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[新人戦]「強いチームはPKでも勝っている」。神村撃破の日章学園が国見とのPK戦も制し、初優勝に王手:九州

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日章学園高がPK戦を制し、九州大会決勝進出

[2.16 九州新人大会準決勝 日章学園高 1-1(PK7-6)国見高 綾町錦原サッカー場]

 KYFA男子第47回九州高等学校(U-17)サッカー大会(宮崎)準決勝が16日午後に行われ、日章学園高(宮崎1)が1-1(PK7-6)で国見高(長崎1)を撃破。初優勝、そして開催地Vに王手をかけた。

 九州新人大会は4日間で6試合。大会3日目は同日にともに35分ハーフの準々決勝、準決勝の2試合を行うタフなスケジュールになっている。日章学園は準々決勝で2025年度インターハイ、選手権2冠の神村学園高(鹿児島1)に4-1で勝利し、同校の九州新人大会3連覇を阻止。さらに優勝12回の名門・国見との激闘をPK戦で制した。

 日章学園は近年の全国大会で1点差負けやPK戦敗退の連続。原啓太監督は「神村学園さんも夏の準々決勝や冬の準決勝で苦しい試合をPK戦でも勝ち取ってきたので、ああいう強いチームはPKでも勝っている。見習うべきことが多いチームが横にいるので、我々も去年の神村さんのような勝ちに貪欲というか、PKでも絶対負けないという強い姿勢を持って、ちょっと今後取り組んでいきたいなという風に思います」と語る。日章学園がその“PKでも負けない”強さを表現し、九州新人大会では初の決勝進出を果たした。

 日章学園はGK高岸縁(2年)、DF脇大翔(2年)、ゲーム主将の柴尾大夢(2年)、眞崎煌波(1年)の3バック、右WB本多遼成(2年)、左WB武藤蒼大(2年)、大谷兜真(2年)と神村学園戦で2発の谷恭輔(2年)のダブルボランチ、そして前線に矢野瑛大(2年)、島村陽斗(2年)、村井力磨(3年)が配置される陣容でスタートした。

 一方、国見はブロックリーグで大津高(熊本1)に2-1、準々決勝ではFW正木翔太(2年)の4得点などで那覇西高(沖縄1)に7-1で大勝するなど今大会4連勝。5年ぶりの決勝進出をかけた準決勝の先発はGK秋重咲翔(2年)、右SB谷川叶大(2年)、CB堀川暖馬主将(2年)、CB清原昇馬(1年)、左SB篠原蒼空(2年)の4バック、中盤は豊福泰生(2年)と江崎健一朗(1年)のダブルボランチで右SH潤臨太朗(2年)、左SH金澤桜雅(1年)、そして正木と太田惇月(2年)の2トップで試合に臨んだ。

 序盤、国見は落ち着いてボールを保持して相手を動かす。そして、今大会で活躍の続くMF豊福がドリブルでDF網を切り裂いた。前半7分には早くも先制点。正木のスルーパスで潤が抜け出し、右足シュートをゴールへ流し込んだ。

前半7分、国見MF潤臨太朗が右足で先制ゴール

良い入りから先制点を奪った

 対する日章学園は準決勝から6人を入れ替え、フォーメーションも4バックから3バックへ変更。準々決勝でいずれもサブだった村井、島村、矢野の3トップや左の武藤が迫力のある動きを見せて相手にプレッシャーをかける。

 国見も正木がハイプレスで相手のキックをチャージ。また、左サイドで鋭い動きを見せる金澤の左クロスを右SH潤が頭で合わせるなど追加点を狙う。互いに連戦の中でハードワークする姿勢を見せたが、疲れもあってか前半からややオープンな展開となった。

 その中で日章学園は中盤で存在感を放つ谷と大谷のダブルボランチがセカンドボールの攻防で優位に。29分には本多とMF玉井結翔(2年)を交代し、柴尾のロングスローや谷の右足ミドルを交えて同点を目指す。

 すると33分、日章学園は柴尾の縦パスが前線の島村へ入る。「自分、ターンが得意で一個武器で持っていて」という島村は右中間でその武器を発動。DFと入れ替わって前に出ると、そのまま「シュートは下手なんですけど。威力はあると思うので振り抜きました。自分、全然九州大会出れなくて伸び悩んでたんですけど、出してくれて、『もう、ここで結果残すしかないな』って思ってシュート狙っていきました」と右足シュートを決め、同点に追いついた。

