いつだってその週の競争を勝ち抜いた選手が「ベストメンバー」!G大阪ユースは米子北の強度に劣勢を強いられるも89分の決勝弾で劇的勝利!
[4.25 プレミアリーグWEST第4節 G大阪ユース 1-0 米子北高 OFA万博フットボールセンター グラウンドB]
リーグの中でも毛色の違う、高い強度を誇る相手を前に、決して思うような試合展開を作れたわけではない。それでも、戦う。走る。身体を張る。自分たちの技術には絶対的な自信を持っている。だからこそ、相手の土俵でもやり切れることを証明するだけだ。
「“アジアカップに行ってる組”がいないから負けた、みたいな感じになるのは絶対に嫌でしたし、チーム全体でもそれは言っていたので、『ここだけは絶対に落とせへんな』と試合に挑みました。我慢の時間帯が多かったですけど、最後まで粘り強く戦って、結果としては勝てて良かったかなと思います」(ガンバ大阪ユース・岡元侑大)
粘って、粘って、89分に決勝弾!25日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2026 WEST第4節で、ガンバ大阪ユース(大阪)と米子北高(鳥取)が激突した一戦は、劣勢を強いられたG大阪ユースがMF村田康輔(3年)のゴールで1-0と勝利。開幕から無敗をキープしている。
開始1分のファーストシュートは米子北。左サイドの深い位置まで侵入し、DF森元聖(3年)の折り返しを、FW黒崎煌(3年)は思い切り良くシュート。軌道は枠の右へ外れたものの、アウェイチームがいきなり滲ませた勝利への意欲。
16分も米子北。左サイドをFW大原暁(3年)が力強く仕掛け、ルーズボールを拾ったボランチのDF岸本実(3年)はミドルにトライ。G大阪ユースGK野畑優真(3年)がキャッチするも、「今年は連続、連動ができているので、守備が良い形でやれていることが攻撃に繋がっていると思います」とキャプテンのDF熊野俊典(3年)も話したように、攻守の素早い切り替えから米子北がゲームリズムを引き寄せる。


一方のG大阪ユースは「いつもだったら1枚剥がせたりできるんですけど、今日は引っ掛けられることが多かったと思います」とキャプテンのDF丸岡海太(3年)が話せば、「自分のところでセカンドボールを収められたら一番良かったですけど、前半はなかなか落ち着かせられなかったです」とはボランチのMF深江龍明(2年)。相手のハイプレスに縦パスが引っ掛かることも多く、中盤の攻防もやや押され気味に。厳しい時間が続く。
21分はホームチームに決定機。左サイドでスローインをFW加賀野統(1年)が丁寧に落とし、MF笠井直樹(1年)のパスからMF助川峻英(1年)は右足でクロス。米子北のGK高瀬壮太(3年)の鋭い飛び出しもあって、収めたFW江阪隼斗(1年)のシュートはわずかにゴール右へ外れるも、1年生4人でビッグチャンスを創り出す。
41分もG大阪ユース。右サイドで江阪を起点に、深江がヒールで残し、江阪は中央にスルーパスをグサリ。走った加賀野のシュートはよく戻った米子北のDF清水大世(3年)が身体で防ぎ、FW安井司(3年)のフィニッシュは枠の右へ。45分は米子北。相手のゴールキックを清水が跳ね返し、黒崎の巧みな浮き球に抜け出した大原が、GKの頭上を狙ったシュートはゴール左へ。前半はスコアレスで推移した。


後半も勢いよく飛び出したのはアウェイチーム。6分。こぼれを拾った大原のシュートはゴール左へ逸れるも、際立つストライカーの積極的なトライ。10分。大原が時間を作り、MF奈良碧士(3年)のシュートは枠を外れたものの、右のMF金定秀芽(3年)、左のMF洞琉斗(3年)と両サイドハーフも推進力を発揮した米子北は、ペースを明け渡さない。
17分も米子北。右から黒崎が蹴り込んだCKに、奈良が合わせたヘディングはゴール右へ。21分も米子北。熊野の縦パスを黒崎がきっちり捌き、大原が左に流れながら枠へ収めたシュートは野畑がキャッチ。チャンスメイクは十分。あとはゴールだけという時間が続く。
「後半はちょっとずつですけど、自分のところにボールが入るようになってきたと思います」と深江も言及したG大阪ユースも、少しずつパスワークにスムーズさが現れ始めるも、相手陣内ではなかなか好機を作り切れない中で、右からMF樋口健志(1年)、DF岡元侑大(2年)、丸岡、笠井で組んだ4バックは高い集中力を保ち、失点は許さない。




