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UEFA大会を戦うU-20日本代表DF小杉啓太(ユールゴーデン)の「トップトップに近い」日常、欧州で感じる対人の責任、A代表への野心

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DF小杉啓太

[3.24 国際親善試合 U-20日本 1-1(PK3-2) U-20アメリカ]

 先日まで開催されたAFC U20アジアカップでベスト4に進出し、9月開幕のU-20ワールドカップ出場権を獲得したU-20日本代表は、16日からチーム強化を図るためにスペイン遠征を実施。U-20フランス代表(3◯1)、U-20アメリカ代表(1-1PK3◯2)を相手に連勝を飾った。

 昨年6月のモーリスリベロトーナメント以来の代表活動となったのはDF小杉啓太だ。2024年に湘南ベルマーレからスウェーデンのユールゴーデンへの移籍が発表された小杉は、加入直後こそなかなか試合に出場できない時間が続いたが、8月の試合で途中出場から初アシストを記録して以降、出場機会が増加。シーズン終盤はほとんどの試合で先発出場を飾るまでになった。

 現在、スウェーデンリーグはシーズンオフとなっているが、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)には出場中。先月のラウンド16ではパフォスFCに勝利し、ベスト8進出を決めた。昨季を「試合に絡んでいく中で成長しているのが感じられた1年」と振り返る小杉は、今年に入って出場を続けているECLでの”楽しさ”をこう表現している。

「個人の出力だったり質というのはすごく上げていかないといけないと感じています。スウェーデンリーグはスウェーデンリーグ特有のスタイルがあると思いますけど、各国の相手とやれるというところで、各リーグのスタイルがあって普段とは全く違うゲームになる。引いてくる相手がいたり、マンツーマンできたり、間延びしていたり。そういう様々なゲームを繰り広げられるのが面白いポイントかなと思っています」

 欧州の厳しい環境に身を置き、様々なチームと対戦してきたことで「全体の質が少しずつ上がってきた」と言う。そんな欧州での日々を「毎日が刺激的」と表現する理由について、自身の思いを口にした。

「いつ、どこで誰が見ているかがわからないというのが一番大きいかなと。たまに練習にスカウトが来ていたりする時もあって、本当に日常が世界のトップトップに近いのかなと自分の中で感じています。そういうところを含めても、”日々を大切にする”ことは心がけています。カンファレンスリーグで言えば、ベスト8まで行っているので、次に勝ったらチェルシーとかと試合ができるかもしれない。本当に実力どうこうより、運を含めてかなり世界に近い環境でやれているのかなと思います」

 今回は久々の代表活動とあって連携面を含めて全てが上手くいったわけではない。それでも、フィジカルバトルで上回ったり、鋭い斜めのパスを入れたりと、局面、局面で光るものを見せていたのも確かだ。

「欧州に来て1対1に関しての責任感の違いというのは感じている。そこでやられたら自分の評価が落ちるわけなので、自分の役割を果たすという意味でもガッツリいかないといけない部分が多い」と言うように、個人でどう守るかを考えた上での局面の判断は見事だった。あとは、より周りと合わせていくことが今後のポイントになるだろう。

 20日、U-20日本代表がU-20フランス代表に勝利した裏で、A代表が北中米W杯への出場を確定させた。来年のW杯に向けて「もちろん狙っていますし、自分は出るつもりでいます」と語気を強めた小杉は、今後に向けた強い思いを口にしている。

「いま左サイドバック不足と言われていますし、自分の成長次第ではひっくり返すこともできるんじゃないかと思っています。いま自チームで試合に出れてはいるので、それをしっかり続けて夏にステップアップすることができれば可能性はもっと広がると思う。日々、成長しながら、自分にしっかりフォーカスして結果を残していくことが上へのステップにつながる。まずはチームにしっかり貢献して、そしてA代表に入り込んで行って、しっかりW杯で戦えればと思っています」

 見据える先はまだまだ上。小杉は目の前の戦いに集中しながら、自身の目標に辿り着くために邁進していく。

(取材・文 林遼平)

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