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[イギョラ杯]三兄弟が掲げるのは「3人でプロになる」ための未来予想図!岡山U-18MF行友翔音は「ファジアーノを選んだ」決断を正解にするための1年を過ごす!

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ファジアーノ岡山U-18のレフティアタッカー、MF行友翔音(2年=プラシア山口ジュニアユース出身)

[3.23 イギョラ杯予選リーグ 阪南大高 1-1 岡山U-18 東京朝鮮G]

 単身で岡山へと身を投じて2年。恵まれた環境で、ハイレベルなチームメイトとともに、着実に成長を続けてきた実感はある。ただ、今の自分に満足するつもりは毛頭ない。見据えるべきは、乗り越えるべきは、先を走る2人の兄の背中。そのためにできることは全部やってやる。

「去年はプレミアの試合に多く出させてもらって、毎試合相手のレベルの高さを感じて、1試合1試合で得られるものも本当に大きかったですけど、3年生がプレミアに残留させてくれた中で、去年と同じことをやっていてもダメだと思うので、個人としても、チームとしても、意識をしっかり変えていきたいと思います」。

 右サイドをドリブルで颯爽と切り裂く、ファジアーノ岡山U-18(岡山)の突貫系ウイング。MF行友翔音(ゆくともかのん/2年=プラシア山口ジュニアユース)は自身の武器と課題を真摯に見つめながら、叶えるべき目標に向かって一直線に突き進む。


「初戦で負けてしまって、それをエネルギーに変えてやっていこうという話はしていた中で、前半からチームとしても点が獲れたんですけど、後半は守備に回る時間も多くて、結果はまた勝ち切れなかったので、2点目、3点目を獲れる試合にしていきたかったなと思います」。

 ドロー決着となった70分間を、行友はそんな言葉で振り返る。『第35回イギョラ杯国際親善ユースサッカー』の初日。0-1で敗れた東京朝鮮高との1試合目を経て、この日の2試合目では阪南大高と向かい合う。



 右ウイングに入った行友が、その左足の威力を見せ付けたのは前半16分。自ら蹴った右CKがこぼれると、「自分はキックを得意にしているところもあるので、あそこは個人としても狙っていたところです」と再び右サイドからピンポイントクロス。ファーで合わせたMF五老海太智(2年)のボレーはポストの内側を叩いて、ゴールへと転がり込む。

 新指揮官が志すスタイルの中で、為すべきこともきっちりと把握している。「今年から監督が安部さん(安部雄大監督)に変わって、求められていることもちょっとずつ整理できてきています。サイドで時間を作ることと、自分はスピードも自信を持っているので、背後をどんどん取ること、あとは数字というところで、クロスで終わってアシストしたり、シュートで終わって点を決めたりすることが、自分のやるべき役割なのかなと思っています」。

 後半は左ウイングに回っていたものの、チームは1点を返され、終盤は再び右ウイングへ。ベンチサイドだったこともあり、消極的なミスには安部監督からシビアな檄が飛んだが、その意味も、寄せられている期待も、はっきりと感じている。

「アレも自分があまり良くなかったからですね。なかなかアタッカーとして結果が残せていないので、そこは安部さんも求めているところだと思いますし、これからもプレミアの開幕前まで遠征が続いていくので、結果にこだわってやっていきたいと思います」。試合は1-1でドロー決着。自身の明確な結果を希求する行友の悔しそうな表情が印象的だった。



 もともと山口出身の行友は、中学時代はプラシア山口ジュニアユースでプレー。高校進学時にはいくつかの進路の候補が挙がっていた中で、岡山U-18を選んだ最終的な決め手は、チームの空気感だったという。

「何個か選択肢はあったんですけど、チームの温かさというか、全員の団結力みたいな部分を練習参加の時に感じたのは大きかったです。あとはトップチームもそうですけど、攻守にアグレッシブなサッカーをやっているところに魅力を感じたので、ファジアーノを選びました」。

 加入後はいきなり1年時のプレミア開幕戦で出場機会を与えられると、シーズンを通じて9試合に出場。2年に進級した昨シーズンは、20試合に出場して2ゴールをマーク。夏のクラブユース選手権でも、結果的にファイナリストとなったベガルタ仙台ユース相手にゴラッソを叩き込むなど、随所で印象深い活躍を披露する。

「自分は守備が課題だったので、プロを目指すうえでもそこは絶対にやらなくてはいけないところですし、90分走り切る走力だったりと、求められることは多いので、ファジアーノを選んで良かったかなと思います」。下した選択を正解に導くため、アカデミー最後の1年も100パーセントの熱量で戦い抜く。



 強く意識すべきは、2人の兄の存在だ。1人はポルトガルでもプレーし、現在はJ3を戦う愛媛FCに所属している行友翔哉(とき)。もう1人は鹿屋体育大の1年生で、先月のデンソーチャレンジカップでは九州選抜にも選出された行友祐翔(ゆうは)。4歳上と2歳上の彼らとは、ともに誓っている約束がある。

「一番上の兄はプロにいて、二番目の兄も大学で頑張っていて、最近はデンソーのメンバーにも入りましたし、自分としても良い報告があるたびに刺激になっています。兄弟としては『3人でプロになる』という目標があるんですけど、これからのサッカー人生の中でも、何があってもあの2人には負けたくないなと思います」。

 三兄弟で掲げた夢を叶えるためにも、2026年は間違いなく勝負の年。簡単なチャレンジではないこともわかっているけれど、自分で選んだこのチームで、みんなともっと良い景色へとたどり着くには、もう覚悟を決めるしかない。

「個人としては、もうすぐ上にトップチームが見えているので、そこに昇格するということは考えています。チームとしてはプレミアで残留争いするのではなく、1つでも上の順位に行くことを掲げているので、自分が攻撃でチームを引っ張っていって、良い年にしたいなと思います」。

 怯まず、行く。怖じずに、戦う。視界が開けたら、とにかく前へ、前へ。岡山U-18に強烈な推進力をもたらす、山口産のレフティアタッカー。行友翔音はその左足にあふれる情熱を宿し、望んだ未来を逞しく引き寄せる。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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