前半33分、日章学園FW島村陽斗が右足で同点ゴール

結果を欲していたストライカーが歓喜の咆哮

 FW大迫勇也(神戸)に憧れる183cmストライカーがチームメイトの大応援に応える一撃。1-1とされた国見は、後半開始から江崎を今大会3得点、怪我で直近2試合を欠場していたFW城䑓海音(2年)へ代え、正木を右SBに下げた。

 その正木が身体を張った守備を見せるなど奮闘。だが、後半は日章学園に押し込まれ、自陣ゴール前で凌ぐような時間帯の多い展開となった。日章学園は島村が相手のタイトな守りに倒されながらも起き上がってキープするなど前へ。また、コンビネーションからシュートや、クロスへ持ち込むもゴール前の精度を欠いて決め切ることができない。

 国見は13分にMF鈴川虎之助(2年)とMF杉野橙真(1年)を、日章学園も15分にFW秋鷹青杜(1年)を投入。すると16分、日章学園はPAでボールを回収した村井がGKと入れ替わって右足を振り抜く。だが、国見CB堀川がスーパークリア。国見はGK秋重が至近距離からの一撃を含めて3本4本とファインセーブを見せ、ゴールを死守する。

国見はCB堀川暖馬主将のスーパークリアなどでゴールを死守

国見GK秋重咲翔はMOM級の活躍

 18分、国見はFW柳本心暖(1年)を投入。日章学園は柴尾が相手ボールを連続で回収するなど波状攻撃を繰り出した。26分、武藤の決定的な左足シュートをGK秋重に止められると、30分には3枚替えを敢行し、MF山下結叶(2年)、MF重松虎之介(2年)、FW岩元航希(1年)を送り出した。対する国見もCB首藤諒(1年)を投入し、速攻から柳本らがゴールを目指す。2点目を奪うことはできなかったものの、GK秋重の好セーブやDF陣の粘り強い守りで2点目を許さず、PK戦に持ち込んだ。

日章学園はゲーム主将のDF柴尾大夢が好守を見せた

 そのPK戦は先攻・日章学園、後攻・国見の1人目がともに失敗。その後、プレッシャーの中で両校の選手が確実にシュートを決めていく。迎えた8人目、日章学園はFW村井が決めると、直後に191cmGK高岸が「応援してくれる仲間とかいて、地元開催なので、絶対勝たせないといけない」という思いを表現するビッグセーブ。この瞬間、日章学園が地元Vに王手をかけた。

PK戦8人目、日章学園GK高岸縁がビッグセーブ
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仲間の声援に応えた

 原監督は「少しずつ戦う集団とかタイトルを取るに相応しいチームになってきてんじゃないかなと思います」と目を細める。決勝は大津高(熊本1)と対戦。「大津は練習試合でやられているので、ちょっとリベンジとタイトルの2つをかけて、明日の(キックオフ時刻の)12時に備えたいなと思います」と語った。

 日章学園は準々決勝・神村学園戦の勝利も今後の飛躍へのきっかけになりそうだ。柴尾は「今大会でも特に今までやった中で強かったんで、そこは自信になったと思います」。インターハイ、選手権で全国2冠を果たすなど、この1年間トーナメント戦で勝ち続けてきた王者を止めた。ただし、勝ったことに浮かれず、国見戦へ向けて集中。1年時から先発のMF吉崎太珠主将(2年)を怪我で3日目から欠く中、難しい展開のゲームを勝ち切った。

 柴尾は「1人や2人いないこととかも普通にあると思うし、その中でも勝ち続けないと強いチームにはなれないと思うので、今日勝てたのはほんとに良かったと思います」。強いチームは主力を欠いても、退場者を出しても、PK戦でも、勝つ。選手層の厚さも示している日章学園が「決勝はもう今日みたいなプレーをたくさんして、得点を取っていきたいと思います」(島村)、「チームとしてタイトルが大事だと思うので。勝ちにこだわって、チーム一丸となって、自分が全部止めて優勝したいです」(高岸)という決勝も勝ち切る。

日章学園は初優勝に挑戦する

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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