beacon

[フットサルW杯2012]ポルトガル代表FPリカルジーニョ「ブラジル、ポルトガル、日本の予選突破は正当」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.4 フットサルW杯2012 ポルトガル5-5日本 コラート]

 その超絶技巧は、中立だった開催国タイのファンを惹きつけた。完全に試合を優勢に進めていた前半18分、右サイドでFP三浦知良(横浜FC)と1対1の場面を迎えたFPリカルジーニョは、日本サッカー界のレジェンドに次々とフェイントを繰り出した。事前に「W杯ではヒールリフトでカズを抜きたい」と、公言していたリカルジーニョは、ヒールリフトこそできなかったが、持ち前のテクニックでカズを置き去りにし、5点目のゴールを決めて見せた。

 その場面をカズは、こう振り返る。「僕が入ったとき、リカルジーニョもバカにしたようなプレーしていましたよね。僕も『来てみろ、来てみろ』って、ポルトガル語で『ベン、ベン』って、ずっと言っていましたからね。そうしたら本当に来た。でも、もうボールを見ているしかなかったよね(苦笑)。早いし。そこは楽しかったですよ。なかなか体験できませんからね」。

 リカルジーニョは、チームとしての狙いだったと語っている。「ひとつの戦略がありました。カズは、いつもコートの隅にいるので、彼がいる時はスピードで勝負することを試そうとしていました。だからカズがサイドに一人でいる時は、1対1を仕掛けるようにしていました」。

 日本代表の選手たちも、口々に「前半のポルトガルは、ブラジル以上だった」と語った。それほどのプレーを見せていたポルトガル代表に、落とし穴があった。「僕たちは、パワープレーへの対処に、不安を抱えていました。日本がパワープレーを始めたとき、まだ3点差ありましたが、1点を奪われれば、それは日本にとって大きなモチベーションになることはわかっていました。『試合を難しい展開にしたくはない』。そう願っていましたが、良い対抗策がありませんでした」と、リカルジーニョは唇を噛む。

 引き分けを悔しがるポルトガルのエースだが、日本が決勝トーナメントに進出できる可能性が高くなったことについては、「正当なこと」と語っている。

「僕にとってブラジル、ポルトガル、そして日本がグループリーグを突破するのは正当な結果だと思っています。なぜなら僕たちは、とても良いプレーをこの会場で2試合しています。あと1試合残っていますが、まずポルトガルが1次リーグを通過できることを期待しています。また日本にも幸運が訪れることを祈っています。日本も同じように素晴らしい試合をしていますし、同僚の幸運を祈っています」

 7日のグループリーグ最終戦で、ポルトガル代表はブラジル代表と、日本代表はリビア代表と対戦する。

(取材・文 河合拓)

▼関連リンク
フットサルW杯2012特集ページ

TOP