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[船橋招待]トップ昇格の「2人の先輩」と切磋琢磨してきた環境への感謝。鹿島ユースDF倉橋幸暉が期すのは「チームの中で一番戦える選手」へのチャレンジ

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鹿島アントラーズユースの新4番、DF倉橋幸暉(新2年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)

[3.27 船橋招待U-18大会 鹿島ユース 2-1 静岡学園高 稲毛海浜公園球技場]

 国内有数のハイレベルな“先輩”たちとポジションを巡って競い合った1年の経験値は、間違いなく今の自分を形作る血肉になっている。でも、もう憧れてばかりはいられない。彼らを乗り越えた先に、もっと素晴らしい景色が待っていると信じて、このリーグでも圧倒的な存在へと駆け上がってやる。

「去年は自分としても凄く成長できた1年で、(大川)佑梧くんと(元砂)晏翔仁(ウデンバ)とポジション争いができるということは、日本の中でもなかなかない環境だと思うので、それができたのは本当に大きかったです。でも、まだ今年は去年の経験を出し切れていないところがあるので、もっと成長できるように頑張りたいと思います」。

 優雅な身のこなしも印象的な、鹿島アントラーズユース(茨城)のディフェンスリーダー候補。DF倉橋幸暉(新2年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)は今度こそ世界への挑戦権を掴み取るべく、課題と真摯に向き合い、一歩ずつ、一歩ずつ、日々進化し続ける。


「失点しないことが一番だと思っていた中で、1失点してしまいましたし、自分の特徴は前にドリブルで持ち運んだり、ロングパスでチャンスを作ることなんですけど、今日はそういうところを出せなかったので、もっと出していきたいです」。

 倉橋は自身のパフォーマンスへ厳しい目を向ける。『第30回船橋招待U-18サッカー大会』初日の静岡学園高戦。前後半で違うパートナーとセンターバックコンビを組み、全体をコントロールしながら、攻撃の基点も創出していたように見えたが、本人は納得が行っていなかったようだ。

 より基準を高く見据えているのは、先日まで参加していたU-17日本代表のアルゼンチン遠征で、明確な課題を突き付けられたからだ。「南米の選手はフィジカルも凄かったですし、その中でやってきた経験を生かして、今日も競り合いで勝てた部分もあったんですけど、何回か負けてしまって……。国内では絶対に負けてはダメだと思いますし、自分がもっとチームを引っ張っていかないといけないと思います」。

 この日の試合には、U-17日本代表を率いる小野信義監督も視察に訪れていただけに、気持ちが入っていたこともは間違いない。「この間の代表活動はアジアカップに向けてアピールする場所だったんですけど、あまり自分としてはアピールできなかった分、信義さんが今日見に来ることはわかっていたので、『絶対に代表に入る』という気持ちで、気合をもう1回入れ直していたところはあります」。

 昨年のU-17ワールドカップを戦ったチームにも“飛び級”で招集を受け、最終的にメンバーに食い込むことはできなかったものの、トレーニングパートナーとして本大会開催地のカタールまで帯同。世界のピッチを間近で体感し、真剣勝負の空気を味わってきた。

 だからこそ、自分たちの世代になった今年こそは、絶対にあの舞台へプレーヤーとしてたどり着くしかない。「もちろんワールドカップは意識していますけど、すぐにアジアカップがあるので、そこには絶対に選ばれるという気持ちで、残り少ない時間でも自分の力を出してアピールしていきたいです」。不退転の覚悟で、まずは5月開催の『AFC U17アジアカップ』のメンバー入りに向けて、猛アピールを続けていく。



 ジュニアユースからユースへと昇格した昨シーズンのプレミアリーグEASTでは、9節の浦和レッズユース戦でスタメンに抜擢され、リーグデビューを果たすと、DF元砂晏翔仁ウデンバ(新3年)とセンターバックコンビを組み、フル出場で勝利に貢献。以降はボランチでの起用も含めて、11試合に出場して貴重な経験を積み重ねた。

 本職のセンターバックでポジションを争ったのは、トップチーム昇格を手繰り寄せたキャプテンの大川佑梧と、やはり既にプロ契約を締結している元砂。強烈な2人とトレーニングから切磋琢磨してきた環境が、さらなる成長を促さないはずがない。

「佑梧くんも晏翔仁もそうですけど、近くにああいう選手がいるというのは、自分にとっても凄く大きなことですし、常に自分の成長に繋がるので、とても良い環境だなと思っています」。

 さらに、今シーズンは昨年まで大川が付けていた背番号4を継承。まだ本人には報告していないそうだが、この番号を託された意味は、誰よりも自分が一番強く理解している。

「佑梧くんは自分にとっても憧れの存在ですし、自分にとっては10番以上に4番の方が重みのある番号なので、付けられることはとても嬉しいです。でも、この番号を背負うからには佑梧くんを超えないとダメだと思いますし、今年はもう佑梧くんを超える気持ちで頑張っていきたいです」。



 プレミアリーグ、クラブユース選手権、Jユースカップの高校年代三冠を達成した“最強チーム”を受けて、身を投じる2026年シーズン。いくつもの目指さなくてはいけないステージに立つためにも、今できることは全部やり切って、自分の殻を力強く破ってやる。

「(中野洋司)監督からも言われているんですけど、去年のチームを超えるには、まず自分が去年以上の力を出さないと、佑梧くんの抜けた穴は埋められないと思いますし、佑梧くんみたいに声を出したり、戦うプレーをどんどん出して、キャプテンの(大貫)琉偉以上に、チームの中で一番戦える選手になりたいです」。

 秘めたパッションを解き放つ。抱えた野心は隠さない。鹿島ユースの最終ラインをしなやかに束ねる、16歳のクレバーな護り人。倉橋幸暉にとって、望んだ未来へと続いていく扉を、自らの力で逞しくこじ開けるための1年が、いよいよ幕を開ける。



(取材・文 土屋雅史)
土屋雅史
Text by 土屋雅史

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