beacon

悲願のメダルまで1勝、絶妙アシストの澤「北京の悔しさを晴らしたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.3 ロンドン五輪準々決勝 日本2-0ブラジル カーディフ]

 一瞬の隙を逃さなかった。日本女子代表(なでしこジャパン)のMF澤穂希が絶妙なスルーパスで先制点をアシストした。前半27分、中盤の左サイドでFKを獲得すると、澤が素早くリスタート。相手守備陣の背後を取ったFW大儀見優季が抜け出し、GKとの1対1から先制点を奪った。

「中が準備しているのが見えたし、セットプレーの切り替えのところですぐにパスを出して、いい具合に行った」。前線ではFW大野忍も待っていたが、その横から駆け上がる大儀見にピンポイントのパスが通った。「大野がいてくれたおかげで、相手もつられた。大野もちょうどいいところにいてくれたし、うちらがやられて嫌なところを突いた」と胸を張った。

 体格やフィジカルで上回るブラジルに対しても臆することなく戦った。浮き球やセカンドボールなど中盤での競り合いに果敢に挑み、球際で体を張る。流動的にポジションチェンジを繰り返すブラジルの攻撃陣に対し、澤ら中盤の選手が必死にプレッシャーをかけ続けた。

「集中していた。自分だけでなく、全員が集中していた。みんな体を張ったし、みんな集中していた結果だと思う」。そう勝因を挙げる澤は「北京の悔しさを晴らしたい」と力を込めた。4年前の北京五輪も準決勝までは勝ち残った。しかし、準決勝、3位決定戦と連敗。メダルへあと一歩届かなかった。自身4度目の五輪。悲願のメダル獲得まで、あと1勝だ。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ

TOP