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[MOM5464]FC東京U-18DF田中遥大(3年)_「ずっと苦しかった」1年間を経て実感しつつあるメンタルの変化。負けられない一戦で高精度キックから2アシストを記録!

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2つのアシストで勝利を下支えしたFC東京U-18DF田中遥大(3年=FC東京U-15深川出身)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.2 プレミアリーグEAST第5節 FC東京U-18 3-0 仙台ユース 東京ガス武蔵野苑多目的グランド]

 必死に自分自身と向き合った1年を経て、確実にポジティブなマインドは醸成されつつある。いろいろなものが懸かったアカデミーラストイヤー。とにかく圧倒的な数字を残して、確かなチームの結果と個人の成果を、絶対に手繰り寄せてやる。

「やっと5試合目で結果が付いてきたんですけど、自分はリーグ戦で二桁アシストは絶対に達成しないといけないと思っていますし、今日は良い2アシストができたので、これからもどんな相手に対しても、結果に貪欲になっていきたいなと思いました」。

 連敗だけは避けたい一戦で2つの貴重なアシストを記録した、FC東京U-18(東京)の武骨な右サイドバック。DF田中遥大(3年=FC東京U-15深川出身)は磨き上げてきた右足のキックで、自らの望んだ未来を果敢に切り拓いていく。


「流経の選手はもちろん上手さもあったんですけど、切り替えがとても速くて、自分たちが想定していた以上のものだったので、ここからの試合では絶対に切り替えの部分を一人ひとりが意識してやっていくことが必要だと思います」。

 田中もそう振り返った前節の流通経済大柏高戦は、アウェイで1-3と敗戦。とりわけ切り替えや球際といったベースの部分での差を見せ付けられたことで、チームはポジティブな危機感の元、改めて練習から自分たちのやるべきことを見つめ直す1週間を過ごしてきた。

 ホームで迎えた第5節のベガルタ仙台ユース戦。並々ならぬ決意で挑んだ一戦は、立ち上がりからFC東京U-18がリズムを掴んだものの、「前半から保持できる展開もありながら、ゴールまで行けないことも多くて、ちょっとずつ焦れ始めた中で、相手が持つ時間も増えていったと思います」と田中。15分以降はジリジリした時間が続く。

 27分。右サイドでFW樋口佳(2年)が時間を作り、外へとショートパス。6番はその視界に、中央へ走り込んでくるMF梶山蓮翔(2年)の姿を捉える。「蓮翔とはだいぶ前に聖和学園と練習試合をした時も、あんな感じのシーンがあったので、そのイメージがたぶん合っていたと思います」。

 右足で蹴り込んだ完璧なクロスから、梶山が頭で押し込んだボールはゴールネットへ到達する。「聖和の時も同じサイドから田中遥大くんの良いボールが来たので、良い繋がりがあるのかなと思います」とスコアラーが笑えば、「ああいうクロスのシーンはいつも練習しているので、それが出たかなという感じです。蓮翔とはちょっとだけホットラインです(笑)」とはアシストの右サイドバック。ホームチームが先制点を奪う。



 さらにその右足が輝いたのは、もう1点を追加して迎えた後半29分。右サイドから田中が蹴ったCKに石村が合わせたシュートは、相手GKのファインセーブに阻まれるも、直後に再びコーナースポットに立った背番号6は、もらったばかりの“アドバイス”を頭の中に思い浮かべていた。

「あそこまでのCKは、結構ショートやトリックが多かったんですけど、コーチから『ちゃんと中に合わせれば入るぞ』ということを試合中に言ってもらったので、しっかり中に合わせようと思っていました」。アウトスイングで蹴り込んだ軌道は、マーカーを外した樋口の頭にドンピシャでヒット。ボールは確実にゴールネットを揺らす。

 負けられない一戦のスコアは3-0。きっちり2得点を叩き出した樋口のパフォーマンスはもちろんだが、右足を駆使した正確なキックで2つの得点を演出した田中が、この日の勝利に果たした役割も、語り落とすことはできない。



 1年時からプレミアで14試合に出場し、年代別代表にもコンスタントに招集されていた田中だったが、2年に進級した昨シーズンは一転してチーム内でスタメンを勝ち獲ることができず、目標にしていたU-17ワールドカップのメンバーからも落選してしまう。

「去年は1年通してうまく行かなかったところもあって、ずっと苦しかったですね。途中交代で入ることが多かったんですけど、チームの雰囲気に合わせられないことが多くて、スタメンを獲り返すことができなかったですし、メンタル的な部分で弱さが出てしまったのかなと思います」。

 なかなか光の見えてこない日々が続く中で、寄り添ってくれたのは今季からチームの指揮を執っている北慎監督だった。「何度も北さんと話してきた中で、『そこはオマエの弱さだから』とはっきり伝えてくれたので、自分もそことちゃんと向き合って、今はしっかりと練習に取り組めているので、これを継続して、もっと強い気持ちを持った選手になりたいなと思います」。

「もう去年を取り戻すことはできないですけど、今年は3年生としてチームを引っ張っていくという気持ちを持てているので、去年の悔しさを生かして頑張っていきたいです」。とにかく苦しんだ分だけ、人間的にも成長できた実感は、自分の中に間違いなく湧き上がっている。



 この仲間たちと、このチームで、同じボールを追い掛けられるのも今年が最後。みんなで笑って12月を迎えるためにも、自分にできることは全部やってやる。田中が携えている固い決意は揺るがない。

「トップ昇格を決めるために、前期のプレミアの試合はとても良いアピールになると思うので、一戦一戦自分がアピールできるところはしたいですし、もちろんチームのためになるようなことも、1つ1つちゃんと泥臭くやっていきたいなと思っています」。

「またすぐ3日後にヴェルディとの試合があるので、今日の結果に慢心するのではなく切り替えて、3日後にヴェルディに絶対勝てるように、また明日のトレーニングからしっかり取り組んでいきたいなと思います」。

 駆け上がる。任されたタッチライン際を、颯爽と、堂々と。正確なキックを刻める右足を有した、FC東京U-18のアグレッシブな右サイドバック。田中遥大は多くの人の期待を背負い、強い気持ちを心のど真ん中に据えて、勝負の1年を戦い抜く。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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