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日本代表 北中米W杯アジア最終予選メンバー発表、森保一監督会見要旨

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 日本サッカー協会(JFA)は23日、千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで記者会見を行い、6月の北中米ワールドカップアジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバー27人を発表した。森保一監督と山本昌邦ナショナルチームダイレクターが登壇し、約50分間にわたって質疑応答した。

●山本昌邦ナショナルチームダイレクター
「いよいよ最終予選最後のオーストラリア戦、インドネシア戦というところで、この状況でW杯の出場が決まっており、新しい選手をトライできることを非常にポジティブに捉えている。北京五輪世代からリオ五輪、東京、パリ、ロス世代、U-20W杯を9月に目指す選手が含まれている。過去には小野伸二選手が1998年のW杯を経て、99年にワールドユースに出場し準優勝を成し遂げた。そのときの彼の余裕、自信に満ちた振る舞いはチームに大きな影響を与えてくれた。今回は佐藤選手が招集されている。9月のU-20W杯の世代でありロス世代のメンバーでもある。こうして継続してナショナルチームが動いている、未来を感じられる編成になったのではないかと思っている。幅広い選手が揃い、彼らの挑戦を日本のファン・サポーター、国民の方に見届けてもらえたら。新しい選手で成長して勝利することが大事。2試合とも勝利を目指していきたいし、大阪のシリーズが最後になるので吹田スタジアムで若い選手の成長、W杯前最後の公式戦を見届けていただけたら」

●森保一監督
「6月シリーズ2試合、W杯予選としては我々はすでにW杯への出場権は獲得しているが、これまでどおり一戦一戦勝利を目指して、目の前の試合に全力を尽くすことをやっていきたい。この2試合も勝利を目指して、チーム一丸となって全力で戦い抜きたい。これから先のことも見据え、チーム力を上げるためにも勝利を目指すことにこだわりながら、選手一人ひとりの成長の促しになるように、そして選手の成長がチームの大きな成長につながるように、チームとしての選手層の幅をより厚く、強固にして、これからのさらなる成長につなげていけるような6月の戦いにしたい。応援よろしくお願いします」

―佐野海舟が選出された。協会としてどのように考えているか。また選ぶにあたってどのような考えがあるか。
山本「JFAのスタンスはサッカー界としてあらゆる差別や暴力、ハラスメントを一切許容しないということ。引き続きあらゆる差別や暴力、ハラスメントに対して厳正な姿勢で臨んでいく。一切の妥協も許さない。ゼロトレランスを目指す。選手や指導者、審判に対して啓発活動を行うこと、コンプライアンス教育にもより一層の力を注いでいきたいと考えている。このたび佐野選手が日本代表に選出されるということになった。JFAとしても代表選出については次の理由から選出をしている。1つ目が相手の方に対して話し合いをしたことを確認している。2つ目が本人が深く反省していること。3つ目に不起訴処分という判断が検察によってなされており、刑事事件としては罪に問われずに終了していること。この観点で選出をした」

森保「佐野海舟の事案に関しては彼は多くの方々にご迷惑をかけたということであったかと思っている。そこで彼のことをこれまで見てきたが、隣で山本さんがおっしゃったとおり、私自身もコンタクトを取ったし、彼の言動を見ていても深く反省しているところを強く感じた。そのうえで彼が今ドイツでプレーしている中、真摯に競技に向き合って、社会に貢献する強い気持ちを持ってプレーしていることもあり、我々としてもまたチームに迎え入れて、社会に貢献する、日本代表の一員として戦ってもいいのではないかという判断をさせていただいた。私自身もいろんなことを招集するしないをずっと考えてきたし、協会の方ともいろんな話をしながら今日に至ったが、この1シーズン見た中で決めさせていただいた。個人的にはミスを犯したということはあり得ると、海舟には言えるかもしれないが、チームの一員ということを家族と考えたときに、そして私が指導者として一人の選手と向き合う中、一人の人としてミスを犯した選手をそのまま社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族としても与えることのほうがいいのではないかということで判断させていただいた」

