U-22日本代表 AFC U23アジア杯予選メンバー発表 大岩剛監督会見要旨
日本サッカー協会(JFA)は29日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、9月3日からミャンマーで行われるAFC U23アジアカップ予選に臨むU-22日本代表メンバーを発表した。大岩剛監督と山本昌邦ナショナルチームダイレクターが登壇し、質疑応答を行った。
●山本昌邦ナショナルチームダイレクター
「いよいよ大岩監督の2028年ロス五輪に向けた戦いが始まる。来年1月にあるU23アジア杯の予選は、いよいよ公式戦。このU23アジア杯は、この形での開催は最後になる。今回の大会、そしてロス五輪の予選のときもU23アジア杯が同じくある。次大会はロス五輪の出場を懸けた戦い。その後からU23アジア杯は4年に1回のオリンピックの年だけ開催される大会に変更になる。そんな中で、今回のU23アジア杯はオリンピックの強化を念頭に、(来年は)2歳下のU-21で、現状はU-20世代で出るという形になっている。ほかの国がU-23で出る中で、我々は2歳下で出てしっかりと選手を育成してきた。そして8大会連続のオリンピックにつながった。そういう選手の成長と評価を考えての施策。とはいえ、今回のU23アジア杯の結果が次のロス五輪予選を兼ねる大会のポット分けに大きく影響するので、しっかりとポジションをキープしていくということになる。近年の成績で言うと、ウズベキスタンが我々の1つ上のポットにいて、我々が2つ目のポットにいて、その下にイラクやサウジアラビアが続く。韓国がさらにその下にいるような並びを見ると、この大会がいかに重要か認識していただければなと思う」
●大岩剛監督
「来年のU23アジア杯の一次予選になる。対戦国3カ国とも非常に特徴のある国が揃っているので、油断することなく、先ほど山本ダイレクターも言ったが、このアジア杯の重要性というものを理解してるつもり。そのための一次予選をしっかり戦って、勝って戻っていきたい」
──第二次体制で公式大会としては初陣になる。率直な意気込みは。
大岩監督
「この大会の重要性は認識している。公式戦のなかでの緊張感、そのなかでしっかりとプレーするということを選手たちに受け止めてほしいし、われわれもその準備をしていきたい」
──後藤啓介や塩貝健人ら海外組に期待することはあるか。
大岩監督
「2人が海外組という認識で、彼たちに期待したいことは、その年代間の距離感というのがある。いま彼たちが経験しているヨーロッパでの厳しさや自分の立ち位置、そういうものはいま国内でプレーしている選手たちとはまた違うものがある。そういう刺激の部分を選手全員に提供してほしい。それがわれわれのグループの最高基準でありたい。そういうところは期待したい」
──海外組を招集するなかで、国際Aマッチウィーク(IW)期間のU23アジア杯予選と、IW期間外のU-20W杯の兼ね合いはどうしたか。
山本ND
「非常に難しい調整になっている。まずU-20W杯が通常は今年の5月に終わっているなかで、FIFAが9月10月のところに移した。ただ、それがマイナスということではなくて、われわれは100人規模の“ラージ100”をテーマに、100人の代表が誰が出ても戦えるような選手層を作っていこうということで、われわれサイドは色んな仕掛けをしてきた。そんななかで小杉啓太選手、保田堅心選手、塩貝健人選手、後藤啓介選手はすばらしい選手。U-20W杯の調整も並行して進めているが、クラブの事情もある。ご存じのようにさまざまなルールがあり、IWの期間は出場が叶う。ロス五輪から逆算して、大岩監督のところで評価ができるのであればというところ。(U-20W杯参加も)まだあきらめたわけではなく、U-20W杯に向けて最後まで粘るつもりだが、ラージ100という視点でいくと選手にとってどちらの大会にも行かないというところが一番もったいない。まず代表に来てもらい、代表のことを身に着けられる機会にしていきたい」
──最高基準を示せる海外組を7月のウズベキスタン遠征から新たに加えた。第一次体制のチーム作りの手応えをどう落とし込んでいきたいか。
大岩監督
「落とし込むという作業はやはり回数が必要になる。それが少ないなかでの活動は経験しているが、継続してわれわれのグループに入ってくる選手たちがより重要になってくる。前回のウズベキスタン遠征からの選手たちがより今回の活動で洗練されていけばいいと思うし、新しい選手たちもわれわれのグループのルールやタスクの理解を進めていってほしい。これは積めば積むほどグループというのは強くなっていると感じる。初めての選手はその第一歩で、2回目の選手はそれをより高めていく作業をしていきたい」
