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「ゴールへの野心」を燃やす若きクリムゾンレッドの快勝劇!神戸U-18は昨季までの指揮官が率いる岡山U-18を5-0で撃破して開幕連勝!

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ヴィッセル神戸U-18はホーム開幕戦で5発快勝!

[4.12 プレミアリーグWEST第2節 神戸U-18 5-0 岡山U-18 いぶきの森球技場]

 最高に近い開幕スタートが切れた手応えはあるけれど、それで満足するようなつもりはさらさらない。改めて目指すのは、あと一歩で届かなかったこのリーグの頂。まずはあの舞台へ帰り着くためにも、新たな指揮官と、この仲間たちで、今できる努力を1つ1つ積み重ねていくだけだ。

「開幕からも1試合1試合を通して、徐々に成長できている感覚もあるんですけど、その中で勝ちながら課題を克服していくことが大事だと思うので、負けないことは徹底して、さらに連勝を続けられるように、来週の練習からやっていければと思います」(ヴィッセル神戸U-18・上野颯太)

 凱旋した恩師を前に、5発快勝!12日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2026 WEST第2節で、ヴィッセル神戸U-18(兵庫)とファジアーノ岡山U-18(岡山)が対峙した一戦は、1年生のFW山田凌也のハットトリックもあって、神戸U-18が5-0で勝利。開幕連勝を飾っている。


 この日の試合には“特別な要素”が乗っていた。岡山U-18を率いるのは、昨季まで神戸U-18の指揮を執っていた安部雄大監督。慣れ親しんだいぶきの森への凱旋に、「ちょっとドキドキしましたね(笑)。今までここには何度も来ていながら、こんな感情にはならなかったですし、ちょっと特別な感情は持ちました」と本人が話せば、昨季まではU-15の監督を務めていた神戸U-18の山道高平監督も、「安部さんとやれて嬉しいなという喜びと、絶対負けたくないという想いもあって、不思議な感覚でしたね」と言及。試合前には選手たちも安部監督の元へあいさつに訪れるなど、そこかしこで旧交を温めるシーンを見ることができた。

試合前に神戸U-18の選手と旧交を温める岡山U-18・安部雄大監督



 試合は「前回の鳥栖戦の時は3枚だったんですけど、今回は4-3-3のスタイルの方が岡山にはハマるんじゃないかと、1週間取り組んできました」と山道監督も話したように、サガン鳥栖U-18を3-0で下した開幕戦の[3-4-2-1]から、[4-3-3]にシフトしてきたホームチームが立ち上がりからペースを掴むと、早くも開始8分でスコアが動く。

 U-16日本代表のフランス遠征から帰国し、これがプレミアデビュー戦となったMF花元誉絆(1年)が右へ振り分け、MF上野颯太(3年)はシンプルに縦へ。受けたFW川端彪英(3年)は華麗なターンで前を向くと、角度のない位置から右足一閃。ボールはニアハイを抜けて、ゴールネットへ突き刺さる。

「上野からパスは来ると思っていたので、あとは自分がファーストタッチでいかにシュートを打てる場所へ持っていけるかを意識していました」と振り返った背番号10は、これがシーズン3点目。1-0。神戸U-18がいきなり1点のリードを手にする。




 早々にビハインドを追いかける展開となった岡山U-18は、右にMF行友翔音(3年)、左にDF五老海太智(3年)を配した両サイドハーフにボールが入った時には、単騎勝負でチャンスの芽までは生み出すも、なかなかフィニッシュまでは至らず。30分には右サイドでFW元野蒼空(2年)が粘って残し、行友が枠へ収めたシュートは神戸U-18GK胡云皓(3年)がしっかりキャッチ。同点には追い付けない。

 32分は神戸U-18。DF西村水岐(3年)を起点に上野が繋ぎ、山田が狙ったシュートはわずかに枠の左へ。35分も神戸U-18。MF里見汰福(2年)のパスから、FW上本佳生(3年)のミドルはゴール左へ。36分は岡山U-18。キャプテンマークを巻くFW安西来起(3年)がボールを収め、元野は右へ展開。行友の正確な折り返しを安西が合わせたシュートは、しかし枠の上へ。前半は1-0のままで45分間が推移した。


 後半に入ると、次の得点もホームチームが奪う。3分。里見とのワンツーから右サイドを駆け上がった上野は丁寧なスルーパス。「『ここに入ったら出してくれるやろな』と信じて」走った山田が、利き足とは逆の右足で流し込んだシュートが、ゴールネットを揺らす。2-0。

