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前半早々に3得点を奪ったアグレッシブさを支えるのは「しんどいことにトライする」マインド!前橋育英は横浜FCユースに4発快勝で7度目の挑戦にして「今季初の連勝」達成!

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前橋育英高は7度目の挑戦で今季初のリーグ連勝を達成!

[10.11 プレミアリーグEAST第17節 前橋育英高 4-1 横浜FCユース 前橋育英高校高崎グラウンド]

 チームとしての練度が高まっていることも、このレベル感のリーグでも個々が力を発揮できるようになってきていることも、はっきりと自覚している。だからこそ、引き寄せたいのは『続けて勝つこと』。好調をしっかりと結果に結び付けること。17試合目にしてようやく達成した連勝は、やはり最高だった。

「もう後期が始まってから、ずっと連勝をチームとしても掲げていたんですけど、ちょっとした隙でベガルタの時もフロンターレの時もやられてしまって。ただ、今週はみんながメチャクチャいい雰囲気で練習していて、今日の円陣の前も、コーチ陣のミーティングの時も、『今回こそは連勝するぞ』という雰囲気があったので、それがやっと繋がったなと思います」(前橋育英高・山本翼)

 7度目の挑戦にして、今季初の連勝達成!11日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2026 EAST第17節で、前橋育英高(群馬)と横浜FCユース(神奈川)が対峙した一戦は、前橋育英が4-1で快勝。きっちり勝点3を積み重ねている。


 ファーストチャンスは最下位からの降格圏脱出を期すアウェイチーム。前半5分。トップ昇格が内定しているFW齋藤翔(3年)のパスから、MF福岡湧大(3年)がミドルシュートにトライ。軌道は枠の右へ外れたものの、まずは勝利への意欲を積極的なフィニッシュに滲ませる。

 だが、先制点は意外な形からもたらされる。9分。相手GKがバックパスを受けると、「金曜日の練習の時に松下さん(松下裕樹監督)から『左サイドのセンターバックからキーパーに入った時に、ちょっとオープンに置いて、もう一回戻す傾向がある』と言われていました」というFW柴田凌輔(2年)が、そのイメージ通りに猛プレスを敢行。GKのキックを右足に当てたボールは、そのままゴールへと転がり込む。今季初スタメンの2年生フォワードが大仕事。前橋育英が1点のリードを奪う。





 タイガー軍団は、容赦なく隙を狙う。13分。今度はFW関蒼葉(3年)が「キーパーが右利きで、左足だとキックの質がちょっと下がることもわかっていて、左側を消していたので、身体をひねって出すことはできないと考えて」、寄せたプレスからボールを奪って中央へ。MF笹蒼尉(3年)が無人のゴールへボールを流し込む。高い守備意識が生んだ連続得点。2-0。点差が広がる。





 勢いは止まらない。19分。キャプテンのMF山本翼(3年)のボールカットから、右サイドでいったんはロストしながら、粘って残した柴田が丁寧な折り返し。飛び込んだ山本のシュートは、左スミのゴールネットへ吸い込まれる。「前半の飲水までに3点獲れたことで、優位に試合を進められたと思います」という14番のキャプテンは、これが今季2点目。3-0。前橋育英が大きなアドバンテージを手にする。





 踏み込み続けるアクセル。38分。左サイドを関がドリブルで運び、丁寧なラストパス。柴田のシュートは交代出場となった横浜FCユースGK西方瑛太郎(2年)がファインセーブで凌ぎ、DF吉田和都(1年)が何とかクリア。43分。DF結城快成(3年)が巧みに背後へ落とし、MF瀬間飛結(3年)の丁寧なパスから、MF木下遙(3年)が枠へ収めたシュートは、ここも西方が弾き出したものの、「前からボールを奪いに行くことは試合前から決まっていて、それが最初からうまくハマったなという感じでした」とDF深見翔太(3年)も話したホームチームが内容、結果ともに圧倒して、最初の45分間は終了した。


 後半は反撃を期す横浜FCユースが2枚代え。守備に奔走した吉田和都とMF高原由翔(3年)に代えて、DF鈴木歩武(3年)とMF浅井翔(3年)を投入し、全体のバランス向上を図りつつ、改めて3点を追い掛ける態勢を整える。

 それでも、次の1点も前橋育英。後半3分。左サイドに開いた笹が、浮き球のパスを背後へピタリ。こちらも後半開始から投入されたMF嵯峨日向(2年)が、推進力のあるドリブルから折り返すと、ニアに潜った関のシュートはゴールネットを鮮やかに揺らす。「嵯峨が中に切り込んだ瞬間に、DFの視線がみんな中に行ったので、その視線の裏をかいて、ちょっと下がりながらポジションを取りました」という関の、ストライカーらしい“思考の一撃”。4-0。黄色と黒の歓声が鳴りやまない。




 小さくないビハインドを負った横浜FCユースも、5分にチャンス。右サイドをドリブルで運んだFW黒木星南(3年)を起点に、MF鈴木晴弥(3年)のシュートは前橋育英GK根岸彗也(3年)にキャッチされるも、9分にはDF吉田雅哉(2年)が送ったフィードを左サイドで確実に収めた齋藤が、カットインからゴール右スミへボールをねじ込む。9番のエースが沈めた追撃弾。4-1。アウェイチームも意地を見せる。