──最高基準を示せる海外組をチームに置くことの意味をどう捉えているか。
大岩監督
「色んな刺激がグループを成長させていくと思う。いまヨーロッパで戦っている選手たちはわれわれの年代のトップランナーたち。その厳しさはグループの中で示してほしい。その刺激をどう受け取るかは選手それぞれ個人ベースだが、プレーヤーの基準を示してほしい。グループはこれから成長過程に入る。より色んなものを成長の材料にしてほしいし、それが気づきだったり、自分が環境を変えることであったり、そういうものにつながれば、よりグループとして高い基準になっていく。その回数を重ねればそういうものがより大きくなっていく。そういうものに期待したい」
──パリ五輪のときの第一次体制より時間はある。そのときから引き継いでもらいたいこと、新たに加えてほしいことはあるか。
大岩監督
「時間的には、ほぼほぼ3年。最終予選までは2年半くらい。そのなかでパリ五輪を経験したのはスタッフしかいない。スタッフも当時を経験したうえでレベルアップしていかなければいけないし、選手に求めるもの自体が一番高いものでなければいけない。それをいかにポストユースというこの年代の選手たちに落とし込むかという作業を、より経験を経て、リアリティを持ったグループとして戦うという、リアリティを持ったものに変化させていきたい。パリ五輪のときも言ったが、いつも同じメンバーで戦えるわけではない。なので、いつ来ても同じような高い基準のプレーを求めたいし、より洗練されたグループにしていきたい。この2年半、3年かけてどのレベルまで高めることができるかわからないが、一回一回の活動をしっかりと重要だという認識を持って活動していくことで、選手たちに成長を求めていきたい。そのうえでチームがより大きいものになれば理想的だし、何かアクシデントがあれば、それを乗り越えていくだけのパワーを持ったチームにしていきたい」
──「誰が来ても大丈夫なようなチームに」というラージ100のコンセプトだが、呼べる選手、呼べない選手にどう対応していくか。
山本ND
「メダルに辿り着くために、両面が必要だと思っている。ひとつは前回のパリ五輪で優勝したスペインと戦って、グループリーグ1位で通過したわれわれといいゲームになったと思うが、そのときに呼びたい候補の選手は何人もいた。われわれもヨーロッパに拠点があるので、そこを中心に各クラブとかなり深い交渉をしてきた結果、メンバーがああいう形になった。本来であれば呼びたかった選手もいて、そこの強化に関しては、ヨーロッパのクラブと日常的にコミュニケーションを取れるメンバーも増やしているし、選手の契約によるところも大きい。そこも踏まえて前倒しで五輪に来てもらえるような準備を進めていきたい。一方でラージ100について、大岩監督は前回100人弱の選手をたくさん招集して、色んな選手でトライしながらチームをあれだけ高めていった。海外に行っている選手も含めて、まったくそん色のない100人がいれば戦えるというのが、われわれの基本的なことになってくるのかなと思っている。たとえばスペインのように、国内の選手は法律で呼べるということがあるが、長い目で言うと、そこを変えていくところがある。ラージ100でいうと、4月5月にポストユースの活動をさせてもらった。そのときのメンバーは、チームでなかなか出番がなくて、チャンスを与えようといったメンバー。このような選手が4月5月の段階で、なかなかチームで出番すらなかった選手たちが、あそこで刺激を受けて帰った結果、チームでまた成長して、先日のウズベキスタン遠征でも成長してくれて、これだけ名前を連ねてくれた。特に、A代表と違うところは、この世代はこうやって数か月で自信をつけて一気に成長していく選手がたくさんいるというところ。そこに大岩監督がうまく火をつけてくれたり、日常を変える刺激を与えてもらっていると思っているので、これを全力でわれわれもサポートして、誰でも呼べるようにしたいが、誰が呼ばれても同じ力で戦えるくらい、ロス五輪まで逆算して準備していきたい」
──羽田憲司コーチが途中合流、途中離脱になる。チームへの影響はどのくらいあるか。
大岩監督
