[サニックス杯]幼稚園児のころからベガルタゴールドの価値を知る新キャプテン。仙台ユースMF石山葉琉が携えるプレミア初挑戦への大きな覚悟
[3.13 サニックス杯 仙台ユース 2-1 大津高 グリーンフィールドC]
クラブとしても、個人としても、大きなチャレンジの1年となる2026年。こんな大事な年に、幼いころからこのクラブで育ってきた自分がキャプテンマークを巻くという巡り合わせに、今から胸が高鳴っている。歴史を紡いでくれた先輩たちの想いも背負って、自分たちの価値を、自分たちの存在意義を、絶対に証明してみせる。
「プレミアリーグはベガルタ仙台として初挑戦なので、チャレンジャー精神を持って、常に守備になってもアグレッシブな姿勢を忘れず、常にアクションをし続けて、貪欲に勝ち続けていきたいと思います」
中盤のど真ん中でチームの攻守をしなやかに繋ぐ、ベガルタ仙台ユース(宮城)の新キャプテン。MF石山葉琉(2年=ベガルタ仙台ジュニアユース出身)はクラブの歴史にはっきりと名を刻む準備を、着々と進めている。
「最初に失点してしまって、そのあとも自分がしっかり修正できずに、立て続けに点を獲られてしまって、もったいないゲームでした」。石山がそう振り返ったのは「サニックス杯国際ユースサッカー大会2026」(福岡)の予選リーグ2日目、東海大福岡高戦。前半12分にPKを献上して先制を許すと、さらに前半だけで2点を奪われ、結果は0-3というスコアで悔しい完敗を喫してしまう。
このままズルズルと悪い流れを引きずってしまうわけにはいかない。翌日の午前中。チームはミーティングを実施し、改めて前日の課題を洗い出す。「昨日の午後の東福岡さんとの練習試合には良い内容で2-0と勝ったんです。それで『午前中の0-3』と、『午後の2-0』の試合を見比べたら、午後の方が距離感も良かったですし、一人ひとりの守備も連動する意識がありますし、GPSの走行距離の数値も高かったので、今日は『みんなで繋がって、連動していこう』という話をしました」。
3日目の相手はプレミアリーグに所属する大津高(熊本)。「今日はプレミアでバリバリやっているチームとの対戦で、力試しができる試合だったので、みんな気合いが入っていました」。現在地を確認するには格好の相手を前に、高いモチベーションで仙台ユースの選手たちはピッチへ散らばっていく。
ボランチに入った石山は全体のバランスを注視しながら、積極的にビルドアップへ関わる意識も十分。「常にボールをもらう前から、どこが空くかを考えて、ワンタッチではたくことは意識していました」と攻撃のテンポを作ることに腐心していたが、この日も前半38分に失点。1点を追い掛ける展開を強いられる。
痛めていた右ヒザは、限界に近かった。「前半の最後の方はもうスプリントも出なくて、とりあえず前半だけはやり切ろうと思っていました」。40分間を走り切ったキャプテンは、ハーフタイムにMF高久遼成(1年)へ後を託し、後半はビデオ係を務めることになる。


窮地に立たされたチームは、意地の牙を剥く。後半16分。エースのFW佐々木亮(2年)がこぼれ球を押し込み、同点。23分。佐々木のパスを受けたMF山下湊司(中学3年)が、左サイドからゴラッソを叩き込み、逆転。終盤は相手のラッシュにも、DF石原滉大(2年)を中心に守備陣がゴールに鍵を掛け続ける。
ファイナルスコアは2-1。「キャプテンとしては交代してしまったことが情けないですけど、ビデオを撮っていても、みんながあれだけプレスを掛けて、いい試合をしてくれたので、勇気をもらいましたね」。石山にも、チームメイトにも、前日の悔しさを払拭するような逆転勝ちに、眩しい笑顔が弾けた。
もともとボランチが本職だった石山だが、昨シーズンは左サイドバックで起用されると、プレミアリーグプレーオフでも2試合にフル出場を果たし、8度目のプレーオフ挑戦で初めて掴んだプレミア昇格にきっちり貢献。貴重な180分間の経験値を積み上げた。
「ジュニアユースでは[4-3-3]のアンカーをやっていて、自分はセンターバック、サイドバック、ボランチならどこでもやれると思います」とは本人だが、再びボランチに戻った今季は、サイドバックでのプレーが生きている感覚があるという。
「去年はサイドバックで180度の視界だったところから、ボランチは360度の視界なので、恐怖感もあるんですけど、楽しさもあるなという感じですね。常に身体の向きとか、周りを見る回数を増やしていくことは、より意識しています」。目指すのはトニ・クロースとエンゴロ・カンテのハイブリッド。攻守に効き続けるボランチを真剣に目指していく。
昨シーズンからレギュラーを務めているのは、石山とMF小澤春太(中学3年)の2人だけ。大半の主力が卒業した中で、キャプテンを託された背番号4は、もう既にチームを牽引する強い覚悟を携えている。
「去年の古屋(歩夢)選手や永井(大義)選手のような圧倒的な個は、今年のチームにはないので、まとまらないとプレミアでも勝てないと思いますし、去年は自分のプレーに集中していれば、自ずとチームも良くなるイメージだったんですけど、今年は下の学年がどういうふうに考えているかも見ないといけないので、もっと周りのことも見ながら、自分がチームをまとめて、意識が高い選手の多い集団を目指していきたいなと思います」。


