浜FCユースに決定機。DF小島頂嵯(2年)のパスを受けたMF蛸島颯(1年)は、飛び出したGKをかわしてシュートを放つも、全速力で戻った杉戸がスーパークリアで危機回避。横浜FMユースが築く堅陣を前に、どうしても1点が奪えない。


完封勝利に貢献した横浜FMユースDF杉戸凱飛
ファイナルスコアは5-0。「みんなが全員同じ方向を向いていたのが良かったですね。ハーフタイムもみんなでいろいろ話していましたし、試合中もよく声が出ていて、良い雰囲気でできたことが勝てた要因かなと思います」と藤井も笑顔を見せた横浜FMユースが、攻守に圧倒的なパフォーマンスを見せ付け、勝利を引き寄せる結果となった。
「新チームの公式戦初戦でしたし、横浜FCとのダービーだという試合の意味も共有していたので、みんな気合も入っていた中で、ボールがどうこうとか言う前に、まず目の前の相手に勝つというところが、そのまま勝利に繋がることが凄くよくわかりましたし、チームとしても、個人としても、『戦いに勝つ』というところが凄く良かったと思います」。
今季のキャプテンを託されている藤井がそう話せば、冨樫監督も似たようなニュアンスの感想を口にする。「今日はシンプルな1つ1つの戦いに勝っていった結果が、スコアに出たのかなと思います。7割か8割は際で勝っていたので、自分たちでボールを持てたわけで、こういうことを積み重ねていくと、どこにたどり着くかを彼らには経験してほしいですし、これを基準にしていかないといけないことは、選手たちと共有しました」。
目の前の局面で、相手に勝つ。その積み重ねが、チームの勝敗に直結する。そんな気づきを新チームの初戦で、しかもダービーというシチュエーションで得られたことが、今後に向けたポジティブな収穫になったことは間違いない。


今季の横浜FMユースのキャプテンを託されたDF藤井翔大
指揮官は今シーズンを立ち上げるに当たって、こんなことを選手たちに話したという。「最初のミーティングでみんなと共有したことは、『プロサッカー選手になりたい』であったり、『より上手くなりたい』であったり、そういうシンプルな動機をちゃんと自分のものにするためには、だんだんと純粋ではなくなっていくものを、いかに純粋なまま頑張れるかというところだよ、と」。
「まずは純粋に目の前の1日を『上手くなりたい』と頑張ることで何かを得たり、トライしたけどうまく行かなかったら、明日またトライしようという日々を繰り返すことが大事で、それはプリンスリーグが始まっても、毎週いろいろなものを積み重ねていく作業を、みんなでしていこうという感じです」。
今シーズンの横浜FMユースが主戦場に置くのは、プリンスリーグ関東2部。そこで結果を出すのはもちろんだが、いかに一人ひとりが純粋な動機を叶えるために、純粋に日常と向き合えるかが、成長するための大きなポイント。藤井が語った決意も印象深い。
「やっぱりずっと勝ち続けるような、常勝軍団になりたいですね。そのためには日常の練習でどれだけ求め合えるかが凄く大事だと思いますし、それが結局試合に出てくると思うので、そこを突き詰めていきたいなと。自分も代表に入っている以上は、その基準を示さないといけないと思いますし、それをやるためにキャプテンになったので、責任は感じています」。
「僕は小学校4年生だったU-10のタイミングでこのチームに入って、ずっとマリノスに所属してきた中で、特に小学生だったころのトップチームは凄く強かったですし、まさに常勝軍団だったので、今度はそれを自分たちがユースでも表現する番だと思って、頑張っていきたいです」。
最高の幕開けとなった今季の若きトリコロールが目指すのは、純粋に成長を希求する日々を積み重ねた先にある、常勝軍団へのストレイト・ストーリー。横浜FMユースはとにかく前だけを見据えて、勝負の2026年を全速力で駆け抜ける。


(取材・文 土屋雅史)