「われわれは少数のスタッフ編成でパリオリンピックも、そして今回のロス五輪に向けても活動している。そのなかでコーチの出入りがあまり無いなかで、今回はテクニカルスタッフの越智滋之コーチが新たにコーチングスタッフとして入っていただける予定になった。これはわれわれのグループのとてもいいところだと思っているが、そういうコーチ陣がよりアップデートして成長することで、選手たちにいろんなものを届けることができる。当然、羽田コーチの存在は大きいが、今回のこういう活動がわれわれグループが大きくなる要因になるとも感じている。助け合いながら、それぞれがチームのために全力を尽くしてくれている。羽田コーチも途中からだが来てくれるし、越智コーチも全力でチームを支えてくれると思う。そういう力に期待しながら頼りたい」
山本ND
「羽田コーチはProライセンスを受講中ということで、これはこのロス五輪を目指す大岩監督のチームがスタートする前の契約段階で、それを受講できるという条件が入っていた。それがこういうタイミングになったというところで、大岩監督には無理を言っているところ。越智コーチは今回スポット的な対応になるが、彼はパリ五輪のときからずっと一緒に大岩監督を支えてきたテクニカルスタッフではあるが、実際かなりコーチ寄りの仕事もしてもらって、(JFA Aジェネラル)ライセンスもしっかり取っている。私的にはまったく問題なく、逆に監督の言ったようなこともしっかりベースアップするんじゃないかというきっかけになってもらえれば」
──今回のメンバーが9月下旬のU-20W杯メンバーに選出される可能性はあるのか。
山本ND
「大岩監督と船越(優蔵)監督のなかで常にコミュニケーションを取っていただいている。もちろんW杯を目指すU-20チームは、この世代の仕上げとして非常に大きな段階で、そこに選手が優先的に行く。だが、選手にとって何もチャレンジする場がないというのが、成長を考えると一番かわいそうな状況になる。大岩監督と船越監督、もしくはコーチングスタッフのなかで丁寧に選手の成長を軸にやりとりしてもらっている。この大会はかなり日程が重なるくらいくっついている。両方を全部こなしたときにどうなるかというジャッジはもちろんあり、そのときの選手の疲労具合によって若干変わってくるとは思うが、いまの可能性というところで言うと、可能性はゼロではまったくないと思っていただいていい」
──五輪世代のラージ100のクオリティを全体に広げていくために、A代表とどのくらい関連づけていくつもりか。
大岩監督
「国によって強化の仕方は違うとは思うが、われわれとしては戦術的な要素でいえば、比較的似ている形で進めようとは思っている。ただ、ベーシックなところはこの年代はもっともっと上げていかなきゃいけない年代。試合に出場していない、途中出場が多いなかで、われわれのグループに来たときに先発で出ること、厳しい海外の選手と戦うこと、そういうことで選手のポテンシャルを上げていかなければいけない年齢だと思っている。そのなかで、われわれの日本代表としての活動で、毎回同じような形で選手にタスクを与え、活動を重ねることが、より選手たちのパーソナリティであったり、プレーヤーとしての戦術的なところであったり、そういうものを成長させていくことになると思うし、そういう刺激を与える使命だと思っている。大きな大会を戦い抜くことであったり、前回の大会でいえば(U23)アジア杯で優勝することが、より選手たちに自信を持たせたり、チームとしての一体感が得られたり、グループとしての戦い方が定まったりしていくと思う。色んなことを自分たちの力にしながら、強く、上手く、速く、ベーシックなものが高いチームにするための毎回の活動をやっていきたい」
──第一次体制では最初に選手にロードマップを示して強化を進めていたが、今回も目標を共有しているのか。
大岩監督
「前回のウズベキスタン遠征が、実質私が(第二次体制で)指揮を執る初めての活動だった。その選手たちには同じようにロードマップを示した。刺激を与えるためだけではないが、目標目的をはっきりさせることが今の選手たちに必要だと感じているし、そのなかでU-20W杯が途中にあり、(招集を)まだあきらめてはいないというところと、そして自分たちが回数を重ねることでアジア杯、アジア競技大会、そして最終予選も含めて、そのロードマップは示したうえで成長を求めていく。そして自チームに帰ればポジション争いがあり、日常があるわけなので、そこがまず重要だということを示しながら、このチームとしての目標目的を明確にする。選手の日常に刺激を与える作業は、今回の活動もそうだが、今後も常に示していきたい」
