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三笘薫ら4人が熱血議論…自覚あふれる板倉滉「僕らの世代がやらないといけない」

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DF板倉滉(ボルシアMG)

 キリンチャレンジカップ・コロンビア戦(28日・ヨドコウ)を2日後に控えた日本代表のトレーニング終了後、ピッチ上ではMF三笘薫(ブライトン)を中心にDF板倉滉(ボルシアMG)、MF堂安律(フライブルク)、DF菅原由勢(AZ)が話し込む姿が見られた。話題は「ビルドアップの立ち位置の話」と板倉。台頭が続く東京五輪世代がこれからのチームの中心を担っていくことを感じさせるワンシーンだった。

 カタールW杯を経て世代交代の進む日本代表は24日、新体制初陣のキリンチャレンジ杯でウルグアイ代表と対戦。先発メンバーのうち9人をカタールW杯組が占め、システムも4-2-3-1を引き続き採用するなど、編成面では前体制から大きく変わることはなかったが、サイドバックが内側に絞る“偽SB”戦術を両サイドで導入し、新たなトライも色濃く見られた。

 この日のディスカッションも、この取り組みを受けてのものだったという。ウルグアイ戦で右サイドバックを務めた菅原に対し、三笘がジェスチャーを交えながら説明する様子が見られたが、板倉は終了後の取材対応で「教えているというよりチームとして新しいトライをしているので、どういうふうにしたらうまく回るか、機能するかというのを一つのオプションとして話していた」と明かしつつ、「薫からの意見でもあったし、僕もそのオプションがあったらいいなと思っていた」と前向きに振り返った。

 今回の活動ではW杯に4大会連続で出場してきたDF長友佑都、カタールW杯でキャプテンを務めてきたDF吉田麻也が招集を見送られ、チームキャプテンは不在。リオ五輪で主将を務めたMF遠藤航がゲームキャプテンを務めているものの、DF陣最年長となった板倉がディフェンスリーダーとしての役割を託されるなど、東京五輪世代の存在感はさらに増している雰囲気がある。

 そんな板倉は、自身の役割については「そこまで意識的にこれをしなきゃあれをしなきゃという思いはない。ただ年齢的にもだんだん上になってきて、新しい選手が入ってきた中、みんながやりやすい空気感を作りたい」と控えめに話す。それでも“世代”としての役割には決意を示した。

「麻也くんとか永嗣さん、佑都くんとかがいなくなった穴は大きいと思うけど、そういう人たちの役割を僕らの世代がやらないといけないと強く思っている。フレッシュなメンバーになった中、チームを盛り上げつつ、いろんなコミュニケーションを取りながら、チーム内競争はありながらも、チームとして短い期間でいいものを作り上げていかないといけない、その中心にいないといけないと思っている」

 そうしたあふれ出る自覚がこの日見られたようなディスカッションにも表れているようだ。「東京世代はものすごく濃いメンバーが揃っている。そこに若い選手がどんどん入ってきてほしいと思う」。そんな板倉の期待どおり、その輪には居残り練習から引き上げてきた初招集のDFバングーナガンデ佳史扶も参加。東京五輪世代のリーダーシップに若い世代が追随していく予兆も見えた。

 板倉は東京世代の個性について「みんなが俺がやってやるという気持ちを強く持っている世代だと思うし、ただそれが変に個々に走りすぎたりしない、チームとして戦えるところも良さだと思う。みんな勝っても負けてもこうできたでしょ、ああできたでしょという話が毎試合の後に出る」と嬉しそうに語る。

 続けて「すごくいいメンバーが揃っているので、W杯後一気に年齢的にも若返っているけど、これからがすごい楽しみ」と目を輝かせた。今後は長友が抜けたムードメーカーについても後継が出てくることが期待される中、板倉は「うるさいメンバーも揃っているので、ここからもっともっといい感じに盛り上がってくのかなと思う」と新たな存在の台頭も予言した。

(取材・文 竹内達也)

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