[MOM5295]高知FW松田翔空(3年)プロ内定のOBからも刺激、エースの自覚持つ10番「選手権で暴れて注目される選手に」
FW
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.8 選手権高知県予選決勝 高知中央 0-1 高知 春野陸]
0-0のスコアが続いた県予選決勝はエースのPKが均衡を破った。高知高の10番FW松田翔空(3年)が延長前半アディショナルタイムにゴールネットを揺らし、2大会連続の全国に導いた。
両チームとも隙を見せずに戦った一戦はスコアレスで延長戦へ。それでも高知は延長前半10分、MF森逞(2年)のクロスが相手のハンドを誘ってPKを獲得した。この場面でキッカーは松田。大坪裕典監督から「もし外したとしても仕方ないと思えるような選手。『決めろ、決めろ…」と思っていたけれど『外したとしても問題ないぞ』という思いを持ちながら期待を込めて見ていた」と厚い信頼を受ける10番が堂々とペナルティスポットに立った。
そうした期待に松田も「自分からボールを取って絶対に自分が決めるという強い気持ちでいた」。笛が鳴ると10秒ほど間合いを取ってから助走を開始。キック前には大一番ゆえに相手選手から声での揺さぶりも受けていたが、意に介することなくゴール左隅に流し込んで値千金の先制点を奪った。
「(相手選手からの揺さぶりで蹴るコースは)真ん中だったりを言われていたので、自分を信じて一番最初に思ったコースに蹴られてよかった。選手権のシーズンになったらPKの練習をやっている。自分のタイミングで蹴るのをやっていたのでそれが出た」
そのように振り返った松田はタッチライン付近まで走ると、大きなジャンプからガッツポーズを見せて感情を爆発させたものの、応援席のもとへ駆け寄っての大喜びとまではいかないセレブレーション。「味方のおかげでもあるし、次のホイッスルが鳴ったときに良いプレーをできなければいけない。喜ぶところは喜んで冷静に次のプレーに切り替えた」と当時の心境を明かし、エースとしての風格を漂わせた。


松田は1年生だった一昨年の全国高校総体(インターハイ)初戦で先発出場して2アシストを記録。昨年はチームで2年生のエースナンバーに相当するという14番を背負い、全国高校サッカー選手権で先発に入った。そうして迎えた最終シーズンはスタッフから10番を与えられ、「自分の中でも絶対に10番をつけたいというのもあったし、10番を貰ったときには自覚と責任を持ってチームのためにどんなときでも戦うと決めていた」と松田。スピードを武器に背後への動き出しを増やすように意識し、エースとしてより怖さのあるプレーも心がけてきた。
1年時からレギュラーを張ってきたエースは夏冬問わず3年連続の全国大会になるが、インターハイと選手権の両方でゴールは奪えていない。松田はそうした現状に「自分は全国になるとあまり結果が出せていない」と向き合い、「全国で自分がエースとしての自覚を持って取り組んでいきたい」と力を込める。今夏はインターハイの出場権を逃したものの、強豪校とJクラブユースが参加するMCCスポーツ和倉ユースサッカー大会で5位の好成績を残し、個人としても「全国レベルで通用する部分はあったと思う」と一定の手応えを掴んだ様子だ。
また、松田はOBの阪南大MF松井匠(4年)がRB大宮アルディージャに加入内定したことにも大きな刺激を受けている。松井は高知中から高知高に進んだ選手としては初のプロ入りとなり、同じ経歴の松田にとってロールモデル的な存在だ。「先輩がプロになったのはびっくり」と話す松田も大学でサッカーを続ける予定で、「そこを目標に選手権で暴れて注目される選手になっていきたい」と決意。全国大会初ゴールだけにはとどまらない活躍で将来の視野も広げていく構えだ。
(取材・文 加藤直岐)
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[11.8 選手権高知県予選決勝 高知中央 0-1 高知 春野陸]
0-0のスコアが続いた県予選決勝はエースのPKが均衡を破った。高知高の10番FW松田翔空(3年)が延長前半アディショナルタイムにゴールネットを揺らし、2大会連続の全国に導いた。
両チームとも隙を見せずに戦った一戦はスコアレスで延長戦へ。それでも高知は延長前半10分、MF森逞(2年)のクロスが相手のハンドを誘ってPKを獲得した。この場面でキッカーは松田。大坪裕典監督から「もし外したとしても仕方ないと思えるような選手。『決めろ、決めろ…」と思っていたけれど『外したとしても問題ないぞ』という思いを持ちながら期待を込めて見ていた」と厚い信頼を受ける10番が堂々とペナルティスポットに立った。
そうした期待に松田も「自分からボールを取って絶対に自分が決めるという強い気持ちでいた」。笛が鳴ると10秒ほど間合いを取ってから助走を開始。キック前には大一番ゆえに相手選手から声での揺さぶりも受けていたが、意に介することなくゴール左隅に流し込んで値千金の先制点を奪った。
「(相手選手からの揺さぶりで蹴るコースは)真ん中だったりを言われていたので、自分を信じて一番最初に思ったコースに蹴られてよかった。選手権のシーズンになったらPKの練習をやっている。自分のタイミングで蹴るのをやっていたのでそれが出た」
そのように振り返った松田はタッチライン付近まで走ると、大きなジャンプからガッツポーズを見せて感情を爆発させたものの、応援席のもとへ駆け寄っての大喜びとまではいかないセレブレーション。「味方のおかげでもあるし、次のホイッスルが鳴ったときに良いプレーをできなければいけない。喜ぶところは喜んで冷静に次のプレーに切り替えた」と当時の心境を明かし、エースとしての風格を漂わせた。


松田は1年生だった一昨年の全国高校総体(インターハイ)初戦で先発出場して2アシストを記録。昨年はチームで2年生のエースナンバーに相当するという14番を背負い、全国高校サッカー選手権で先発に入った。そうして迎えた最終シーズンはスタッフから10番を与えられ、「自分の中でも絶対に10番をつけたいというのもあったし、10番を貰ったときには自覚と責任を持ってチームのためにどんなときでも戦うと決めていた」と松田。スピードを武器に背後への動き出しを増やすように意識し、エースとしてより怖さのあるプレーも心がけてきた。
1年時からレギュラーを張ってきたエースは夏冬問わず3年連続の全国大会になるが、インターハイと選手権の両方でゴールは奪えていない。松田はそうした現状に「自分は全国になるとあまり結果が出せていない」と向き合い、「全国で自分がエースとしての自覚を持って取り組んでいきたい」と力を込める。今夏はインターハイの出場権を逃したものの、強豪校とJクラブユースが参加するMCCスポーツ和倉ユースサッカー大会で5位の好成績を残し、個人としても「全国レベルで通用する部分はあったと思う」と一定の手応えを掴んだ様子だ。
また、松田はOBの阪南大MF松井匠(4年)がRB大宮アルディージャに加入内定したことにも大きな刺激を受けている。松井は高知中から高知高に進んだ選手としては初のプロ入りとなり、同じ経歴の松田にとってロールモデル的な存在だ。「先輩がプロになったのはびっくり」と話す松田も大学でサッカーを続ける予定で、「そこを目標に選手権で暴れて注目される選手になっていきたい」と決意。全国大会初ゴールだけにはとどまらない活躍で将来の視野も広げていく構えだ。
(取材・文 加藤直岐)
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