(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2026予選特集
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●山本昌邦ナショナルチームダイレクター
「いよいよ大岩監督の2028年ロス五輪に向けた戦いが始まる。来年1月にあるU23アジア杯の予選は、いよいよ公式戦。このU23アジア杯は、この形での開催は最後になる。今回の大会、そしてロス五輪の予選のときもU23アジア杯が同じくある。次大会はロス五輪の出場を懸けた戦い。その後からU23アジア杯は4年に1回のオリンピックの年だけ開催される大会に変更になる。そんな中で、今回のU23アジア杯はオリンピックの強化を念頭に、(来年は)2歳下のU-21で、現状はU-20世代で出るという形になっている。ほかの国がU-23で出る中で、我々は2歳下で出てしっかりと選手を育成してきた。そして8大会連続のオリンピックにつながった。そういう選手の成長と評価を考えての施策。とはいえ、今回のU23アジア杯の結果が次のロス五輪予選を兼ねる大会のポット分けに大きく影響するので、しっかりとポジションをキープしていくということになる。近年の成績で言うと、ウズベキスタンが我々の1つ上のポットにいて、我々が2つ目のポットにいて、その下にイラクやサウジアラビアが続く。韓国がさらにその下にいるような並びを見ると、この大会がいかに重要か認識していただければなと思う」
●大岩剛監督
「来年のU23アジア杯の一次予選になる。対戦国3カ国とも非常に特徴のある国が揃っているので、油断することなく、先ほど山本ダイレクターも言ったが、このアジア杯の重要性というものを理解してるつもり。そのための一次予選をしっかり戦って、勝って戻っていきたい」
──第二次体制で公式大会としては初陣になる。率直な意気込みは。
大岩監督
「この大会の重要性は認識している。公式戦のなかでの緊張感、そのなかでしっかりとプレーするということを選手たちに受け止めてほしいし、われわれもその準備をしていきたい」
──後藤啓介や塩貝健人ら海外組に期待することはあるか。
大岩監督
「2人が海外組という認識で、彼たちに期待したいことは、その年代間の距離感というのがある。いま彼たちが経験しているヨーロッパでの厳しさや自分の立ち位置、そういうものはいま国内でプレーしている選手たちとはまた違うものがある。そういう刺激の部分を選手全員に提供してほしい。それがわれわれのグループの最高基準でありたい。そういうところは期待したい」
──海外組を招集するなかで、国際Aマッチウィーク(IW)期間のU23アジア杯予選と、IW期間外のU-20W杯の兼ね合いはどうしたか。
山本ND
「非常に難しい調整になっている。まずU-20W杯が通常は今年の5月に終わっているなかで、FIFAが9月10月のところに移した。ただ、それがマイナスということではなくて、われわれは100人規模の“ラージ100”をテーマに、100人の代表が誰が出ても戦えるような選手層を作っていこうということで、われわれサイドは色んな仕掛けをしてきた。そんななかで小杉啓太選手、保田堅心選手、塩貝健人選手、後藤啓介選手はすばらしい選手。U-20W杯の調整も並行して進めているが、クラブの事情もある。ご存じのようにさまざまなルールがあり、IWの期間は出場が叶う。ロス五輪から逆算して、大岩監督のところで評価ができるのであればというところ。(U-20W杯参加も)まだあきらめたわけではなく、U-20W杯に向けて最後まで粘るつもりだが、ラージ100という視点でいくと選手にとってどちらの大会にも行かないというところが一番もったいない。まず代表に来てもらい、代表のことを身に着けられる機会にしていきたい」
──最高基準を示せる海外組を7月のウズベキスタン遠征から新たに加えた。第一次体制のチーム作りの手応えをどう落とし込んでいきたいか。
大岩監督
「落とし込むという作業はやはり回数が必要になる。それが少ないなかでの活動は経験しているが、継続してわれわれのグループに入ってくる選手たちがより重要になってくる。前回のウズベキスタン遠征からの選手たちがより今回の活動で洗練されていけばいいと思うし、新しい選手たちもわれわれのグループのルールやタスクの理解を進めていってほしい。これは積めば積むほどグループというのは強くなっていると感じる。初めての選手はその第一歩で、2回目の選手はそれをより高めていく作業をしていきたい」
