キルギスの涙から一年…海外組・保田堅心(ヘンク)はU23アジア杯予選を真価示す場に、IW外のU-20W杯への思いも
MF
今から1年前、MF保田堅心(ヘンク)はキルギスの地にいた。昨年9月半ばのAFC U20アジアカップ予選。U-19日本代表の一員として、中央アジアに位置する未知なる国に降り立った。2連勝で迎えたキルギスとの最終節。スコアはまさかの1-1に終わり、冷や汗をかきながら首位突破を決めた試合後、保田は涙に暮れていた。
「本当に悔しくて…」
何度もあった決定機を逃し、ドローに終わった責任を誰よりも痛感させられていた。
あれから時は経ち、2025年9月。保田は強く逞しくなり、AFC U23アジア杯予選に出場するU-22日本代表の活動に参加している。
今年1月に保田はベルギー1部のヘンクに期限付き移籍を決断。2部に所属するセカンドチームで武者修行を積み、今季も開幕から3試合に出場して異国の地で戦いに挑んでいる。
今回は移籍後初めて日の丸を背負って挑む公式戦。長距離フライトはこれまでに何度も経験してきたが、ヨーロッパからアジアに移動する難しさは今までにない辛さがあったという。
「いつもは日本発のフライトで移動してきたけど、今回はヨーロッパ発の移動。(時差がマイナスになるので)こっちの方がきつかった。(経由地のバンコクに)着いた時は朝で、あんまり寝られなかったので、練習やミーティングもしんどかったですね」
だが、過酷な移動が苦にならないほど、異国の地で掴んだ手応えに確かなものがある。
「成長は自分でもすごく感じる。行って良かったと思うし、今シーズンも3試合やって手応えも昨シーズンよりもある。ここから自分次第でヨーロッパで活躍する道や未来を切り開いていける自信も出てきた」
特に感じているのは、自分の特徴を生かせるシーンが増えた点だ。
「自分の持ち味である前に出ていくプレーや推進力に関しては、マンツーマン気味で戦ってくるチームが多いベルギーでも発揮できている。1つひっくり返して自分で運べたらチャンスになるし、やれていると思う。プレーの連続性でも強度が間違いなくさらに上がってきているなと思う」
もちろん、ゴール数やアシスト数が物足りない点は課題に感じており、自らの価値を高める上でも目に見える結果を残したいという想いを持つ。そういう意味では今予選は海外組の選手としてプレー面に加え、“数字”が必要だと理解している。
今大会後にはU-20ワールドカップも控えており、「(U20アジア杯予選の)悔しさはずっと持ってやってきた。ワールドカップに出場できれば、自分の価値はさらに高められると思うので、チャンスがあれば出場したいという気持ちはある」と出場への“欲”は隠そうとしない。
現時点ではインターナショナルマッチウィーク外の開催となるため、出場は所属クラブの決断次第となる。難しい状況に置かれており、自分の意思だけでどうにかできる問題ではない。だからこそ、今は目の前の戦いに集中し、結果を残すことに全精力を注ぎ込む構えだ。
「同世代の選手がA代表に行っているので、焦りも感じていないわけではない。早く追い付かないといけない。でも、自分の現状と課題から目を背けず、まずはコツコツやっていくことが成長につながる。ワールドカップや代表での活動も大事だけど、(どんな場所でも)しっかり成長を続けていくことが今一番大事だと感じている」
複雑な状況に置かれても、揺るがない。確固たる信念を持ち、保田は6日のミャンマー戦に向けて準備を進めていく。
(取材・文 松尾祐希)
●AFC U23アジアカップ2026予選特集
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「本当に悔しくて…」
何度もあった決定機を逃し、ドローに終わった責任を誰よりも痛感させられていた。
あれから時は経ち、2025年9月。保田は強く逞しくなり、AFC U23アジア杯予選に出場するU-22日本代表の活動に参加している。
今年1月に保田はベルギー1部のヘンクに期限付き移籍を決断。2部に所属するセカンドチームで武者修行を積み、今季も開幕から3試合に出場して異国の地で戦いに挑んでいる。
今回は移籍後初めて日の丸を背負って挑む公式戦。長距離フライトはこれまでに何度も経験してきたが、ヨーロッパからアジアに移動する難しさは今までにない辛さがあったという。
「いつもは日本発のフライトで移動してきたけど、今回はヨーロッパ発の移動。(時差がマイナスになるので)こっちの方がきつかった。(経由地のバンコクに)着いた時は朝で、あんまり寝られなかったので、練習やミーティングもしんどかったですね」
だが、過酷な移動が苦にならないほど、異国の地で掴んだ手応えに確かなものがある。
「成長は自分でもすごく感じる。行って良かったと思うし、今シーズンも3試合やって手応えも昨シーズンよりもある。ここから自分次第でヨーロッパで活躍する道や未来を切り開いていける自信も出てきた」
特に感じているのは、自分の特徴を生かせるシーンが増えた点だ。
「自分の持ち味である前に出ていくプレーや推進力に関しては、マンツーマン気味で戦ってくるチームが多いベルギーでも発揮できている。1つひっくり返して自分で運べたらチャンスになるし、やれていると思う。プレーの連続性でも強度が間違いなくさらに上がってきているなと思う」
もちろん、ゴール数やアシスト数が物足りない点は課題に感じており、自らの価値を高める上でも目に見える結果を残したいという想いを持つ。そういう意味では今予選は海外組の選手としてプレー面に加え、“数字”が必要だと理解している。
今大会後にはU-20ワールドカップも控えており、「(U20アジア杯予選の)悔しさはずっと持ってやってきた。ワールドカップに出場できれば、自分の価値はさらに高められると思うので、チャンスがあれば出場したいという気持ちはある」と出場への“欲”は隠そうとしない。
現時点ではインターナショナルマッチウィーク外の開催となるため、出場は所属クラブの決断次第となる。難しい状況に置かれており、自分の意思だけでどうにかできる問題ではない。だからこそ、今は目の前の戦いに集中し、結果を残すことに全精力を注ぎ込む構えだ。
「同世代の選手がA代表に行っているので、焦りも感じていないわけではない。早く追い付かないといけない。でも、自分の現状と課題から目を背けず、まずはコツコツやっていくことが成長につながる。ワールドカップや代表での活動も大事だけど、(どんな場所でも)しっかり成長を続けていくことが今一番大事だと感じている」
複雑な状況に置かれても、揺るがない。確固たる信念を持ち、保田は6日のミャンマー戦に向けて準備を進めていく。
(取材・文 松尾祐希)
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