38分は米子北。黒崎が左へ振り分け、DF岩佐豪留(2年)のクロスに、走り込んだMF細川斗暉(3年)のヘディングは野畑がキャッチ。42分はG大阪ユース。MF藤井英翔(1年)、MF笠井太史(2年)とボールを繋ぎ、エリア内でFW川野聖(2年)が放ったシュートは、懸命に戻った米子北のDF成田天夢(2年)が身体でブロック。G大阪門真ジュニアユース出身のセンターバックが、最後の局面で意地を見せる。
試合に決着を付けたのは、「宇佐美選手に憧れを持っている」青黒の背番号7。試合終了間際の44分。深江が好フィードを送ると、飛び出したGKの鼻先で川野が一瞬早くヘディング。相手のクリアを拾った村田は「ミートすることだけを考えて足を振りました」と右足一閃。鋭い軌道が左スミのゴールネットへ突き刺さる。
「今年はまだ点が獲れていなかったので、ホッとした感じですね。みんなが自分のところに来てくれて、嬉しかったです」と笑った村田のプレミア初ゴールは、そのまま決勝点に。「内容としては全然良くないゲームだったんですけど、後ろも失点ゼロで終われて、勝てたことは本当に良かったです」(丸岡)。最後まで粘り強く戦い抜いたG大阪ユースが、後半唯一のシュートを得点に結び付け、劇的な勝利を手繰り寄せる結果となった。






公式記録上のシュート数を見ると、米子北の10本に対し、G大阪ユースは4本。「相手が強いので、それに耐えるしかなかったです。1年生も多かったので、『耐えれるかな』と思ったんですけど、奇跡的に勝てました」と町中大輔監督も苦笑交じりに語ったホームチームにとって、この日の90分間がとにかく苦しい試合だったのは間違いない。
冒頭で岡元も言及していたが、MF藤本祥輝(2年)とFW岡本新大(2年)が『AFC U17アジアカップ』に臨むU-17日本代表に選出されたため、今節から最大で1か月近く欠場することに。既にトップチームとプロ契約を締結しているDF横井佑弥(3年)もヒザの大ケガで長期離脱を強いられる中、今節は5人の1年生がスタメン出場していたが、それについて尋ねられた指揮官はきっぱりとこう言い切った。
「ケガ人もいますけど、3年生も含めていい選手やと思って使っているので、そこは今いる戦力でのベストメンバーです。そういう意味ではメチャメチャ鍛えられますね。いい試合でした」。
昨年12月のエジプト遠征には招集されながら、今回のU-17日本代表には選ばれなかった深江の言葉も印象深い。「アジアカップに行っているメンバーが2人いて、僕もそこに絡みたかったんですけど、その分こっちで成長できることもあると思うので、そういう責任感を強く持ってやっていました」。
前節の神村学園高戦も一時は2点のビハインドを背負いながら、終盤に追い付いて3-3とドロー決着。「去年はこういう試合を落としていたイメージなんですけど、前節の神村戦もどちらかと言うとよく追い付いたなというゲームだったので、ここで負けなかったというのは非常にプラスになるのかなと思います」と村田。自分たちの思い描いたような展開を作れなくても、どんなメンバー構成であっても、勝点を手にしていく力強さは確実に纏いつつある。
それでも、ゲーム内容も鑑みて、この日の勝利を手放しで喜ぶようなスタンスは、チームの中に微塵もない。「この勝利は1つの自信にはなったんですけど、しっかり自信が付く勝ち方ではなかったのかなと。次の試合もアジアカップメンバーもいないですし、横井選手もいないですし、それでも勝つことによって1年生も自信が付くと思いますし、そういう積み重ねでプレーも良くなっていくはずなので、キャプテンの僕がもっとチームを引っ張っていきたいなと思っています」(丸岡)
1年生でも、2年生でも、3年生でも、ピッチに立ったら全力を尽くし、目の前の勝利を掴み取るのみ。いつだって、その週の競争を勝ち抜いた選手たちがベストメンバー。G大阪ユースは個の成長をグループの成長に過不足なく繋げ、シビアなプレミアの大海原であっても、光が射すと信じる方へ、みんなで軽やかに、逞しく、泳いでいく。