──最高基準を示せる海外組をチームに置くことの意味をどう捉えているか。
大岩監督
「色んな刺激がグループを成長させていくと思う。いまヨーロッパで戦っている選手たちはわれわれの年代のトップランナーたち。その厳しさはグループの中で示してほしい。その刺激をどう受け取るかは選手それぞれ個人ベースだが、プレーヤーの基準を示してほしい。グループはこれから成長過程に入る。より色んなものを成長の材料にしてほしいし、それが気づきだったり、自分が環境を変えることであったり、そういうものにつながれば、よりグループとして高い基準になっていく。その回数を重ねればそういうものがより大きくなっていく。そういうものに期待したい」
──パリ五輪のときの第一次体制より時間はある。そのときから引き継いでもらいたいこと、新たに加えてほしいことはあるか。
大岩監督
「時間的には、ほぼほぼ3年。最終予選までは2年半くらい。そのなかでパリ五輪を経験したのはスタッフしかいない。スタッフも当時を経験したうえでレベルアップしていかなければいけないし、選手に求めるもの自体が一番高いものでなければいけない。それをいかにポストユースというこの年代の選手たちに落とし込むかという作業を、より経験を経て、リアリティを持ったグループとして戦うという、リアリティを持ったものに変化させていきたい。パリ五輪のときも言ったが、いつも同じメンバーで戦えるわけではない。なので、いつ来ても同じような高い基準のプレーを求めたいし、より洗練されたグループにしていきたい。この2年半、3年かけてどのレベルまで高めることができるかわからないが、一回一回の活動をしっかりと重要だという認識を持って活動していくことで、選手たちに成長を求めていきたい。そのうえでチームがより大きいものになれば理想的だし、何かアクシデントがあれば、それを乗り越えていくだけのパワーを持ったチームにしていきたい」
──「誰が来ても大丈夫なようなチームに」というラージ100のコンセプトだが、呼べる選手、呼べない選手にどう対応していくか。
山本ND
「メダルに辿り着くために、両面が必要だと思っている。ひとつは前回のパリ五輪で優勝したスペインと戦って、グループリーグ1位で通過したわれわれといいゲームになったと思うが、そのときに呼びたい候補の選手は何人もいた。われわれもヨーロッパに拠点があるので、そこを中心に各クラブとかなり深い交渉をしてきた結果、メンバーがああいう形になった。本来であれば呼びたかった選手もいて、そこの強化に関しては、ヨーロッパのクラブと日常的にコミュニケーションを取れるメンバーも増やしているし、選手の契約によるところも大きい。そこも踏まえて前倒しで五輪に来てもらえるような準備を進めていきたい。一方でラージ100について、大岩監督は前回100人弱の選手をたくさん招集して、色んな選手でトライしながらチームをあれだけ高めていった。海外に行っている選手も含めて、まったくそん色のない100人がいれば戦えるというのが、われわれの基本的なことになってくるのかなと思っている。たとえばスペインのように、国内の選手は法律で呼べるということがあるが、長い目で言うと、そこを変えていくところがある。ラージ100でいうと、4月5月にポストユースの活動をさせてもらった。そのときのメンバーは、チームでなかなか出番がなくて、チャンスを与えようといったメンバー。このような選手が4月5月の段階で、なかなかチームで出番すらなかった選手たちが、あそこで刺激を受けて帰った結果、チームでまた成長して、先日のウズベキスタン遠征でも成長してくれて、これだけ名前を連ねてくれた。特に、A代表と違うところは、この世代はこうやって数か月で自信をつけて一気に成長していく選手がたくさんいるというところ。そこに大岩監督がうまく火をつけてくれたり、日常を変える刺激を与えてもらっていると思っているので、これを全力でわれわれもサポートして、誰でも呼べるようにしたいが、誰が呼ばれても同じ力で戦えるくらい、ロス五輪まで逆算して準備していきたい」
──羽田憲司コーチが途中合流、途中離脱になる。チームへの影響はどのくらいあるか。
大岩監督
