beacon

A代表のアジア突破も刺激に。U17アジア杯に臨むU-17代表FW瀬口大翔は「しっかり取り切って勝ち切るってところ」に注目、その役割を自分が担う

U-17日本代表FW瀬口大翔(神戸U-18)はACLEも経験。周囲と連係してチャンスを創出し、チームが苦しい時にもゴールを決める

 AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025(4月)で3連覇とU-17ワールドカップ出場権獲得を目指すU-17日本代表が23日、千葉県内で直前合宿をスタートした。U-17日本代表は24日の練習試合を経て25日にサウジアラビアへ出発。日本時間4月5日にU-17UAE代表とU17アジアカップ初戦を戦う。

 合宿初日は横浜FMトップチーム昇格のFW浅田大翔や10番FW吉田湊海(鹿島ユース)、アメリカ生まれの守護神GK村松秀司(ロサンゼルスFC=アメリカ)、唯一2009年生まれの注目DF長南開史(柏U-18)ら全23名が参加。ウォームアップ後に別メニュー組を除いた選手たちが7対7や6対6プラスフリーマン、そしてPKのメニューを行った。


 U17アジアカップは、今秋開催のU-17ワールドカップのアジア最終予選を兼ねている。U-17ワールドカップの大会方式変更によって、アジアの出場枠は4から8へ増加。これまでは基本的にU17アジアカップの準々決勝で勝利すればアジア突破だったが、今回はA、B、C、Dの各グループ2位以内で世界切符獲得と条件は大きく緩和。ただし、準々決勝に一つのピークを持ってきていたこれまでとは異なる戦い方を求められることになる。

 日本の同グループはUAE、ベトナム、オーストラリアと難敵揃い。2008年早生まれのFW瀬口大翔(神戸U-18)は「どの試合もやっぱ大事な試合になってくる。特に1試合目が結構キーになって、そこから乗ってこれると思うんで、1試合目は大事にしたいなと思います」と力を込めた。

 瀬口は昨年のU17アジアカップ予選に追加招集され、「代表で呼ばれ続けるために大事な試合だった」という戦いで初戦、第2戦と先発出場。初戦で2アシストを記録すると、カタールとの最終戦では途中出場で初ゴールをマークし、3連勝、首位通過に貢献した。

 瀬口は左サイドハーフを得意とするほか、インサイドハーフ、3トップの右FWを務めることもあるマルチアタッカーだ。今年2月、U-17日本代表のパラグアイ遠征メンバーに選出されていたが、クラブ事情のため不参加。それでも、同18日のACLE・上海申花戦(中国)で神戸トップチームデビューを果たした。

「(2-4と)悔しい結果に終わってしまったんですけど、試合前の緊張とかも味わえたんで、いい経験にはなったかなと思います。あの観客の中でああやって1本シュート打てたことは良かったなと思います」。アジア最高峰の戦いの経験も持って、U17アジアカップに臨む。

 合宿初日は徐々に芝に慣れていくと、6対6プラスフリーマンではフリーマン役として次々とボールを引き出して攻撃のテンポを上げ、自身もスペースへ抜け出すなど存在感のある動き。浅田のシュートのこぼれ球からゴールも決めた瀬口は「自分は足の速いタイプじゃなくて、ボール集めて相手を引き出したり、そこからポケット抜けてクロス上げたり、そういう味方との連係のところを見て欲しい。前(予選時)以上に注目されるような選手になっていきたいなと思います」と語った。


 A代表が20日のバーレーン戦を2-0で制し、ワールドカップアジア最終予選を突破。瀬口は「8大会連続って書いてあったんですけど、それだけ日本代表っていうのは強い国って知られてると思うんで、(自分たちも)誇りを持って戦わないといけない」と引き締める。

 瀬口はA代表が0-0の後半も焦れずに戦い続けてゴールを決め、勝ち切ったことに注目。「日本代表のトップも結構シンドいっていうか後半の20分とか粘ってしっかり取り切って勝ち切るってところが素晴らしかったです。(自分たちも)そういう試合も出てくると思う。(A代表には)点取れない時でも取れる選手が出てくるので、やっぱ自分もそういう選手になっていかないといけない」と誓い、「期待しておいて下さい。一つ早生まれなんで、主力になっていくというところを大事にして、結果を残したいですね」と自分が試合を決める存在になることを掲げていた。

 U-17日本代表は今大会で4大会連続のU-17ワールドカップ出場に加え、U17アジアカップ3連覇がかかっている。「継承というか。受け継いでいかなアカンと思う。自分たちの代で崩れないように、やっぱアジアカップ優勝して、ワールドカップの出場権を獲得したいなと思います」。たとえ苦しい戦いになっても団結しながら強さを発揮し、U-17ワールドカップ出場とアジア3連覇を達成する。


(取材・文 吉田太郎)


●AFC U17アジアカップ2025特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

「ゲキサカ」ショート動画