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ラインぎりぎりで折り返した三笘薫、殊勲のアシストに「足が長くて良かった」

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ラインぎりぎりで折り返したMF三笘薫

[12.1 カタールW杯E組第3節 日本2-1スペイン ドーハ/ハリファ]

 体を投げ出し、気持ちで折り返した。1-1で迎えた後半6分、日本代表はPA内右のMF堂安律が縦に仕掛けて右足でクロス。ファーサイドに流れたボールにFW前田大然、MF三笘薫の2人が飛び込むと、前田はわずかに届かなかったが、三笘がゴールラインぎりぎりでボールに追いついた。

 左足で折り返したボールに詰めたMF田中碧が体ごと押し込み、逆転ゴール。一度はクロスの前にゴールラインを越えていたと判断されたが、VARのチェックが入り、約2分後に得点が認められた。

 VARの確認を待っている間、「1ミリでもかかっていればいいな」と祈るように待っていた。「ちょっと足が長くて良かったなと」。そう冗談半分に話して報道陣を笑わせると、「(ラインを割っていないと)願っていたし、感覚的には中にあるなと。あそこでバウンドするのも運があるなと思った」と冷静に振り返った。

 2-1と逆転してからは持ち前のスピードとドリブルでカウンターの脅威となっただけでなく、守備でも献身的にプレーした。自らのインターセプトから速攻に転じる場面もあった。

「アセンシオとフェラン・トーレスに一気に来るところは狙っていたし、取れなくても狙うことで相手は嫌がる。やり続けようと思ったし、取ったらカウンターが効くのは分かっていた。少しでも押し上げられればと思っていた」

 後半37分、左サイドでスローインを受けた三笘はドリブルで2人の間を突破しようとして、相手の手がかかり、ファウルをもらった。明らかにファウルを誘うプレーで、「試合前からセットプレーを取りに行こうとは考えていた。ああいうことをやっていかないと勝てないというのはコスタリカ戦でも感じたし、ズル賢さが足りないと感じていた。意図的なプレーだったけど、ああいうことで流れは変わるのでいいプレーだったと思う」と不敵に言った。

 ドイツ、スペインを破っての16強入り。2大会連続でグループリーグ突破を果たし、5日の決勝トーナメント1回戦ではクロアチアと対戦する。「徐々にまとまってきて、3試合で終わるのはもったいない。素晴らしいクオリティーの選手がいる中で、また4年待つのは僕も苦しい」。目標としてきた史上初のベスト8へ、あと一つ。「みんなが全盛期のときにこういうチャンスを逃したくない気持ちはある」。三笘は静かに力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

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