 1点を返された前橋育英だったが、「点を入れられた後に落ちることは結構あるので、それがないように『気を締めろ。油断するな』ということは、意識して声をかけたりしていました」と深見が言及したように、以降は交代カードも切りながら、全体の強度向上に着手。改めて相手のアタックの芽を確実に摘み取り、時計の針を進めていく。

 さらに終盤には、続けて好機を創出。39分。丁寧なビルドアップからDF石川悠介(3年)、DF中村孝成(2年)とパスを回し、右からMF佐々木悠太(3年)が折り返したボールを、MF安藤大地(3年)が打ち切ったシュートは、西方が何とかセーブ。41分。安藤とのワンツーで右サイドを崩したMF松下歩夢(3年)のシュートも西方にキャッチされたが、最後まで攻撃の手を緩めない。

 42分は横浜FCユース。黒木のパスを引き出した鈴木が、左サイドを切り裂いてクロス。MF浅井翔(3年)のボレーが枠を外れると、これがこの試合のラストシュート。「今週はトレーニングが良かったんです。メチャメチャいい雰囲気と、いい集中力でやってくれていて、彼らの準備がしっかりできていたので、それで結果が獲れて本当に良かったです」と松下監督も笑顔を見せた前橋育英が、ホームで4点を奪って快勝。声援を送り続けた応援団と、勝利の歓喜を分かち合った。




「前期は1回勝った後に、一度も連勝ができなくて、後期が始まった時に『やっぱり勝った、負けた、勝った、負けたという流れでは上に行けないから、連勝というところを勝ち獲って、上に行こうという話をしました」(松下監督)

 今節の白星でシーズン8勝目を飾った前橋育英だったが、6回も連勝に挑戦する機会がありながら、不思議とここまでは一度もそれを手繰り寄せることができていなかった。

 とりわけ後半戦は、第12節で首位の流通経済大柏高にアウェイで競り勝ったものの、翌節はベガルタ仙台ユースに逆転負け。第14節では東京ヴェルディユースに5-1で大勝を収めながら、連勝を期した川崎フロンターレU-18戦には、0-1で競り負ける。

 白星と黒星を繰り返し、前節は青森山田とのアウェイゲームに、後半41分の嵯峨の決勝点でウノゼロ勝利。実に7度目となる連勝のチャンスを手に入れる。今節を前にチームで共有していたことについて、山本が教えてくれたエピソードが印象深い。「自分たちが連勝できていないという中で、『選手権は連勝しないと優勝できない』という話も出てきたので、少し選手権のことをイメージしながら、今週の自分たちは練習してきた感じもありましたね」。

 その上で、この日の大きなコンセプトの1つとして掲げたのが、『立ち上がりから行き切ること』。松下監督はこの日の選手たちも90分間にわたって遂行した、『しんどいことにトライする』アグレッシブな姿勢に手応えを掴んでいるようだ。

「ウチとしては、相手がビルドアップをキーパーから丁寧にやってくるというところで、それに対して前から圧をしっかりかけようよと。たぶん外されることもあるけど、嫌な顔をせずに(笑)、それでも果敢に挑戦しようという話をしていたので、睨んで、構えて、前が行ったら後ろも連動して行くし、頭を越されたらプレスバックして、後ろはまた“ちょっかい”を出してというところは、求めたものを出してくれたかなと」。

「彼らは『ひたむきにプレーできる』という一番大事な部分を持ってくれて、そこに取り組んでくれているんです。こちら側もしんどいことをやらせていると思うんですよ。もっとパワーを使わずに、うまくボールを奪えるかもしれないけれど、そうではなくて、自分たちでしんどいことにトライしていくと」。

「『しんどいのは当たり前だし、うまくいかないのは当たり前。でも、それにどう立ち向かっていくかだ』ということは、このチームになってからずっと言っていますし、彼らはそれを体現できるヤツらなんで、『もう連続して、連動して、どれだけやれるかを見せようよ』ということを徹底しています」。



 今季初のリーグ連勝も勝ち獲り、次節の2位・鹿島アントラーズユース戦を経ると、いよいよ高校選手権の群馬県予選が幕を開ける。一昨年度の選手権以降は全国での上位進出が叶っていない中で、まずは県制覇が大きなターゲット。キャプテンの山本は気を引き締めながら、決戦への想いをこう語る。

「まずは県予選を突破しないと全国も見えてこないですし、インターハイもああいう苦しい県予選を勝っていったわけで、今回も苦しくなることはみんなわかっていると思うので、みんなで同じ方向を向いていくのが、育英にとって必要なのかなと思います」。

 暗中模索といった新チームの立ち上げから、9か月余り。嬉しい結果も、悔しい結果も、1つずつ積み重ねながら、いよいよここからは丁寧に育ててきた“成果”という名の果実を、収穫していく時期。地道にグループとしての輪を大きく広げてきた2026年のチームも、やはり前橋育英らしくなってきた。



(取材・文 土屋雅史)

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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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