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Jで味わった二度の悔しさ、U-20W杯メンバー落選、大岩J招集…一年を振り返る土屋櫂大(川崎F)「あの経験があったからこそと、将来言えるように」

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DF土屋櫂大

 新たな舞台に向けて、再出発を図る。DF土屋櫂大(川崎F)はU-22日本代表に選出。チームは24日からのIBARAKI Next Generation Cup 2025に備えてトレーニングを3日間行った。わずかなオフを過ごしてからの活動スタートに「これからもっともっとベストな状態に上げていっていければ」と意欲を燃やした。

 プロ初年度となった2025シーズンは、多くの悔しさを味わった。

 アカデミーからトップ昇格を果たした川崎フロンターレでは、4月9日のJ1リーグ第5節・横浜F・マリノス戦(△3-3)で公式戦初のベンチ入り。終盤の途中出場でプロデビューを果たしたが、2-1から一時2-3と逆転された。

 10月12日のルヴァンカップ準決勝第2戦・柏レイソル戦では、退場者が出たなかで投入された。だが、数的不利で相手に押し込まれ、第1戦のリードをひっくり返されて敗退。出番が回ってきた試合を、笑顔で終えることはできなかった。

 土屋は「もちろん悔しかった」と率直に思いを語りつつ、前向きにこの一年間を総括する。

「一年間、長谷部(茂利)監督にはいろいろな経験をさせてもらって、本当に感謝しています。Jリーグでのデビュー戦、ルヴァンのレイソル戦、ああいう舞台に立たせてもらって、ああいう経験ができた。もちろん本当に悔しかった。だけどあの経験があったからこそと、将来言えるように、今年の経験を生かしてやっていきたい」

 もうひとつ、大きな悔しさがあった。船越優蔵監督体制のU-20日本代表として、2月のAFC U20アジアカップに参戦。しかし、9月のU-20ワールドカップメンバーには選ばれず。ともに戦った仲間たちの雄姿は日本から見届けた。「落選で悔しい思いはしたけど、その悔しさをバネに変えて、ここからやってやろうと逆に活力になった」。そう力を込めて、再び前を向いた。

 一方で、7月から発足した大岩剛監督体制のU-22日本代表には連続で選出。W杯の戦いを終えたU-20日本代表メンバーも加わり、新たな競争が始まった。今回の活動を終えると、チームは来年1月にAFC U23アジア杯に出場する。

「ポジション争いはもっともっと激しくなってくる」。そう語る土屋はリベンジに燃え、「目をギラギラさせながら、U-20W杯のメンバーたちとの競争に勝つことを今は目標にしてがんばっている」と気を吐く。選ばれ続けていることに満足はしない。「もっとやれるぞというアピールをしなければ、U-20W杯の二の舞になる。一日一日を大切にアピールし続けることが大事。泥臭くではないけど、日々向上心を持ってやっていきたい」。24日から始まる大会に目を向けていた。

 IBARAKI Next Generation Cup 2025には、U-22日本代表も含めて4チームが出場。24日の初戦となる準決勝では、U-21関東大学選抜と対戦する。

 代表活動をしながら、土屋はインスタグラムで25シーズンの締めくくりとなる挨拶を投稿した。すると、U-21関東大学選抜の選手から「まだ終わってねえぞ」とメッセージが届いたという。送り主はFW岡崎寅太郎(桐蔭横浜大)。土屋にとって川崎F U-18時代の一学年上の先輩だ。

「『おれが点を取って、悔しい思いで最後締めくくってやる』というメッセージが来ました(笑)。おれが高2のとき、トラは高3。練習が終わってもずっと1対1をしていた仲。高2高3の関係で本当によくしてもらっていた。そこでお互い高め合っていけた仲なので、マッチアップするなら楽しみ。何がなんでも完封してやりたい」

 旧知の仲との一戦で自身の成長を測る。そして一年の集大成となる活動を経て、1月のアジアの舞台に立つつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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