最初にベガルタのスクールでボールを蹴り始めたのは、まだ幼稚園に通っていたころのこと。それから13年近い時間が経ち、プレミア初挑戦のシーズンにユースのキャプテンへ指名されたことに、運命を感じていないはずがない。力強い言葉で、石山が今季へ想いを馳せる。
「自分はスクール時代からベガルタにいるんですけど、ユースでずっとプレミアに上がれない時期を、スクール、ジュニア、ジュニアユースと見てきたので、去年昇格を達成しての今年ということで、モチベーションは高いですし、そんな年にキャプテンをできるなんて、もう最高ですよね」。
「今はトップも結果を出してくれている中で、サポーターが『ユースはどうなんだ?』と気にしてくれた時に、ユースも勝っていれば『強いじゃん』というふうに思ってもらえるので、チームとしてはプレミア3位以内を目指しています。その中で個人的な目標は全試合フル出場して、トップチームに昇格したいです」。
このクラブに求められることならば、全部100パーセントのエネルギーでやり切ってやる。ベガルタゴールドの血が流れている、アカデミーに育まれた新キャプテン。石山葉琉はまだ見ぬプレミアの舞台を、頼れる仲間たちとともに、力強く、堂々と、戦い抜く。


(取材・文 土屋雅史)
クラブとしても、個人としても、大きなチャレンジの1年となる2026年。こんな大事な年に、幼いころからこのクラブで育ってきた自分がキャプテンマークを巻くという巡り合わせに、今から胸が高鳴っている。歴史を紡いでくれた先輩たちの想いも背負って、自分たちの価値を、自分たちの存在意義を、絶対に証明してみせる。
「プレミアリーグはベガルタ仙台として初挑戦なので、チャレンジャー精神を持って、常に守備になってもアグレッシブな姿勢を忘れず、常にアクションをし続けて、貪欲に勝ち続けていきたいと思います」
中盤のど真ん中でチームの攻守をしなやかに繋ぐ、ベガルタ仙台ユース(宮城)の新キャプテン。MF石山葉琉(2年=ベガルタ仙台ジュニアユース出身)はクラブの歴史にはっきりと名を刻む準備を、着々と進めている。
「最初に失点してしまって、そのあとも自分がしっかり修正できずに、立て続けに点を獲られてしまって、もったいないゲームでした」。石山がそう振り返ったのは「サニックス杯国際ユースサッカー大会2026」(福岡)の予選リーグ2日目、東海大福岡高戦。前半12分にPKを献上して先制を許すと、さらに前半だけで2点を奪われ、結果は0-3というスコアで悔しい完敗を喫してしまう。
このままズルズルと悪い流れを引きずってしまうわけにはいかない。翌日の午前中。チームはミーティングを実施し、改めて前日の課題を洗い出す。「昨日の午後の東福岡さんとの練習試合には良い内容で2-0と勝ったんです。それで『午前中の0-3』と、『午後の2-0』の試合を見比べたら、午後の方が距離感も良かったですし、一人ひとりの守備も連動する意識がありますし、GPSの走行距離の数値も高かったので、今日は『みんなで繋がって、連動していこう』という話をしました」。
3日目の相手はプレミアリーグに所属する大津高(熊本)。「今日はプレミアでバリバリやっているチームとの対戦で、力試しができる試合だったので、みんな気合いが入っていました」。現在地を確認するには格好の相手を前に、高いモチベーションで仙台ユースの選手たちはピッチへ散らばっていく。
ボランチに入った石山は全体のバランスを注視しながら、積極的にビルドアップへ関わる意識も十分。「常にボールをもらう前から、どこが空くかを考えて、ワンタッチではたくことは意識していました」と攻撃のテンポを作ることに腐心していたが、この日も前半38分に失点。1点を追い掛ける展開を強いられる。
痛めていた右ヒザは、限界に近かった。「前半の最後の方はもうスプリントも出なくて、とりあえず前半だけはやり切ろうと思っていました」。40分間を走り切ったキャプテンは、ハーフタイムにMF高久遼成(1年)へ後を託し、後半はビデオ係を務めることになる。