―初招集の選手が7人入ったが、18歳の佐藤龍之介ら新しい選手にどういうものを期待しているか。また日本代表のチーム力にどのような影響があるか。
森保「まずはこの環境を作ったこと、頑張ってくれた選手たちに感謝したい。今回は選んでいないが、このW杯予選で本当に厳しい戦いの中、結果を出すために日本のために頑張ってきてくれて、今回も選ばれてもおかしくない選手がここに名前が載っていないので、まずはその選手たちのこれまでの頑張りがあったからこそ、こうしてさらに最強の日本を作るために、これからの日本サッカーの成長に向けてチーム編成ができたことに感謝したいと思っている。その中で佐藤龍之介選手をはじめとする若い選手、経験の浅い選手が今回多く選出されているが、そこで期待することは、今持っている力でも、もちろん国際舞台で戦っていけるだけの力はあると思うが、この戦いや活動を通して、さらなる成長をする経験を積んでもらいたいと思っている。ただ経験だけでなく、代表に消化試合はないし、負けていい試合はない。誰が出ても勝つという、そこにはこだわりを持って選手を選ばせてもらっているので、勝利にこだわりながらもこの活動の中で自分の殻を破る、さらに成長していくチャレンジを、練習の時から、そして試合でプレーができればその中でチャレンジ、トライしてもらいたい。将来に向けてまずは来年のW杯でこれまで選んでいるコアの選手たちの壁は厚いと思うが、自分の成長をしながら高い壁に向かってハングリー精神を持ってチャレンジしてもらいたいし、彼らの突き上げがより日本代表、日本サッカーの層を厚くし、またW杯で勝つ可能性を上げてくれることになると思うので、彼らには思い切ったプレーを期待したい。また日本サッカーにおいても、日本代表の選手たちは海外組が多くなっている実情があるが、Jリーグを代表して選手たちが入ってくれる、特に若い選手に関してはもっと自分たちがJリーグや日本サッカーを引っ張っていくんだ、盛り上げていくんだという思いを持って代表の経験をJリーグの舞台、国内の舞台に移して頑張ってもらいたい」

―平河悠の選出理由は。
森保「町田でプレーしていた時から、そしてパリ五輪の活動というところで、注目しながらプレーを追ってきた。今はチャンピオンシップでプレーしていて、シーズンの中で常にレギュラーとしてプレーできたかというとそうではなかったと思う。ケガもあり、起用のされ方も先発もあれば途中出場もある。時にはなかなか試合に使ってもらえないこともあって、紆余曲折があったとは思うが、プレー時間よりもプレー内容が間違いなく彼の良さでもある激しく上下動しながら、攻撃の部分で右足も左足も使ってウインガーもできれば、ウイングバックもシャドーもできるというところ、攻撃のところでハードワークしながらゴールに向かっていくところはイングランドでも逞しさを増していったという印象を持っている。そこで今回、代表に招集させていただいて、またこれをきっかけにさらにステップアップをしてもらうというところ、まずはチームの中で戦力になる力をプレーでもって、チームを勝たせる仕事をしてもらって、存在感を見せてもらえればと思う。今後に向けてさらに成長できる選手であることを見せられると嬉しい。東京五輪世代、パリ世代、ロス世代と世代のことはインプットしているが、これから中堅に差し掛かる、サッカー界で言えばベテランと言っていい年齢に差し掛かっていく中、彼が貪欲に日本のために戦って、自分の良さを出していくというところを期待して見たいと思っている。攻撃の部分で得点に絡む個の突破を見せてもらえればと思っている」