 勢いは止まらない。11分。MF井内亮太朗(2年)からボールを引き出した花元は、前方へ柔らかいループパス。「パスを出す前に目が合った」という山田がマーカーと競り合いながら、左足で浮かせた軌道はゴールへと吸い込まれる。3-0。一気に点差が開く。



「前半は何とか凌いでいた部分はあるんですけど、『守って守ってカウンターよりも、今自分たちがやってきたことをやろうよ』と送り出しました」と安部監督も話した岡山U-18も諦めない。16分。MF松本優輝(3年)、安西とパスを動かし、右から行友が枠へ飛ばしたシュートは、胡がファインセーブで応酬。17分にも右から元野が打ち切ったシュートは、ここも胡にキャッチされたものの、続けて惜しいシーンを作り出す。

 だが、20分に驚異の1年生がさらなる輝きを放つ。DF菊池謙剛(2年)のパスに走った上本が左から中央へ折り返すと、「ファーに入るふりをして、マイナスでしっかり決め切ることを意識していました」という山田のシュートは、左スミのゴールネットへ到達する。「『アシストしたヤツにちゃんとお礼を言っておけよ』と言いました」と笑ったのは山道監督だが、これで背番号42はなんとハットトリックを達成。4-0。試合の趨勢を決定付ける1点が、神戸U-18に入る。



 ゴールラッシュのホームゲームを締めくくったのはクリムゾンレッドのストライカー。45分は神戸U-18の左CK。井内の蹴ったキックがエリアの外で待っていた川端へ届き、右足で振り抜いたボレーがゴール右スミへグサリ。「井内が良いボールをくれたので、あとはトラップでしっかり収めて打つだけでした。自分でも驚くぐらいのシュートで気持ち良かったです」と語った背番号10の強烈な一撃で勝負あり。

 ファイナルスコアは5-0。「でき過ぎだとは思いますけど、選手たちがのびのびとプレーしてくれたのは良かったと思います」と山道監督も語った神戸U-18が、その高い攻撃力を存分に披露しながら、DF坂口佑樹(3年)と西村を軸にした守備陣も無失点を最後まで貫き、連勝を引き寄せる結果となった。




「前節は結構相手に持たれる時間もあって、カウンターが多かったんですけど、今日は自分たちのサッカーが長い時間できたかなと思いますね」と里見が話せば、川端も「山道さんも『今週は自分たちのサッカーをしよう』と言っていたので、そういう部分では全員良いプレーが多かったと思います」と口にしたように、神戸U-18は開幕節の反省を生かす格好で攻撃陣が爆発。ホームで最高に近い90分間を過ごすことに成功した。

 今季からチームの指揮を任されている山道監督が、試合後に教えてくれたことが興味深い。「いつもミーティングで言うんですけど、僕らはサイドで基点を作って、ポケットを崩してということももちろん狙うんですけど、そこを目指してないよねと。ゴールを目指さないと相手も怖くないですし、相手のサイドバックではなくて、センターバックをどうやって“壊す”かは、トレーニングの中でもどんどんやっていることなので、そういう感覚が身に付いてきているのかなと思います」。

「それがアシストであろうが、自分のゴールであろうが、もっとゴールに向かって行く姿勢がないと、相手も怖くないんじゃないという話はずっとしてきているので、彪英も山田も今は“野心”を持ってどんどんゴールを目指してくれていますし、別に枠を外れようが、チームにはプラスのことなので、どんどんチャレンジさせています」。

 この日のシュート数は実に26本。多くの選手が“野心”を携えて、自らのゴールを欲するプレーには、より攻撃的なスタイルを追い求める今シーズンへの高いモチベーションが窺えた。

 それでもあくまで目指すのは、昨年末にPK戦の末に鹿島アントラーズユースに敗れたプレミアリーグファイナルの舞台に返り咲き、そこで今度こそ勝利を掴み取ること。そのためには慢心している余裕なんて、あるはずもない。

「この2試合の手応えは結構良かったと全員が思っていますけど、僕たちはファイナルで優勝するのが目標なので、これからも勝ち切るところをしっかり勝ち切って、そこに繋げていきたいと思います」(川端)

「開幕戦を良い形で終えられて、その勢いを2戦連続で続けられたというのはとても大きいことですけど、ここで満足したらダメだと思うので、来週からも1個1個勝つというところにフォーカスしてやっていけたらなと思います」(上野)

 いぶきの森に満ちていた野心は、きっとプレミアのいばらの道を切り拓いていく推進力へと、間違いなく変わっていく。若きクリムゾンレッドが突き進む、約束の場所への一本道。今シーズンも神戸U-18は、上手くて、強くて、面白い。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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