窮地に立たされたチームは、意地の牙を剥く。後半16分。エースのFW佐々木亮(2年)がこぼれ球を押し込み、同点。23分。佐々木のパスを受けたMF山下湊司(中学3年)が、左サイドからゴラッソを叩き込み、逆転。終盤は相手のラッシュにも、DF石原滉大(2年)を中心に守備陣がゴールに鍵を掛け続ける。
ファイナルスコアは2-1。「キャプテンとしては交代してしまったことが情けないですけど、ビデオを撮っていても、みんながあれだけプレスを掛けて、いい試合をしてくれたので、勇気をもらいましたね」。石山にも、チームメイトにも、前日の悔しさを払拭するような逆転勝ちに、眩しい笑顔が弾けた。
もともとボランチが本職だった石山だが、昨シーズンは左サイドバックで起用されると、プレミアリーグプレーオフでも2試合にフル出場を果たし、8度目のプレーオフ挑戦で初めて掴んだプレミア昇格にきっちり貢献。貴重な180分間の経験値を積み上げた。
「ジュニアユースでは[4-3-3]のアンカーをやっていて、自分はセンターバック、サイドバック、ボランチならどこでもやれると思います」とは本人だが、再びボランチに戻った今季は、サイドバックでのプレーが生きている感覚があるという。
「去年はサイドバックで180度の視界だったところから、ボランチは360度の視界なので、恐怖感もあるんですけど、楽しさもあるなという感じですね。常に身体の向きとか、周りを見る回数を増やしていくことは、より意識しています」。目指すのはトニ・クロースとエンゴロ・カンテのハイブリッド。攻守に効き続けるボランチを真剣に目指していく。
昨シーズンからレギュラーを務めているのは、石山とMF小澤春太(中学3年)の2人だけ。大半の主力が卒業した中で、キャプテンを託された背番号4は、もう既にチームを牽引する強い覚悟を携えている。
「去年の古屋(歩夢)選手や永井(大義)選手のような圧倒的な個は、今年のチームにはないので、まとまらないとプレミアでも勝てないと思いますし、去年は自分のプレーに集中していれば、自ずとチームも良くなるイメージだったんですけど、今年は下の学年がどういうふうに考えているかも見ないといけないので、もっと周りのことも見ながら、自分がチームをまとめて、意識が高い選手の多い集団を目指していきたいなと思います」。


最初にベガルタのスクールでボールを蹴り始めたのは、まだ幼稚園に通っていたころのこと。それから13年近い時間が経ち、プレミア初挑戦のシーズンにユースのキャプテンへ指名されたことに、運命を感じていないはずがない。力強い言葉で、石山が今季へ想いを馳せる。
「自分はスクール時代からベガルタにいるんですけど、ユースでずっとプレミアに上がれない時期を、スクール、ジュニア、ジュニアユースと見てきたので、去年昇格を達成しての今年ということで、モチベーションは高いですし、そんな年にキャプテンをできるなんて、もう最高ですよね」。
「今はトップも結果を出してくれている中で、サポーターが『ユースはどうなんだ?』と気にしてくれた時に、ユースも勝っていれば『強いじゃん』というふうに思ってもらえるので、チームとしてはプレミア3位以内を目指しています。その中で個人的な目標は全試合フル出場して、トップチームに昇格したいです」。
このクラブに求められることならば、全部100パーセントのエネルギーでやり切ってやる。ベガルタゴールドの血が流れている、アカデミーに育まれた新キャプテン。石山葉琉はまだ見ぬプレミアの舞台を、頼れる仲間たちとともに、力強く、堂々と、戦い抜く。


(取材・文 土屋雅史)