―大幅にメンバー変更をしたプロセスは。またオーストラリアとのアウェーゲームにどのように臨むか。
森保「今回のメンバー選考も3月の活動が終わってから間が空いたので、かなりコーチングスタッフで話し合った。どういう選び方をしてもベストだと思うが、これまでのコアな選手を変えずにより戦術の浸透を図っていくということから、総替え(の選択肢)も含めて、いろんな議論をした中で今回のメンバーとなった。どちらかというと大幅にメンバーを変えて、これまで見たかった選手、見られなかった選手を招集することであったり、これまでの視察の中でいま非常にいいプレー、チームで存在感をあるプレーをしていて、成長を見込める選手ということでピックアップしてきた中、チームの選手層の幅を広げる、より多くの選手に代表チームの戦力として認識してもらい、我々も戦力として考えられるように戦術浸透の幅を広げていきたいということで最終的に私が決断をさせていただいた。オーストラリア戦はいずれにしても勝利が求められる代表だということから、勝利とチームの戦い方、日本らしい戦い方を期待できる選手たちを送り込むということは選手が変わっても変わらなくても、考え方は変わらずにというところはある。選手を変えるという意味では日頃見ている中、使いたくても使えない状況もあり、活動の中で見せてくれているパフォーマンスの中で決めていくというところはあるが、思いとしては全員を使ってあげたいと思っているところがあるなか、その状況に合わせてできるだけ多くの選手にプレーしてもらうということでここから先のことも考えていきたい。オーストラリア戦は前回のカタールW杯の時は試合終盤までは0-0で行きながら、三笘(薫)が最後に出てきてくれて、点を決めて2得点に絡んでくれたということを記憶している。次の試合にどうなるかはわからないが、ホームであってもアウェーであっても勝って自信を深めていく、勝って成長していくところはこだわりながらも、前回のW杯予選のように、新しく入ってきてくれる戦力が活躍してくれて、試合を決めてくれるようなことがあれば嬉しい。でもオーストラリアのポポヴィッチ監督も我々に対して最高の対策をしてくると思うので、いずれにしても厳しい戦いを覚悟して挑みたい。

―コアメンバーの多くを外したが、どういう基準で決めたか。遠藤航、鎌田大地らは入っているが。
森保「絶対的な基準があるかと言われると、お答えしづらいところもあるが、まずは年間を通して試合に出て、出場試合数が多いというところと、シーズンを通して戦う中でケガが多くなってきている選手を今回招集しないということで考えてこのメンバーにした。遠藤、鎌田、久保(建英)という選手に関しては、遠藤と鎌田は試合数は出ているが、試合出場時間は短いというところで考えている。久保に関してはどちらかというと、今回は選ばないという基準のほうに当てはまる活躍だったと思うが、このメンバー発表の中で皆さんが認識している通り、メンバーは経験値が低く若いメンバー、パリ五輪世代よりも下のメンバーが今回多く招集されている。そこで彼には、日頃からもすでに年齢関係なくチームリーダーとして立ち振る舞ってくれているが、今回は新たに入ってくる選手のリーダー役として、同じ年齢、同世代の選手として接してもらえれば、いろんなものを見せてもらえればということで招集させてもらった」

―これまではメンバー変更に前向きではなかったが、それ以降、周りの意見を聞くことで方針が変わったのか。またケガ人が続いたことはどれくらい考慮したか。
森保「バーレーン戦の後はいま見ている選手と過ごしているし、その選手たちのリスペクトも活動の中では強いので、根幹を崩さずに、非常にレベルの高い集団となっているなか、そこを目指してきてもらうという意味でもあまり変えるべきではないかなという試合後の印象で、気持ちであったかなと思っている。ただ数日後、一旦落ち着いて活動を終えて、落ち着いていろいろと考えた時、3月に招集させてもらったり、最終予選で招集させていただいた選手たちの活躍を評価して、競争を煽らなくても彼らは常に自分を高めるところ、勝利に飢えているというところに関して、マンネリ化することがない選手たちだと思っていたが、そこに信用と信頼があることに揺るぎはないが、普段から常にラージグループも活動ごとの選手選考のテーブルに上げて見てきているなか、その選手たちを見させてもらうことも大切なんじゃないかと考えた。自分たちがこれから見逃してはいけない思いと、招集はしているがなかなかスタメンで出られない選手をもっと長い時間、どれだけできるかはわからないが、見てあげることをやった上で、またその時のベストな選手を今後選んでいくことがチームの成長にも、選手たちの健全なニュートラルに見た競争というなかでもチームにとっていいほうにつながると考えた。招集していない選手でケガも考慮している。我々も選手たちがどういう形で代表活動に参加してくれているかという点で、あまりみんな自分のケガを表立って言うこともないし、弱音を吐いて言い訳をしたりすることは我々にもあまりないし、メディアの皆さんにも弱音や言い訳はしてきていないと思うが、ケガの状態やコンディションは把握している。ここでやり続けることがプラスなのかマイナスなのかということで、休んだほうがプラスということでケガを考慮して選んでいることが理由としてある」