「われわれは少数のスタッフ編成でパリオリンピックも、そして今回のロス五輪に向けても活動している。そのなかでコーチの出入りがあまり無いなかで、今回はテクニカルスタッフの越智滋之コーチが新たにコーチングスタッフとして入っていただける予定になった。これはわれわれのグループのとてもいいところだと思っているが、そういうコーチ陣がよりアップデートして成長することで、選手たちにいろんなものを届けることができる。当然、羽田コーチの存在は大きいが、今回のこういう活動がわれわれグループが大きくなる要因になるとも感じている。助け合いながら、それぞれがチームのために全力を尽くしてくれている。羽田コーチも途中からだが来てくれるし、越智コーチも全力でチームを支えてくれると思う。そういう力に期待しながら頼りたい」
山本ND
「羽田コーチはProライセンスを受講中ということで、これはこのロス五輪を目指す大岩監督のチームがスタートする前の契約段階で、それを受講できるという条件が入っていた。それがこういうタイミングになったというところで、大岩監督には無理を言っているところ。越智コーチは今回スポット的な対応になるが、彼はパリ五輪のときからずっと一緒に大岩監督を支えてきたテクニカルスタッフではあるが、実際かなりコーチ寄りの仕事もしてもらって、(JFA Aジェネラル)ライセンスもしっかり取っている。私的にはまったく問題なく、逆に監督の言ったようなこともしっかりベースアップするんじゃないかというきっかけになってもらえれば」
──今回のメンバーが9月下旬のU-20W杯メンバーに選出される可能性はあるのか。
山本ND
「大岩監督と船越(優蔵)監督のなかで常にコミュニケーションを取っていただいている。もちろんW杯を目指すU-20チームは、この世代の仕上げとして非常に大きな段階で、そこに選手が優先的に行く。だが、選手にとって何もチャレンジする場がないというのが、成長を考えると一番かわいそうな状況になる。大岩監督と船越監督、もしくはコーチングスタッフのなかで丁寧に選手の成長を軸にやりとりしてもらっている。この大会はかなり日程が重なるくらいくっついている。両方を全部こなしたときにどうなるかというジャッジはもちろんあり、そのときの選手の疲労具合によって若干変わってくるとは思うが、いまの可能性というところで言うと、可能性はゼロではまったくないと思っていただいていい」
──五輪世代のラージ100のクオリティを全体に広げていくために、A代表とどのくらい関連づけていくつもりか。
大岩監督
「国によって強化の仕方は違うとは思うが、われわれとしては戦術的な要素でいえば、比較的似ている形で進めようとは思っている。ただ、ベーシックなところはこの年代はもっともっと上げていかなきゃいけない年代。試合に出場していない、途中出場が多いなかで、われわれのグループに来たときに先発で出ること、厳しい海外の選手と戦うこと、そういうことで選手のポテンシャルを上げていかなければいけない年齢だと思っている。そのなかで、われわれの日本代表としての活動で、毎回同じような形で選手にタスクを与え、活動を重ねることが、より選手たちのパーソナリティであったり、プレーヤーとしての戦術的なところであったり、そういうものを成長させていくことになると思うし、そういう刺激を与える使命だと思っている。大きな大会を戦い抜くことであったり、前回の大会でいえば(U23)アジア杯で優勝することが、より選手たちに自信を持たせたり、チームとしての一体感が得られたり、グループとしての戦い方が定まったりしていくと思う。色んなことを自分たちの力にしながら、強く、上手く、速く、ベーシックなものが高いチームにするための毎回の活動をやっていきたい」
──第一次体制では最初に選手にロードマップを示して強化を進めていたが、今回も目標を共有しているのか。
大岩監督
「前回のウズベキスタン遠征が、実質私が(第二次体制で)指揮を執る初めての活動だった。その選手たちには同じようにロードマップを示した。刺激を与えるためだけではないが、目標目的をはっきりさせることが今の選手たちに必要だと感じているし、そのなかでU-20W杯が途中にあり、(招集を)まだあきらめてはいないというところと、そして自分たちが回数を重ねることでアジア杯、アジア競技大会、そして最終予選も含めて、そのロードマップは示したうえで成長を求めていく。そして自チームに帰ればポジション争いがあり、日常があるわけなので、そこがまず重要だということを示しながら、このチームとしての目標目的を明確にする。選手の日常に刺激を与える作業は、今回の活動もそうだが、今後も常に示していきたい」
(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2026予選特集
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