(取材・文 土屋雅史)
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リーグの中でも毛色の違う、高い強度を誇る相手を前に、決して思うような試合展開を作れたわけではない。それでも、戦う。走る。身体を張る。自分たちの技術には絶対的な自信を持っている。だからこそ、相手の土俵でもやり切れることを証明するだけだ。
「“アジアカップに行ってる組”がいないから負けた、みたいな感じになるのは絶対に嫌でしたし、チーム全体でもそれは言っていたので、『ここだけは絶対に落とせへんな』と試合に挑みました。我慢の時間帯が多かったですけど、最後まで粘り強く戦って、結果としては勝てて良かったかなと思います」(ガンバ大阪ユース・岡元侑大)
粘って、粘って、89分に決勝弾!25日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2026 WEST第4節で、ガンバ大阪ユース(大阪)と米子北高(鳥取)が激突した一戦は、劣勢を強いられたG大阪ユースがMF村田康輔(3年)のゴールで1-0と勝利。開幕から無敗をキープしている。
開始1分のファーストシュートは米子北。左サイドの深い位置まで侵入し、DF森元聖(3年)の折り返しを、FW黒崎煌(3年)は思い切り良くシュート。軌道は枠の右へ外れたものの、アウェイチームがいきなり滲ませた勝利への意欲。
16分も米子北。左サイドをFW大原暁(3年)が力強く仕掛け、ルーズボールを拾ったボランチのDF岸本実(3年)はミドルにトライ。G大阪ユースGK野畑優真(3年)がキャッチするも、「今年は連続、連動ができているので、守備が良い形でやれていることが攻撃に繋がっていると思います」とキャプテンのDF熊野俊典(3年)も話したように、攻守の素早い切り替えから米子北がゲームリズムを引き寄せる。


最後方からチームを束ねる米子北のキャプテン、DF熊野俊典
一方のG大阪ユースは「いつもだったら1枚剥がせたりできるんですけど、今日は引っ掛けられることが多かったと思います」とキャプテンのDF丸岡海太(3年)が話せば、「自分のところでセカンドボールを収められたら一番良かったですけど、前半はなかなか落ち着かせられなかったです」とはボランチのMF深江龍明(2年)。相手のハイプレスに縦パスが引っ掛かることも多く、中盤の攻防もやや押され気味に。厳しい時間が続く。
21分はホームチームに決定機。左サイドでスローインをFW加賀野統(1年)が丁寧に落とし、MF笠井直樹(1年)のパスからMF助川峻英(1年)は右足でクロス。米子北のGK高瀬壮太(3年)の鋭い飛び出しもあって、収めたFW江阪隼斗(1年)のシュートはわずかにゴール右へ外れるも、1年生4人でビッグチャンスを創り出す。
41分もG大阪ユース。右サイドで江阪を起点に、深江がヒールで残し、江阪は中央にスルーパスをグサリ。走った加賀野のシュートはよく戻った米子北のDF清水大世(3年)が身体で防ぎ、FW安井司(3年)のフィニッシュは枠の右へ。45分は米子北。相手のゴールキックを清水が跳ね返し、黒崎の巧みな浮き球に抜け出した大原が、GKの頭上を狙ったシュートはゴール左へ。前半はスコアレスで推移した。


積極的に相手ゴールへ迫った米子北FW大原暁
後半も勢いよく飛び出したのはアウェイチーム。6分。こぼれを拾った大原のシュートはゴール左へ逸れるも、際立つストライカーの積極的なトライ。10分。大原が時間を作り、MF奈良碧士(3年)のシュートは枠を外れたものの、右のMF金定秀芽(3年)、左のMF洞琉斗(3年)と両サイドハーフも推進力を発揮した米子北は、ペースを明け渡さない。
17分も米子北。右から黒崎が蹴り込んだCKに、奈良が合わせたヘディングはゴール右へ。21分も米子北。熊野の縦パスを黒崎がきっちり捌き、大原が左に流れながら枠へ収めたシュートは野畑がキャッチ。チャンスメイクは十分。あとはゴールだけという時間が続く。
「後半はちょっとずつですけど、自分のところにボールが入るようになってきたと思います」と深江も言及したG大阪ユースも、少しずつパスワークにスムーズさが現れ始めるも、相手陣内ではなかなか好機を作り切れない中で、右からMF樋口健志(1年)、DF岡元侑大(2年)、丸岡、笠井で組んだ4バックは高い集中力を保ち、失点は許さない。


