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[イギョラ杯]35歳のベテランボランチに学んだ「プロレベルの気遣い」の水準。岡山U-18MF松本優輝は「個人で相手を上回れるような選手」への成長を誓う!

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ファジアーノ岡山U-18の新司令塔、MF松本優輝(2年=FCツネイシU-15出身)

[3.23 イギョラ杯予選リーグ 阪南大高 1-1 岡山U-18 東京朝鮮G]

 新たな指揮官を招聘し、新たなスタイルを志すチームの中で、果たすべき役割の大きさはもう十分にわかっている。攻撃でも、守備でも、あらゆる局面に顔を出し、関わり、ゲームを支配する。自分の出来で勝敗が左右される自覚を携えて、ピッチに立ち続ける。

「今年から自分のポジションも変わった中で、本当にアンカーが大事になってくると思っていますし、僕のところで簡単にボールを取られていたら、このサッカーはできないと感じているので、個人のレベルの質はもっと上げていかないといけないと思います」。

 中盤の中央でしなやかにボールを捌く、ファジアーノ岡山U-18(岡山)のコントロールタワー。MF松本優輝(2年=FCツネイシU-15出身)はレベルの高いステージで味わった貴重な経験を得て、未来を切り拓くための1年に力強く足を踏み入れている。


 23日に開幕した『第35回イギョラ杯国際親善ユースサッカー』。初日の2試合目に阪南大高と対峙した岡山U-18は、立ち上がりから丁寧なビルドアップで前進しながら、16分にはセットプレーの流れからMF五老海太智(2年)が先制点を奪い、1点をリードする。

「相手が1トップで、アンカーを消してくる縦関係で前プレに来ていた中で、センターバックがうまくフォワードに切られていたので、もうちょっと自分がボールを受けて、逆サイドに持っていけたんじゃないかなということは、やっていて思いました」と話すのは中盤のアンカーに入った松本。今季から就任した安部雄大監督の下、ボールを大事に動かすスタイルに着手している中で、よりピッチ上での思考も深まっている。

「相手が片側のサイドに寄ったのなら、自分を経由してサイドを変えたり、自分が直接変えなくても、自分が真ん中にいることで、相手がそこを締めてくれたら、外から越えられますし、そういうボールに間接的に関わることももっとやっていかないといけないと思います」。つまりは、常にゲームに関わり続けるということを意識しているというわけだ。

 試合自体は後半に追い付かれて1-1で引き分けたものの、新指揮官とトライしているサッカーには、ポジティブな成長の予感を抱いている。「僕は中学校の時のチームでもこういうスタイルでやっていましたし、求められることの質はより高いですけど、このサッカーができれば間違いなくチームも変われるなとは思います」。



 昨シーズンはプレミアリーグWESTで17試合に出場。ボランチからセンターバックへとコンバートされたことで、レギュラーポジションを掴んだ格好だったが、難敵ばかりの相手と対峙し続けるリーグ戦を通じて、チームの最後方を預かり、新しい視点を獲得することにも成功する。

「1年生の時は県リーグに出させてもらっていた中で、プレミアリーグは攻守においてよりスピード感もありますし、そういう試合を去年から経験できたのは個人として大きかったと思います」。

「守備のところでも競り合う回数が多かったので、ヘディングの仕方は自分のためになったかなと思いますし、ビルドアップでもセンターバックの気持ちがわかる分、アンカーに対してどういうことをしてほしいかという視点も考えられるようになりました」。今まで以上に周囲の選手への解像度が上がったことも間違いない。

 さらに昨年9月には『国際ユースサッカーin新潟』に臨むU-17日本代表に招集され、U-17新潟選抜戦とU-17オーストラリア戦の2試合にスタメン出場。初めての年代別代表で、世代トップレベルの空気感を味わうことになった。

「守備のところで、ボールに強く行ったり、前に出る意識がちょっと弱かった中で、代表は『前に行け、前に行け』というスタイルだったので、そういう意識は少し変わったのかなと思います。個人としてはあまり良いプレーができなかったので、またあそこの舞台に行きたいですし、代表定着も狙っていきたいです」。

 2009年1月5日が誕生日という、“早生まれ”に当たるため、松本は今年開催されるU-17ワールドカップの出場資格も有している。181センチのサイズと、センターバックとボランチを兼任できるユーティリティ性も武器に、代表へ食い込んでいく野心もきっちりと持ち合わせているようだ。



 アカデミーラストイヤーに差し掛かった今年の初頭には、トップチームのキャンプにも帯同。プロサッカー選手たちの日常に解き放たれ、トレーニングマッチにも出場したことで、ここでも新たな気づきを手にしたという。

「相手はユースの選手が多かったんですけど、鹿島戦に出させてもらった中で、ターンして前を向くことは少し出せたと思いますけど、プレスバックの時の走力だったり、1対1の強度はまだまだ足りないなと思いました」。

 練習の中で影響を受けたのは、今年で35歳になったベテランのボランチだ。「竹内(涼)さんはメチャクチャ気が利く選手で、一緒に2ボランチを組ませてもらった時にも、いて欲しいところにいてくれますし、守備の走力も参考にしないといけないなと痛感しました。ビルドアップや前プレのところは話をさせてもらって、アドバイスももらったので、それが大きかったと思います」。



 U-18でのレギュラー奪取。年代別代表への招集。そして、トップチームのキャンプ参加。順を追ってステップアップしながら、迎える勝負の2026年。ここまで来たら、もう前に進み続けるしかない。

「個人的にはこの半年で、チームとしてももちろんですけど、個人としてももっと強度の部分を付けていかないといけないと思っていますし、プレミアではもちろん、トップチームに行っても、個人で相手を上回れるような選手になっていかないといけないなと思います」。

 スラリとした体躯に、飄々とした佇まいの中には、まだまだ飛躍を遂げていきそうな可能性が、十分に秘められている。岡山U-18の心臓部を任された、4番を背負う司令塔。松本優輝のさらなる進化は、チームとしても3年目を迎えたプレミアで期す躍進に、必要不可欠だ。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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