―チーム内の問題はチーム内で解決するというのを大事にしていると思うが、前回の活動では森保監督と選手との個人的な会話が漏れて、選手が苦言を呈することがあった。どう感じて、どう対処したか。
森保「あまり気にしていない。チーム内での問題が表に出るということは良くないかなと思うし、私自身は選手たちの関係を見た時に、選手たちをサポートしておられるたくさんの方々が選手の周りに関わっているので、選手がその時の活動を誰かに話した場合、漏れることはあるのかなと思っている。それが私が言った、コーチ陣が言ったのであれば大きな問題だが、情報として漏れる部分では仕方ない環境であるのかなと思う。今回、大幅にメンバーを変えるということを、ほとんどのメディアの方がわかっていらっしゃったということもあると思うが、選手招集についても随分早く、海外組には活動の2週間前には通達をしないといけない状況のなか、活動の直前にメンバー発表があって、その時間でチーム内の情報が漏れるというのはいろんな状況を考えた時に起こりうるかなとは思っている。最初の質問の内容に合っているかどうかはわからない」

―佐野海舟のどんなところに期待したいか。弟の佐野航大も選ばれている。
森保「まずは海舟についてはインテンシティが高いなか、ボールを奪い取る能力が磨きがかかっているし、難しい状況の中でもボールを奪って、攻撃に繋げてくれる部分はこの代表でも活かしてもらいたいと思っている。上背としてのサイズは大きいとは言えないが、ブンデスリーガで190cm前後の選手と渡り合うシーンが多い中、相手にやらせない、エアバトルを勝つという部分でも、彼は日本人でも世界の大柄な選手、フィジカル的に強い選手と戦えるんだというところを体現してくれている選手だと思う。プレーの機会があればチームに還元してもらい、多くの日本人選手に自信と勇気をもたらしてくれたらと思っている。航大に関してはシーズン途中でケガもあったが、それ以外はほぼスタメンでチームに貢献している。2列目もできればボランチもでき、攻守両面でチームに関われるところもあると思う。かつ彼も(海舟と同様に)運動量が多く、幅広くチームの戦いに貢献してくれる選手だと思うので思い切って、まずは初代表なので練習から自分の良さを発揮してもらいたいと思う。兄弟で選ばれているというのは過去のデータはわからないが、いろんな部分で助け合いながら、刺激し合いながら代表の活動で良い経験を積んでもらいたい。お互いを刺激し合う、支え合う部分をチームの良き活動指針としても示してもらいたい」

―初招集のJリーグ組4人に共通し、ポテンシャル、伸び代をどういうところに感じたか。
「それぞれ個性のある選手だと思う。ディフェンスが強い、攻撃で仕掛けられる、技術もありながらハードワークできる、いろんな個々の特徴があると思う。全体的に言えることはまだJリーグのシーズンの途中だが、これまでの戦いの中で追って見ていて、成長しているな、さらに成長が見込めるなという存在感を見せてくれているところが大きい。それぞれの特徴があるが、基礎技術、フィジカルという部分があった上で、それぞれの特徴がある選手だと思う。今回の代表選出で、彼らと同等レベルのパフォーマンスをしている同世代の選手もたくさんJリーグで活躍してくれている。そういう選手たちにも俺たちも次は代表でプレーしたいと思わせてくれるようなチャレンジをしてもらいたい。まだ代表の入口に立って、これから先、代表で生き残っていけるかは彼ら次第だと思うが、日本の、そしてJリーグの未来を担っていき、現在の舞台で盛り上げてくれる素晴らしい選手たちだと思っている」

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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