G大阪ユースのキャプテンを託されているDF丸岡海太


G大阪ユースのゲームメイカー、MF深江龍明
38分は米子北。黒崎が左へ振り分け、DF岩佐豪留(2年)のクロスに、走り込んだMF細川斗暉(3年)のヘディングは野畑がキャッチ。42分はG大阪ユース。MF藤井英翔(1年)、MF笠井太史(2年)とボールを繋ぎ、エリア内でFW川野聖(2年)が放ったシュートは、懸命に戻った米子北のDF成田天夢(2年)が身体でブロック。G大阪門真ジュニアユース出身のセンターバックが、最後の局面で意地を見せる。
試合に決着を付けたのは、「宇佐美選手に憧れを持っている」青黒の背番号7。試合終了間際の44分。深江が好フィードを送ると、飛び出したGKの鼻先で川野が一瞬早くヘディング。相手のクリアを拾った村田は「ミートすることだけを考えて足を振りました」と右足一閃。鋭い軌道が左スミのゴールネットへ突き刺さる。
「今年はまだ点が獲れていなかったので、ホッとした感じですね。みんなが自分のところに来てくれて、嬉しかったです」と笑った村田のプレミア初ゴールは、そのまま決勝点に。「内容としては全然良くないゲームだったんですけど、後ろも失点ゼロで終われて、勝てたことは本当に良かったです」(丸岡)。最後まで粘り強く戦い抜いたG大阪ユースが、後半唯一のシュートを得点に結び付け、劇的な勝利を手繰り寄せる結果となった。






公式記録上のシュート数を見ると、米子北の10本に対し、G大阪ユースは4本。「相手が強いので、それに耐えるしかなかったです。1年生も多かったので、『耐えれるかな』と思ったんですけど、奇跡的に勝てました」と町中大輔監督も苦笑交じりに語ったホームチームにとって、この日の90分間がとにかく苦しい試合だったのは間違いない。
冒頭で岡元も言及していたが、MF藤本祥輝(2年)とFW岡本新大(2年)が『AFC U17アジアカップ』に臨むU-17日本代表に選出されたため、今節から最大で1か月近く欠場することに。既にトップチームとプロ契約を締結しているDF横井佑弥(3年)もヒザの大ケガで長期離脱を強いられる中、今節は5人の1年生がスタメン出場していたが、それについて尋ねられた指揮官はきっぱりとこう言い切った。
「ケガ人もいますけど、3年生も含めていい選手やと思って使っているので、そこは今いる戦力でのベストメンバーです。そういう意味ではメチャメチャ鍛えられますね。いい試合でした」。
昨年12月のエジプト遠征には招集されながら、今回のU-17日本代表には選ばれなかった深江の言葉も印象深い。「アジアカップに行っているメンバーが2人いて、僕もそこに絡みたかったんですけど、その分こっちで成長できることもあると思うので、そういう責任感を強く持ってやっていました」。
前節の神村学園高戦も一時は2点のビハインドを背負いながら、終盤に追い付いて3-3とドロー決着。「去年はこういう試合を落としていたイメージなんですけど、前節の神村戦もどちらかと言うとよく追い付いたなというゲームだったので、ここで負けなかったというのは非常にプラスになるのかなと思います」と村田。自分たちの思い描いたような展開を作れなくても、どんなメンバー構成であっても、勝点を手にしていく力強さは確実に纏いつつある。
それでも、ゲーム内容も鑑みて、この日の勝利を手放しで喜ぶようなスタンスは、チームの中に微塵もない。「この勝利は1つの自信にはなったんですけど、しっかり自信が付く勝ち方ではなかったのかなと。次の試合もアジアカップメンバーもいないですし、横井選手もいないですし、それでも勝つことによって1年生も自信が付くと思いますし、そういう積み重ねでプレーも良くなっていくはずなので、キャプテンの僕がもっとチームを引っ張っていきたいなと思っています」(丸岡)
1年生でも、2年生でも、3年生でも、ピッチに立ったら全力を尽くし、目の前の勝利を掴み取るのみ。いつだって、その週の競争を勝ち抜いた選手たちがベストメンバー。G大阪ユースは個の成長をグループの成長に過不足なく繋げ、シビアなプレミアの大海原であっても、光が射すと信じる方へ、みんなで軽やかに、逞しく、泳いでいく。


(取材・文 土屋雅史)
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